ウッドショックはいつからいつまで?2026年最新の木材価格と工務店の備え

ウッドショックはもう終わったのか、木材の値段は元に戻るのか。見積もりを出すたびに気になっている工務店経営者の方も多いはずです。この記事では、始まりから現在までの流れと、いま取れる備えを整理します。

この記事でわかること

  • ウッドショックがいつから始まり、いまどうなっているか
  • ウッドショックが起きた原因と、工務店への影響
  • 木材価格の変動に備えて工務店が取れる対策
目次

ウッドショックはいつからいつまで?現在の状況

ウッドショックとは?

ウッドショックは2021年の春に始まり、木材価格はその後ピークから下がりました。ただし、2025年の年平均でも、ウッドショックの前(2020年)より高い状況です。

林野庁が2026年6月に公表した白書の数字で見るかぎり、以前の価格に戻ったとは言えません。

始まりは2021年の春

林野庁の森林・林業白書によると、2021年に、国内の住宅需要が回復するなかで米国の住宅着工の増加や海上輸送の混乱が重なり、輸入木材の不足と価格の高騰が起きました。

輸入木材の代わりとして国産材の需要が高まり、国産材の製品価格も2021年の春から大きく上がっています。

価格のピークとその後

白書に載っている製材品(スギ正角・ヒノキ正角の乾燥材)の年平均価格を、年ごとに並べます。

年スギ正角(乾燥材)ヒノキ正角(乾燥材)動き
2021年105,700円/m3132,500円/m3春から大幅に上昇
2022年124,800円/m3149,900円/m3年平均ではこの年が高い
2023年94,600円/m3110,700円/m3下落
2024年84,800円/m3103,400円/m3下落
2025年75,900円/m395,500円/m3下落

出典:林野庁「森林・林業白書」令和4年度〜令和7年度の第1部第3章第1節(令和7年度の該当ページ)。2021年の価格は、令和4年度の白書にある2022年の価格と前年との差から計算した数字です。

スギ正角は、2022年の124,800円/m3 から2025年の75,900円/m3 まで、3年続けて下がりました。

現在はウッドショック前より高い水準が続く

令和7年度の白書は、2025年の製材品の価格について、2021年のピークからは下落傾向にあるものの、2020年と比較すると高い状況としています。

丸太の価格も同じ傾向です。2025年はスギ15,400円/m3、ヒノキ25,300円/m3、カラマツ15,400円/m3 で、白書は2020年よりも高い状況としています。

つまり、急な値上がりは収まったものの、2020年以前の価格を前提にした見積もりは通用しにくい状況です。

ウッドショックとは?起きた原因

ウッドショックの主な原因

ウッドショックとは、木材の需要に供給が追いつかず、木材の価格が急に上がった出来事のことです。原因は、木そのものが減ったことではありません。需要の急増と、運ぶ手段の不足が重なって起きました。

アメリカの住宅需要の増加

新型コロナウイルスの流行で家にいる時間が増え、アメリカでは住まいを良くしようとする動きが活発になりました。住宅の新築や改修が増え、木材の需要が大きく伸びています。

