【初心者向け】BIM設計とは?CADとの違いからメリット・デメリットまで徹底解説

「図面の修正漏れ、施主とのイメージのズレ、現場での手戻りなんとかしたい…」

建設業界が長年抱えてきたこれらの問題を、まとめて解決できる手法がBIM設計です。

3Dモデルに設計から維持管理まであらゆる情報を集約することで、関係者全員がリアルタイムで同じデータを共有できます。

そこでこの記事では、以下の内容についてわかりやすく解説します。

【この記事でわかること】
・BIM設計とは
・BIM設計とCADの違い
・BIM設計を導入するメリット
・BIM設計のデメリット・注意点

監修者

眞木 健一

Make House株式会社 代表取締役

福岡にて1600棟以上の注文住宅の実績。また、casa projectを創業し『casa cube』をはじめとした企画住宅を全国に展開。
その後2社を売却し2016年、技術ある職人や工務店の設計サポートを行うMake House株式会社を立ち上げる。

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目次

BIM設計とは?基本をわかりやすく解説

BIM設計とは、Building Information Modelingの略で、建物の3Dモデルに設計から施工・維持管理までの全情報を一元管理する手法を指します。

根底にあるのは、デジタル上に建物を丸ごと構築し、プロジェクトに関わる全員が同じデータを共有するという考え方です。

BIMの3Dモデルには形状情報だけでなく、面積や材料の仕様、概算費用、修繕時期なども統合できます。

活用範囲は設計プレゼンから施工の干渉チェック、完成後のメンテナンス管理まで、建物のライフサイクル全体に及ぶのが大きな特徴といえるでしょう。

20世紀末に建設産業の生産性低迷を背景に登場したBIMは、現在では大手ゼネコンを中心に業界のスタンダードになりつつあります。

BIM設計について気になる方は、以下の記事もおすすめです。

BIM設計とCADの違いを比較

BIM設計とCADの違いを比較について、以下の観点で解説します。

従来の2D CADが抱えていた課題

2D CADでは平面図・立面図・断面図をそれぞれ個別に作成する必要があり、図面枚数が増えるほど管理コストが膨らんでいました。

特に深刻だったのが、修正作業です。

1箇所の変更が複数の図面に影響するにもかかわらず、すべてを手動で直さなければならず、修正漏れが頻発していました。

電気配線や配管、構造といった専門分野の情報も別々のファイルに分散し、竣工後に設計データが活用されないまま埋もれるケースも少なくありません。

さらに2次元の図面では完成形が直感的に伝わりにくく、施主が完成後に違和感を覚えるトラブルの温床にもなっていたのです。

手戻りや情報の齟齬が工期延長やコスト超過を招く非効率は、業界全体の課題として長く残り続けていました。

BIMとCADの違いは、以下の記事でより詳しく解説しています。

BIMが「情報を一元管理」できる理由

BIMが情報を一元管理できる最大の理由は、3Dモデルの各パーツに属性情報を持たせる仕組みにあります。

柱や壁、床といった要素を単なる線や面ではなく、意味のある建築要素としてデータ化している点が従来のCADとの根本的な違いです。

この仕組みにより、1箇所を修正するだけで平面図・立面図・断面図・積算データがすべて自動で連動更新されます。

設計者や施工者、施主、運用者が同一モデルを参照するため、情報が分散せず常に最新の状態を共有できるでしょう。

近年はクラウド技術との連携も進み、リアルタイムでの多拠点共有が実現したことで、一元管理の強みはさらに高まっています。

BIM設計を導入する5つのメリット

