工務店の経営状況を見ながら、少しずつ事業規模を大きくしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
本記事では売上を上げる際に重要視するポイントとともに、利益の改善にもつながるポイントを解説していきます。
例に挙げたポイントを参考にしながら、改善できるところはないか見直しをしてみてください。
目次
まずはじめに、売上高について説明をしていきます。
日本国内の住宅市場では、全体としての新築着工数も減少傾向にあり、それに伴い工務店の受注棟数も減少していく傾向にあります。
そのため現状の受注棟数を維持しながら、販売金額を維持することも大変難しくなることが予測されます。
会社の状況を見ながら受注棟数を増やす取り組みを行うのか、または棟数を維持したままで住宅の販売単価を上げるのか検討が必要です。
売上高だけが経営状況を見る指標ではありませんが、売上を伸ばすことも安定した経営の1つの要素であることを意識しておく必要があります。
次の章からは、売上と利益の観点から経営を見直すポイントについて説明をします。
では、売上を上げるために注力する点について説明をしていきます。
今回、挙げるポイントは下記の3つになります。
それでは1つずつ説明をしていきますので参考にしてみてください。
まずはじめに、集客についてです。
集客はお客様を契約につなげるまでの最初の段階になります。
そのため、工務店のひとつとして候補に入れてもらうためにも大切なステップになります。
その際に重要になるのが会社の「ブランド力」です。
最近では、WEBやSNSから情報を得るお客様も増えているため、そこでの他社との差別化が必要になります。
自社にしかできないポイントをピックアップし、お客様に価値と希少性を提供することによってブランド力は向上します。
集客を増やす方法については下記のコラムでも説明をしています。ぜひ参考にしてみてください。
次に重要になるのがプレゼンです。
プレゼンは直接お客様に住宅の性能や特徴をアピールできる場であり、契約率を上げるためにとても重要な機会になります。
そのため、プレゼンについては他社と差別化を図っている工務店も多いのではないでしょうか。
お客様にとっては理解が難しい専門的な用語も多いため、簡潔に説明をして理解をしていただく必要があります。
最近ではプレゼンツールの発達も進んでおり、3Dパースや3Dモデルを活用して視覚的にプレゼンをすることが可能です。
また、VRを活用したプレゼンツールもできており、実際に現場に行った感覚で住宅をアピールすることができます。
お客様の理解と満足を得られるように改めてプレゼンを見直してみてください。
契約につなげるためのVRプレゼンについては下記のコラムでも紹介をしています。ぜひ参考にしてみてください。
3つ目の要素となるのが、住宅の販売単価です。
工務店の売上について簡潔にまとめると、販売棟数×販売単価で求めることができます。
前の章で説明をした、集客・プレゼンによって契約数つまり販売棟数を増やすとします。
そして、もう一方の販売単価を上げることで、より売上は増加します。
その際に重要となるキーワードが「高性能住宅」です。
やはり、販売単価を上げるのであれば何かしらの付加価値が必要となり、内容が伴っていなければお客様からの満足度は得られないでしょう。
また、国全体としてZEHなど高性能住宅の推進や、ハウスメーカーの高性能化が進んでいるため、対応できなければお客様の選択肢から外れてしまう恐れもあります。
まずは高気密・高断熱といった基本的な部分から見直しを行い、高性能化につなげるとともに販売単価を上げるように取り組んでいきましょう。
受注単価を上げるための方法については下記のコラムでも説明をしています。ぜひ参考にしてみてください。
参考コラム: 工務店の利益率を上げるには?受注単価を上げる3つの秘訣
ここまでは売上を上げるために大切な要素について説明をしてきました。
売上を上げることも重要ではありますが、広い視点で経営状況を見直す必要があります。
経営をするうえではもちろん利益の観点も必要であり、利益が伴っていなければ経営を続けることは難しい状況になるでしょう。
住宅業界における利益とは、売上高から売上原価を差し引いた金額であり、粗利とも呼ばれます。
また利益率は下記の計算式で求めることが可能です。
住宅業界の利益率は一般的に25%が目安であり、安定した経営のための指標となる数値です。
そして、利益を意識した売上増加をするためには、先ほどお伝えした集客・プレゼン・販売単価のアップを意識的に取り組むとともに、売上原価であるコストを削減する必要もあります。
そのコスト削減を見直す際に下記の項目をチェックしてみてください。
まず1つ目に、住宅を建てる際に使われる建築資材等の材料費の見直しが必要です。
最近では石油価格の高騰で建築資材も全体的に値上がりされており、コストの調整に悩まれている工務店も多いのではないでしょうか。
そのため、日頃から市場の相場価格を確認し、コスト削減に意識を向ける必要があります。
仕入業者に価格の交渉をすることや、場合によってはコストを抑えるために仕入ルートを変更するという選択肢も持っておく必要があります。
次に、労務費の見直しです。
労務費とは工事現場に関わる大工や職人に対しての賃金になります。
労務費のコスト削減については、工事に関わる人数と工期・工程の見直しが必要になります。
少人数かつ短工程で工事が仕上がるように定期的な見直しが必要です。
最後に、外注費についてです。
住宅を建てる際は自社のみで完結することは難しく、いくつかの会社が工事に関わります。
そのため、外部企業に委託をした製造や工事については外注費用が発生します。
外注費用は場合によっては高くなるため、自社で完結できる内容なのか今一度見直しをしてみてください。
自社で完結ができるのであればコストを抑えることができるため、効率的に利益アップに繋げることも可能です。
このように、2022年は様々な要因によりコストが上がり、利益を減らす工務店が多い年となりました。2023年以降も状況は大きく変わらないことが予測されるため、経営努力によりコストを下げることが必須となります。他社よりもコストダウンとを実現し、競争力をつけるポイントについて以下の資料で解説しています。
今回は工務店が売上を上げる際のポイントと、それに付随して利益を改善する際のポイントについて説明をしてきました。
売上と利益を改善するには他にも確認するポイントは多くありますが、まずは身近なところで改善できる部分が無いかチェックをしてみてください。
そして、売上と利益を改善したうえでより良い循環を生み出していきましょう。