スーパー営業マンは雇うな

「大手ハウスメーカーで年間〇〇棟売っていたエースが、ウチに来てくれることになった!」

もしあなたがそう喜んでいるなら、少し冷や水を浴びせることになります。

その採用----失敗する確率の方が高いからです。 今回のテーマは、工務店経営最大の悩みどころ「営業組織の作り方」についてです。

目次

その実績は「実力」か、それとも「看板」か

注文住宅において営業力は不可欠です。だからこそ、経営者は実績のある即戦力を欲しがります。

しかし、大手ハウスメーカー出身の「スーパー営業マン」を、高い給料や紹介料を払って採用しても、期待通りの成果が出ないことは往々にしてあります。

なぜか? 彼らが売っていたのは、彼ら個人の人間力ではなく、「会社の看板(ブランド)」だった可能性が高いからです。

「CMで有名なあの会社だから安心」という強烈な下駄を履いていたから売れていたのであって、看板のない地場の工務店に来た途端、丸腰になった彼らは全く売れなくなる。よくある話です。

さらに怖いのは、「言葉巧みな営業」のリスクです。 個人のトーク力でねじ伏せるタイプの営業マンは、契約欲しさにオーバートーク(過剰な約束)をしがちです。

「できます、やります」と調子よく契約しても、現場に入れば「そんな予算でできるわけがない」とトラブルになり、最終的には会社が尻拭いをさせられる。 売上は上がったが、信用は落ちた。これでは本末転倒です。

【実録】営業部隊がごっそり辞めたあの日

私にも、営業マンに頼り切っていた時期がありました。 ある時、売上の大半を作っていた優秀な営業トップと、その部下たちが、示し合わせたように一斉に辞めてしまったのです。 いわゆる「造反」です。

残されたのは、売上の立たない会社と、営業経験の浅い、口下手で真面目な社員たちだけ。 当然、売上の穴埋めは社長である私自身がやるしかありません。必死で走り回りましたが、限界があります。

そこで私は一か八かの賭けに出ました。 残った「売れない真面目な社員」たちに、高額な受講料を払って、本場アメリカの「プロフェッショナル・セールス・スキル」の研修を受けさせたのです。

その結果、私は衝撃の事実に気づかされました。 「営業とは、個人の資質ではなく、科学(ロジック)である」ということに。

研修から戻ってきた彼らは変わりました。 流暢なトークができるようになったわけではありません。しかし、「正しい手順」「正しいロジック」を身につけた彼らは、驚くべきことに、トップセールスマン並みの契約を次々と取ってくるようになったのです。

営業を「属人化」させるな、「仕組み化」せよ

あの日以来、私は考えを改めました。 口が上手いだけのスタープレイヤーはいりません。必要なのは、「再現性のある仕組み」です。

営業が苦手な社員でも、真面目に手順を踏めば契約が取れる「ロジック」を作ること。

営業の4つロジック

1、結論から先に言う(ぜひ私のところで契約をしていただきたい)

2、徹底したヒアリング(そのためにあなたにとって最高の家をつくりたいので、あなたの要望を聞きたい)

3、お客様に合った特徴と利点(弊社の住宅があなたにとってこういうところがメリットです)

4、クロージング

ダメな営業マンは自社の特徴を先に話します。(お客様に利点にならない特徴を話す→興味のないことをベラベラ喋る)

これらをすべてマニュアル化し、仕組みに落とし込むことができれば、採用コストの高いスーパー営業マンに依存する必要はありません。 むしろ、色に染まっていない未経験者の方が、素直にロジックを吸収し、安定した成果を出してくれます。

誰かが辞めたら会社が傾く。そんな「人頼み」の経営から卒業してください。 営業は、気合や根性やセンスではありません。正しい設計図があれば誰でも組み立てられる、プラモデルのようなものなのです。

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