BIM設計を導入するメリットを5つに分けて解説します。

完成イメージを3Dで正確に共有できる

BIMでは設計の初期段階から3Dモデルを使って打ち合わせを進められるため、完成形のイメージを全関係者が同じ視点で確認できます。

従来の2次元図面では、専門知識のない施主が完成形を想像しにくく、具体的な意見を出しづらいという課題がありました。

BIMの3Dモデルなら照明や壁材、床材、什器なども空間上に配置し、色合いや素材感を比較しながらインテリアの方向性まで設計段階で議論できるのが強みです。

施主がビジュアルで確認しながら要望を伝えやすくなるため、設計者も的確なフィードバックを早期に得られるという相乗効果が生まれます。

VR技術との組み合わせにより、実際の空間に入ったかのような臨場感ある体験を提供する事例も増えてきました。

設計エラーを事前にシミュレーションで発見できる

BIMを活用すれば、柱・梁・ダクト・配管の干渉チェックを施工前のデジタル空間で実施できます。

現場で干渉が発覚した場合、設計変更や部材発注のやり直しが発生し、工期とコストに深刻な影響を及ぼすため、事前の検出が極めて重要です。

耐久性や日当たり、気流、エネルギー消費などの性能シミュレーションも同一モデル上で実行でき、環境設計の精度向上にもつながります。

設計段階でミスを潰すことで、実物と図面の食い違いによる現場トラブルを根本から防げるようになるでしょう。

情報の修正が全データに自動反映される

BIMの最も実務的なメリットのひとつが、1箇所の修正で関連するすべての図面・積算データ・工程情報が自動更新される点です。

従来は1つの変更に対して平面図・立面図・断面図・施工図をそれぞれ手動で修正する必要があり、修正漏れが現場ミスに直結していました。

BIMでは建材パーツや建具にあらかじめ寸法・仕様・積算データが入力されているため、部材変更時も計算のやり直しが自動化されます。

この連動性が情報の整合性を常に保ち、設計者と施工者の間で「図面の版が違う」といった齟齬が起きにくくなるのも大きな利点でしょう。

修正に費やしていた膨大な時間が削減され、設計品質の向上や施主対応に時間を充てられるようになります。

工期短縮・コスト削減につながる

BIMの導入は、手戻りの大幅削減と資材数量の正確な自動集計、工程シミュレーションの精度向上を通じてコスト圧縮につながります。

特に手戻りは建設コストにおける見えないロスとして深刻で、設計段階で干渉や不整合を潰せるかどうかが工期短縮に直結する要素です。

部材の過剰発注や資材不足のリスクも低減し、現場の在庫管理やコスト予測の精度が向上することで予算超過の防止にもつながります。

4D BIMと呼ばれる手法では3Dモデルに時間軸を加えた工程計画を立てられ、事前にボトルネックを発見して対策を講じることが可能です。

大手ゼネコンの実績でもBIM導入後に施工プロセス全体の生産性が向上したケースが報告されており、中小規模の段階導入でも効果が見込めるでしょう。

施主とのイメージ相違が起きにくい

施主が完成後に「思っていたものと違う」と感じる問題の根本は、設計段階で完成形を正確に共有できないまま工事が進むことにあります。

BIMでは設計の初期から3Dモデルを施主と一緒に確認しながら打ち合わせを進められるため、イメージのズレを早い段階で解消できるのが強みです。

施主の要望を3Dモデルに即座に反映して見せられるので、変更後の見え方をリアルタイムで確認しながら意思決定を進められます。

建材の色や素材、照明効果まで視覚的に比較できるため、カタログだけでは伝わりにくい空間の雰囲気についても事前に合意を取りやすくなるでしょう。

大幅な設計変更が後工程で発生するリスクが下がり、施主の満足度向上とプロジェクトのコスト・工期安定を同時に実現できる点も見逃せません。

