2025年のインテリアコーディネート最新トレンド|インテリアコーディネーター荒井詩万が解説

住宅の設計においてインテリアは単なる装飾ではなく、住まいの価値を左右する重要な要素です。

特に住宅会社や工務店の設計担当者にとって、最新のトレンドを把握することはお客様に魅力的な提案をする上で欠かせません。

しかし、日々の業務に追われる中で、インテリアのトレンドをキャッチアップし、それを具体的な設計に落とし込むのは簡単ではありませんよね。

そこで本記事では、2025年の最新インテリアトレンドをわかりやすく解説します。

2025年のインテリアの流れを押さえ、実務に活かせるヒントを得るために、ぜひ最後までお読みください!

目次

インテリアコーディネーター荒井詩万とは?

経歴・実績など

荒井詩万(あらい しま) インテリアコーディネーター CHIC INTERIOR PLANNING 主宰

経歴

  • 日本女子大学家政学部被服学科を卒業後、設計事務所で秘書として勤務
  • 25歳の頃に町田ひろ子インテリアコーディネーターアカデミーの夜間部で2年間学ぶ
  • その後、フリーランスのインテリアコーディネーターとして独立

主な活動

  • 戸建住宅やマンションのインテリアコーディネート・リノベーションを150件以上手がける
  • 大妻女子大学短期大学部非常勤講師
  • 町田ひろ子アカデミー講師
  • 企業セミナー講師

メディア出演歴

  • NHK「あさイチ」
  • TV東京「インテリア日和」
  • 日本TV「スッキリ!」
  • 関西TV「土曜はナニする⁉︎」
  • TBS「ラヴィット!」

書籍

『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』(サンクチュアリ出版)

受賞歴

  • 第45回神奈川建築コンクール優秀賞
  • キッズインテリアコンテスト協会賞
  • 平成28年度 住まいのインテリアコーディネーションコンテスト特別審査員賞
  • モダンリビング第3回スタイリングデザイン賞金賞
  • モダンリビング第4回スタイリングデザイン賞銀賞など

2025年のインテリアコーディネートの傾向

Blur, defocused background of public exhibition hall holding furniture fair event or business tradeshow. Commercial trading convention center, interior design expo, or shopping mall marketing concept

住まいの価値は、単なる間取りや設備だけでなく、インテリアコーディネートが大きく左右します。

特に2025年は、暮らしの価値観が変化する中で、デザインだけでなくライフスタイルの質を向上させるインテリアが求められる年になるでしょう。

ここからは、2025年のインテリアコーディネートにおける大きなトレンドキーワードと、設計担当者が押さえておくべきポイントについて解説します。

大きなトレンドキーワード

今年の大きなトレンドキーワードとして、以下をピックアップしました。

大きなトレンドキーワード

・自然素材・エコロジー志向(サステナブルな素材、木の温かみ)
環境配慮が求められる時代、サステナブルな素材を活用したデザインが注目されています。
無垢材やリサイクル素材を用いた内装や家具、漆喰や珪藻土などの自然素材の壁材が増えており、特に「木の温かみ」を感じられる空間作りが求められます。

・「心地よさ」重視のデザイン(リラックスできる照明や色使い)
住まいの役割は、機能性だけでなく、心と体を癒す場としての重要性が高まっています。
間接照明を活かしたリラックス空間の演出や、自然を感じられるニュートラルカラーの採用など、快適な住環境を提供するインテリアがトレンドに。
特に柔らかいベージュやグリーン、ブルーなど、落ち着いた色使いが人気です。

・ミニマルデザイン × 個性の融合(シンプルだけど遊び心のある空間)
近年人気のミニマルデザインに、住む人の個性をプラスする動きが強まっています。
シンプルな空間の中に、ユニークな照明やアート、アクセントカラーを取り入れることで「自分らしさ」を表現できるインテリアが求められています。

・DX(デジタルツインやスマートホームとの親和性)
住宅業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が進んでおり、スマートホームとの親和性が高いインテリアが重要視されます。例えば、音声操作で調光できる照明、IoTデバイスと連携した家電など、テクノロジーを取り入れたコーディネートが今後のスタンダードになっていくでしょう。

いずれも押さえておくことで、トレンドを把握しやすくなるはずです。

住宅会社・工務店の設計担当が知るべきポイント

住宅会社・工務店の設計担当として、まず「トレンド=デザインの流行」ではなく「顧客の求める暮らし方の変化」ということを認識しておきましょう。

インテリアトレンドは単なるデザインの流行ではなく、住まい手の価値観の変化を反映したものです。

たとえば、サステナブルな素材が好まれる背景には「環境意識の高まり」、心地よさを重視したデザインには「ストレスの多い社会への対応」といったライフスタイルの変化があります。

