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木造住宅に構造計算は必要?気になる2025年法改正についても詳しく解説

更新日:2023年7月7日(金)

住宅性能評価や長期優良住宅に対する興味・関心が集まりつつある現在、それらに必要な耐震等級を得るため、構造計算が求められるケースが増えてきています。

一方で、建築基準法改正において、構造計算が必要となる木造住宅の範囲が拡大される見通しで、多様な場面で構造計算は避けて通れないスキルといえるでしょう。

本記事では、木造住宅の構造計算を取り巻く状況について触れると共に、将来的な法改正の内容についても詳しく解説していきます。

木造住宅の構造計算とは

木造住宅の構造計算とは

構造計算というと、難しく考えられる方も多いかと思われますが、考え方自体は決して難解なものではありません。

まずは構造計算の基本的な考え方から確認していきましょう。

構造計算とは、建物の安全性を検証・確認するための計算

建物には、構造部分に掛かる自重や積載荷重の他、多様な外力(地震力・積雪・風圧・土圧など)が加わります。

それらに対する構造部材の応力(建物内部に生じる抵抗力)や変形を計算し、安全であることを確かめることを構造計算と呼びます。

構造計算のルート

構造計算には主に4つの計算方法があります。

自重、及び地震・台風時の応力が材料の耐力以上であることを確かめる「許容応力度計算(ルート1)」、ルート1に加えて建物の変形やバランスが一定の数値以下であることを確認する「許容応力度等計算(ルート2)」、そしてルート2まで行ったものを構造計算された建物と一般に呼称します。

そのほか、大地震時に建物が一部損壊しても、全壊に至らないことを確認する保有水平耐力計算(ルート3)、その他(限界耐力計算・時刻暦応答解析(ルート4))が存在します。

もう一つの計算方法「壁量計算」とは

壁量計算とは、上記の構造計算を相当に簡略化した方法を指します。

地震や台風の外力に対し、耐力壁の配置や材料、厚みを設定する計算であり、2階建て以下の一定規模未満の木造住宅において適用可能な計算方法です。

構造設計者ではない一般的な建築士でも行うことが可能で、簡易かつスピーディーに計算できることがメリットで、多くの工務店で標準的に行われてきました。

木造住宅に、構造計算は必要?

木造住宅に、構造計算は必要?

構造計算とその簡易的方法である壁量計算について解説しました。

では実際、その法的な取り扱いについてはどのように異なるのでしょうか。

実は、法律的には構造計算は条件付で必須ではない

ご存知の方は多いと思われますが、壁量計算は厳密には「構造計算」には含まれません。

建築基準法に定められている構造計算とは、上記ルート1からルート4のことを指します。

例えば、一般的な2階建ての小規模(500㎡以下)住宅であれば、基準法上は4号建築物という分類に該当するため、構造計算および確認申請における構造関連審査が省略されることとなっており、それを呼称して「4号特例」と呼ばれているのです。

国内の木造住宅のほとんどは構造計算されていない

もちろん、構造計算は確認申請上必須ではないだけで、構造計算によって安全性を確認した建物も存在します。

しかしその割合は小さく、日本国内で立っている住宅のおよそ80%の木造住宅(2階建て以下)が構造計算されていないと言われることも。

その理由は様々ですが、構造計算によって柱・梁などの構造材が増加したり、専門の構造設計者に依頼することとなり、設計費がかかるなどのコスト要因による影響が大きいと見られます。

2025年基準法改正により、構造計算が義務化

2025年基準法改正により、構造計算が義務化

実は2025年を境に、現行の建築基準法に改正が行われることをご存知でしょうか。

その中には、上記で触れたような木造住宅の構造計算についても影響する内容がありますので、必ず押さえておきましょう。

「脱炭素社会の実現」を目的とした大幅な法改正

この法改正はそもそも住宅・建築物の省エネ対策を目的としたもので、住宅のみならず幅広い建物に掛かる基準が見直される予定です。

また木材の利用促進による脱炭素化も目指しているため、中・大規模建築物における防火規定を合理化し、これまで難しかった高層建築への木材利用を可能とする法改正なども含まれています。

その内の一つとして、上記で触れた「4号特例」についても制度見直しの対象となっているのです。

省エネ住宅の増加により、地震時リスク増加

省エネ住宅の普及に伴い、設備スペース確保のための階高アップや、屋根面への太陽光発電システム設置、断熱材の増加など、建築物の負担が増加する傾向にあります。

これまでの壁量計算ではその負担までを想定できず、地震による被害リスクが高くなっていることが問題となっていました。

今回の法改正は、上記を背景とした、住宅の省エネ性と安全確保の両立を実現するための施策と言えます。

4号特例の範囲が縮小、計算が一部義務化

具体的には、これまで建築確認・検査の対象ではなかった建物と、4号特例対象となる建築物の範囲が縮小されることとなりました。

建築確認において構造審査が不要となるのは平屋かつ200㎡以下の建物のみとなり、その他は審査の際に構造計算書の提出が必要となります。

国内の木造住宅の多くは2階建てであるため、多くの工務店で今後構造計算の必要性が急激に高まることとなるでしょう。

Make Houseでは、住宅の構造計算も対応します!

法改正で必須となる住宅の構造計算について、不安に思われる工務店様もおられるのではないでしょうか。

Make Houseでは構造計算を標準対応しているので、煩わしい構造計算を工務店社内で行わなくても一括でお任せいただくことが可能です。

法改正前でも、気になる方はお気軽にご相談ください。

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