BIMを活用するメリットは、以下の記事でより詳しく解説しています。

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BIM設計のデメリット・注意点

BIM設計にはメリットだけではなく、デメリット・注意点もあるのでチェックしておきましょう。

導入初期のコストと学習コストが高い

BIMの導入にはソフトウェアのライセンス費用に加え、高スペックPCやセキュリティシステムの整備も必要で、複数台導入となれば相応の投資額になります。

現場スタッフが実務レベルで操作できるようになるまでには研修期間が必要で、習熟するまでの間は一時的に生産性が落ちるリスクも避けられません。

BIMは機能が多岐にわたるため、既存の2D CADベースの業務フロー全体を見直す必要があり、切り替え時期を決断できない企業も少なくないのが実情です。

設計初期から大量の情報を入力する必要があるため、プロジェクトの立ち上げ工数が従来より増える点も見落としがちなコストといえるでしょう。

ただし一度モデルを作り上げると修正や流用、情報活用が格段に効率化するため、長期的な視点では投資回収の見通しが立てやすいとも言われています。

BIMマネージャーなど人材不足の現状

BIMマネージャーとは、プロジェクト全体を通じてBIMの導入・運用を管理し、社内の生産性向上をけん引する専門職を指します。

現状の課題は、BIMの普及が遅れているために人材育成も進まず、人材がいないからさらに普及しないという悪循環が生まれている点です。

特に欧米と比較して日本のBIM普及率は低く、BIM未経験者でも対応できるよう仕様を下げた運用が問題視される現場も出てきました。

現状を打開するため、2023年から民間資格である建築BIMマネージャーの整備が進んでおり、スキル認定の枠組みが構築されつつあります。

自社で一から育てるには時間と費用がかかるため、外部人材の活用や段階的な内製化を組み合わせるアプローチが中小企業には現実的でしょう。

BIMマネージャーについては、以下の記事でより詳しく解説しています。

既存建物への適用が難しいケースがある

BIMの強みは設計の初期段階から情報を積み上げることにあるため、新築と比較して既存建物へのBIM適用はハードルが高くなります。

既存建物をBIM化するには、現地で詳細な寸法や設備情報を取得し、モデルを一から構築しなければならず、作業負担が大きいのが現状です。

3Dレーザースキャナーを使うことで精度の高い点群データを取得できるものの、点群データをBIMモデルへ変換する工数とコストが依然として課題になっています。

改修やリノベーション案件では既存図面が不正確だったり、竣工図自体が存在しなかったりするケースもあるため、モデル化の精度確保が難しい局面も少なくありません。

ただし、BIMで既存建物をモデル化できれば、改修計画の立案や修繕管理、ビフォーアフターの比較提案に強力に活用でき、労力に見合う価値は十分にあるでしょう。

国土交通省によるBIM義務化の動向

国土交通省によるBIM義務化の動向についても見ておきましょう。

公共工事への原則適用が前倒しに

2023年度より、国土交通省直轄の公共工事において、災害復旧や小規模工事を除くほぼ全ての案件でBIM/CIMの原則適用が始まりました。

当初の目標は2025年度でしたが、テレワーク需要の拡大や建設DXの加速を背景に2年の前倒しが決定された形です。

具体的な活用目的として「視覚化による効果」「省力化・省人化」「情報収集等の容易化」のいずれかひとつ以上を満たすことが受注者に求められています。

直轄事業で始まった原則適用は2024年度以降も段階的に拡大しており、積算や契約業務などバックオフィス領域でもBIM/CIMの活用が前提になりつつあるのが現状です。