この視点を持つことで、単なる流行追いではなく、顧客から長期的に求められる空間づくりが可能です。

また、インテリアが営業にも影響を与える(お客様の決め手になる)ということも理解しておきましょう。

インテリアは設計の一部であるだけでなく、住宅販売の決め手になる要素でもあります。

例として「シンプルだけど遊び心のある空間」は若い世代の共感を得やすく「心地よさを重視したデザイン」はファミリー層のニーズに応えられます。

トレンドを押さえたうえで、うまくプレゼンできれば、成約率の向上にもつながるでしょう。

インテリアコーディネートは4つに分類できる

住宅設計でインテリアの方向性を明確にすることで、顧客満足度を高めやすくなります。

住宅会社の設計担当者が「自社の顧客に合うスタイル」を理解し、提案を行うことで、より顧客の求めている住空間の提供が実現できるでしょう。

上記トレンドを取り入れ、”今”を感じるインテリアコーディネートは以下の4つのスタイルです。

特徴適した顧客層
ビンテージ・使い込まれた味わいやレトロな雰囲気が持ち味
・無垢材やアイアン素材、アンティーク調の小物、レンガやタイルの壁を活用
・アンティーク家具やレトロなデザインを好む人
・おしゃれな雰囲気を取り入れたい人
シンプルモダン・無駄を省いた洗練されたデザイン
・モノトーンを基調とし、直線的なデザインや光沢のある素材を採用
・シンプルで機能的なデザインを好む人
・都会的な住宅に住む人
ナチュラル・木の温もりを感じる自然素材を活かしたスタイル
・オークやパイン材を中心に、優しい色合いで統一
・自然素材の温かみを感じたい人
・家族とリラックスできる住まいを求める人
ジャパンディ・和と北欧の融合スタイル
・シンプルでありながら温かみのあるデザインで、和の要素と北欧のミニマルさを調和
・和の雰囲気が好きだが、モダンな要素も取り入れたい人
・落ち着いた住環境を好む人

住宅商品を考える際にこの4つの分類をベースにすることで、以下のようなメリットがあるので理解しておきましょう。

  • 提案のスムーズ化:スタイルを明確に分類することで、顧客に具体的なイメージを持ってもらいやすくなる
  • ターゲットに合った住宅設計の実現:顧客が好むスタイルを事前に把握することで、設計の方向性を早い段階で固められる
  • 統一感のある住宅商品の作成:無秩序なデザインではなく、明確なコンセプトに基づいた提案が可能になる

4つのテイストで決めることで、顧客のインテリアの好き嫌いなどが整理しやすくなります。

テイストが決まればクロスから照明までインテリアが一気通貫で決定するので、優先的にインテリアのテイストを決めましょう。

お客様が満足するコーディネートができているか?

住宅設計において、インテリアコーディネートは顧客の満足度を左右する重要な要素です。

しかし、多くの住宅会社の設計担当者は、インテリアコーディネートに関する悩みを以下のように抱えています。

住宅会社の設計担当が抱えやすい悩み

① インテリアコーディネートが営業の負担になっている
住宅の提案時に、間取りや設備に加えてインテリアの相談まで対応するのは大きな負担になります。

インテリアの知識が豊富でない営業担当者が、顧客の希望を的確に汲み取るのは難しく、対応の手間が増えてしまうケースが多く見られます。

② 顧客に選択肢を出しすぎて迷わせてしまう
「選択肢が多いほど顧客にとって良い」と考えがちですが、実際には選択肢が多すぎると迷いが生じ、最終決定までに時間がかかることがあります。

インテリアにこだわりのない顧客に対しては的確な選択肢を絞り、迷わせないようにすることが大切です。

③ デザイン性とコストのバランスが難しい
デザインにこだわるほどコストが上がるため、顧客の予算とデザインの希望を両立させることが難しくなります。

デザイン性を追求するほど標準仕様では対応しきれず、オプション費用が増えてしまう問題が発生しやすくなるので注意が必要です。

顧客に最適な提案を行い、満足度を高めるためには、以下のように成功している住宅会社の工夫を参考にすることが重要です。

成功している住宅会社の共通点

① 標準仕様のデザインが洗練されている
成功している住宅会社では、標準仕様のインテリアデザイン自体が洗練されており、大幅な変更を加えなくても顧客が満足できる仕組みを整えています。

(例)
・標準仕様でも高級感のあるデザインを採用
・流行を取り入れつつ、長く使えるデザインを意識
・顧客がカスタマイズしやすいベースデザインを設定

② プロのコーディネーター監修のセットがある
設計担当者が個別にインテリア提案をするのではなく、プロのインテリアコーディネーターが監修した「おすすめセット」を用意することで、提案の効率化を図っている会社も多くあります。

(例)
・インテリアスタイル(例:ビンテージ、ナチュラル、シンプルモダンなど)のセットを用意
・プロの目線でトータルコーディネートされたプランを提案できるようになる
・施工後の完成イメージが明確になり、顧客も安心できる

③ 顧客の意思決定がスムーズ
標準仕様が洗練されているプロのコーディネーター監修のセットが用意できるていると、顧客の意思決定がスムーズになります。選択肢が絞ることで迷う時間が短縮され、顧客は納得感のある決定をしやすくなります。

(例)
・事前に選択肢を整理し、顧客が直感的に選びやすい工夫をする
・デザインと価格のバランスを考えたセットプランを用意
・決定までの流れをシンプルにすることで、顧客の負担を軽減

まとめ

設計担当者がムリなく、お客様に本当に満足してもらうインテリア提案をするには、以下3つのポイントが重要です。

①インテリアはトータルコーディネートが大事であることをお客様にご説明

②4つのインテリアコーディネートパターンからお客様の好みをヒアリング

③インテリアテイストを決めたら、クロスから照明まで一気通貫で提案

この3つを意識することで、設計担当者の負担を減らしつつ、お客様の満足度を高められますので、ぜひ試してみてくださいね。

Make Houseからのお知らせ

設計担当者にとってトレンドを反映しながらコストとデザインのバランスを取るのは難しく、顧客に選択肢を出しすぎて迷わせてしまうこともあります。お客様が納得していないことに工務店が気づいていないと、打ち合わせ工数が伸びてしまうケースにつながりやすい点も注意が必要です。

そこでよりスムーズかつ、選択肢を絞ったベストの提案を行うために荒井詩万監修の最新のインテリアトレンドを取り入れた「高性能注文住宅 Sシリーズ」の導入がおすすめです。

インテリアの打ち合わせの課題や悩みに寄り添い、4つのテイストに分類することで、クロスから照明まで一貫して統一感のある満足度の高いインテリアの提案が可能になります。

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