アメリカは日本にとって木材の主な輸入先のひとつです。アメリカ国内で使う量が増えたぶん、輸出に回る木材が減りました。

海上輸送の混乱

同じ時期に、オンラインでの買い物が世界中で増え、荷物を運ぶコンテナが足りなくなりました。木材はあっても、求める人のもとまで届きにくくなったのです。

産地でも人手が足りない時期があり、出荷そのものが滞りました。経済産業省もウッドショックの影響についての解説で、供給の制約を取り上げています。

輸入木材に頼る日本の事情

日本は森林の多い国ですが、長いあいだ、価格の安い輸入木材を多く使ってきました。そのため、輸入が細ると影響を受けやすい構造になっています。

国産材に急に切り替えようとしても、人手が足りなかったり、木がまだ育っていなかったりして、需要をすぐにはまかなえません。

ウッドショックが工務店に与えた影響

工務店への影響は、調達・費用・契約の3つに表れました。

木材の調達と工期

木材が届くのが遅れ、工期が長引くケースが出ました。なかには、契約したのに家がなかなか建たないという例もあります。

木造を中心に手がける工務店は、木材が届かなければ現場を動かせません。木材の調達は、そのまま工期の問題になります。

プレカットの費用の上昇

プレカット(柱や梁を工場であらかじめ加工しておく方法)の費用も上がりました。原因はウッドショックと同じで、材料になる木材の不足と値上がりです。

プレカットの仕組みと費用の考え方は、プレカットとは?費用・工法・コストダウンの方法でまとめています。

見積もりと契約への影響

見積もりを出してから契約・着工までのあいだに木材の値段が動くと、当初の見積もりのままでは利益が残らないという事態が起こります。

値上がりぶんを誰が負担するかを決めていないと、あとでお客様との行き違いになりかねません。

何も対策をしなければ、材料の値上がりはそのまま粗利の減少になります。影響を小さくするには、仕入れ・設計・契約のそれぞれで手を打つ必要があります。

木材価格の今後の見通し

ウッドショックの今後の見通し

木材価格は、すぐにウッドショックの前の水準へ戻るとは考えにくい状況です。理由は需要と、海外の事情の両方にあります。

価格が元に戻りにくい理由

2025年度から、省エネ基準への適合が義務になりました。基準を満たすための建材の需要が続くため、木材を含む建材の価格は下がりにくくなっています。

木材の需要が下がらないかぎり、価格も下がりにくい状態が続きます。一時的に下がる月があっても、また上がることがあるため、単月の値動きだけで判断しないほうが安全です。

国際情勢と為替の影響

ロシアは日本を非友好国として、木材の輸出を制限してきました。日本がロシアから輸入する木材は多くありませんが、ロシアの木材に頼っている国はほかにあり、世界全体の需給に関わります。

為替も無視できません。円安の局面では、輸入木材の仕入れ値が上がります。国際情勢と為替は工務店の側で動かせないため、価格が動く前提で備えておくことが現実的です。

工務店がいま取れる木材価格への備え

プレカットの費用を抑える方法

木材価格は自社で決められません。そのぶん、使う量・伝え方・資金の3つで備えます。

木材と構造を見直す

まず、使う木材を見直します。輸入材への依存を減らし、国産材の割合を増やすことが、費用を抑える方法のひとつです。

構造をシンプルにする方法も有効です。スギは強度の面で梁に使いにくいとされてきましたが、梁のかけ方を工夫すれば必要な強度を確保できます。

梁のかけ方を見直すと、使う木材の量(材積)そのものも減らせます。断面の小さい部材で基準を満たせる箇所が増えれば、プレカットの費用も抑えられます。

プレカットの価格を抑える方法も参考にしてください。

見積もりの有効期限と価格の変動を施主に伝える

見積もりには有効期限を書き、木材の価格が動いた場合の扱いを契約の前に説明しておきます。

価格が上がっていること、木材の種類が変わる可能性があることを先に伝え、合意をもらったうえで工事を進めると安心です。合意のないまま進めると、あとで費用の負担をめぐる行き違いになりかねません。

説明するときは、次の3点を書面にしておくと伝わりやすくなります。

  • 見積もりの有効期限
  • 木材の価格が動いた場合に、金額をどう見直すか
  • 木材の種類を変える場合の進め方

国産材への切り替えを検討する

国産材への切り替えを後押しする支援を、林野庁が行っていることがあります。条件や金額は制度ごと・年度ごとに違うため、林野庁の公式サイトなどで最新の内容を確かめましょう。

ただし、ウッドショックのときは国産材の価格も上がりました。切り替えれば値動きがなくなるわけではないため、仕入れ先と早めに相談し、量と価格の見通しを確かめておきます。

資金繰りの手当てをしておく

木材の値上がりは、仕入れの支払いが先に増える形で資金繰りに響きます。日本政策金融公庫は事業者向けにさまざまな融資を行っており、外部の要因で売上や利益が減ったときに使える制度もあります。

苦しくなってからではなく、余裕があるうちに相談先を確かめておくと動きやすくなります。

よくある質問

ウッドショックは終わったのですか?

急な値上がりは収まり、製材品の価格は2023年から2025年まで3年続けて下がりました。ただし、林野庁の令和7年度の白書は、2025年の価格を2020年と比較すると高い状況としています。以前の価格に戻ったとは言えません。

木材価格はいつ元に戻りますか?

時期は見通せません。省エネ基準の義務化による建材の需要、為替、国際情勢など、価格を下げにくくする要因が残っているためです。戻る前提ではなく、動く前提で見積もりと契約を組むことをおすすめします。

アイアンショックとは何ですか?

鉄鋼の価格が上がった出来事を指す言葉です。住宅では鉄筋や金物などの費用に関わります。木材と同じように、世界の需要と供給の変化が背景にあります。

工務店はまず何から手を付けるとよいですか?

見積もりの有効期限と、価格が動いたときの扱いを書面にすることから始めるのが取り組みやすい方法です。そのうえで、木材の種類と構造の見直しに進みます。

まとめ

ウッドショックは2021年の春に始まり、木材価格はピークから下がりました。それでも、2025年の年平均は2020年より高い状況です(林野庁 令和7年度 森林・林業白書)。

工務店にできる備えは、木材と構造の見直し、見積もりの有効期限と価格変動の説明、国産材への切り替え、資金繰りの手当ての4つです。

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