公共工事の受注を狙う企業にとってBIM/CIM対応は、事実上の必須要件となっており、対応の遅れが受注機会の損失に直結するリスクを抱えることになるでしょう。

「建築BIM加速化事業」補助金の活用

BIM導入の最大の壁であるコスト問題に対し、国土交通省が用意した支援策が「建築BIM加速化事業」です。

2022年度補正予算として約80億円規模で創設され、補助対象はBIMソフトのライセンス費やクラウドサービス利用料、講習委託費など幅広い範囲に及びます。

元請け事業者だけでなく、下請けの協力事業者も対象に含まれるよう設計されている点も特徴的でしょう。

2024年度末で建築BIM加速化事業は一区切りとなり、2025年度からは「建築GX・DX推進事業」に刷新されて約65億円の予算規模で継続支援が図られています。

新制度では設計フェーズで上限3,500万円、施工フェーズで上限5,500万円が補助対象です。

制度の詳細は変更の可能性があるため、国土交通省の公式サイトで最新情報を確認することが欠かせません。

BIM設計についてよくある質問

BIM設計についてよくある質問を以下のようにまとめました。

BIMとCIMの違いは何ですか

BIMは建築物(ビルや施設など)を対象とし、CIMは土木インフラ(道路・橋・ダムなど)を対象とした3Dモデリング手法です。

BIMが建物本体の材料・仕様・コストといった属性情報を中心に扱うのに対し、CIMは地形や地質など自然条件の情報も含めたより広い範囲を対象とします。

なお海外ではこの区別がなく、建設分野全体をBIMと呼ぶのが一般的です。

日本でも国土交通省が2018年から、BIMとCIMを「BIM/CIM」と一括表記に変更しました。

自社のメイン事業が病院や商業施設、オフィスなどの建築ならBIM、道路や橋梁などインフラ中心ならCIMを検討するのが実務的な判断基準になるでしょう。

どちらも設計段階から3Dデータを共有し、施工・維持管理まで情報を一元管理するという根本の考え方は共通しているため、片方を学べば応用が利きやすい点も押さえておきたいポイントです。

中小企業でもBIMは導入できますか

結論として、中小企業でもBIMの導入は可能ですが、大手ゼネコンと同じやり方をいきなり取り入れるのは現実的ではありません。

成功のカギとなるのは、段階的な導入アプローチです。 現状、中小規模の建設会社や住宅分野ではBIMの浸透が遅れており、コストと人材育成の負担が主な障壁として国土交通省のアンケートでも毎回上位に挙がっています。

その障壁を下げる手段として「建築GX・DX推進事業」の補助金が活用でき、ソフトライセンス費やクラウド利用料、講習費などを一部国費で賄える仕組みが整っている状況です。

最初から全機能を使いこなそうとせず、3D可視化と施主へのプレゼンから始めて徐々に積算・施工管理へと活用範囲を広げていくステップが推奨されています。

公共工事の受注を目指す企業にとってはBIM対応が事実上の必須条件になりつつあるため、補助金制度を活用しながら早めに動き出すのが得策といえるでしょう。

BIMの資格はありますか

BIM関連の資格は現時点で国家資格ではなく民間資格が中心ですが、国土交通省登録資格として認定されたものもあり、公共工事の総合評価落札方式で加点対象になります。

代表的な資格としてBIM/CIM管理技士が挙げられ、BIM/CIMを活用したプロジェクト全体の導入・運用・マネジメント能力を評価する内容です。

BIM/CIM管理技士は、2025年2月に国土交通省認定資格として正式登録されました。

一方、BIM利用技術者試験はBIMの基本概念やソフトウェア操作スキルに特化した試験で、BIM/CIM管理技士より技術寄りの位置づけとなっています。

建築分野では建築BIMマネージャーの民間資格整備も進んでおり、2級から1級まで段階的なスキル認定を受けられる体制が構築されつつある状況です。

実務では資格より現場経験が重視される傾向があるものの、社内でのBIM推進や公共工事入札の評価加点という実利を考えると、資格の価値は着実に高まっているといえるでしょう。

まとめ

BIM設計は3Dモデルで情報を一元管理することで、図面の修正漏れや施主とのイメージのズレ、現場での手戻りを大幅に減らせる手法です。

導入コストや人材不足といった課題はあるものの、国の補助金制度も活用しながら段階的に進めることで、中小企業でも十分に取り組めます。

公共工事での義務化が進む今、早めに一歩を踏み出しておくことが、今後の受注機会を左右するポイントになるでしょう。

BIM設計について気になっている方向けに、以下で無料の資料がダウンロードできます。

ぜひチェックしてみてください。

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