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BIMとCADの違いとは?特徴や利点、作業工程の違いを徹底解説!

更新日:2024年7月2日(火)

昨今の建築業界では、資材高騰や人手不足の影響により、リソース不足が大きな問題になっています。また、建築物の計算に対する制度改正に対応するため、限られたリソースを最大限に活用することも必要になります。

そうした課題に対応する1つの対策が、ITツールの導入です。特に「BIM」と「CAD」の2つは、地域の工務店に向けた使い勝手の良いツールとして注目されています。

そこで今回は、BIMとCADの特徴や利点を詳しく解説し、その違いについても掘り下げて説明していきます。この記事を読むことで、BIMとCADの違いをしっかりと理解し、実際の業務でどのように活用すればよいのかを明確にすることができます。

ぜひ、最後までお読みいただき、BIMとCADの効果的な利用方法をご覧ください。

BIMとCADの違い

BIMとCADの違い

BIMとCADの違いを理解するためには、それぞれの特徴と利点を詳しく知ることが必要です。BIMとCADの効果的な利用には、異なる作業工程を理解することが欠かせません。

この章では、CADの特徴と利点、BIMの特徴と利点、そしてBIMとCADの作業工程の違いについて説明します。各ツールの特性を把握し、効果的に活用するためにも、この章でそれぞれの違いを深めていきましょう。

CADの特徴と利点

CAD(コンピューター支援設計)は、従来の手書き図面に代わって、コンピュータを利用して設計図を作成するツールです。CADの利点は、設計変更が簡単にでき、短時間で正確な図面を作成できる点にあります。

また、図面の管理や共有も容易で、ミスを減らすことができるのです。さらに、設計段階で形状を視覚的に確認できるため、製造工程の効率化にも大きく貢献します。

BIMの特徴と利点

BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)は、建物の3Dモデルを最初に作成し、そのモデルを基に2次元図面を生成する手法です。BIMの利点は、設計段階でのミスを減らし、施工時の問題を防ぐことができる点にあります。

さらに、3Dモデルを使って情報を一元管理できるため、施工後のメンテナンスや改修にも役立つのです。BIMは設計と施工の連携を強化し、プロジェクト全体の効率を向上させることができます。

BIMとCADの作業工程の違い

BIMとCADの作業工程は大きく異なります。CADでは、まず2Dの平面図を作成し、その後に3Dモデルを組み立てることができるのです。

一方、BIMでは、最初に3Dモデルを作成し、その後に2D図面を自動的に生成します。この違いにより、BIMは設計段階でのミスを早期に発見しやすくなり、プロジェクト全体の効率化が図れます。

作業工程の違いを理解することで、両者のツールを効果的に活用することができるのです。

BIMが普及しない理由

BIMが普及しない理由

ここまでお伝えした通り、BIMを効果的に活用することは非常に有益になります。しかしながら、現状ではBIMを導入しない企業が多いのが現実です。

そのため、BIMが普及しない理由を探るために、導入コストと習熟の難しさ、現行の業務での適用の困難さ、発注者からの要求の欠如について詳しく説明します。

導入コストと習熟の難しさ

BIMの導入には、初期投資が高額であることがネックとなっています。また、BIMを習得するためには高度な知識とスキルが必要になります。企業が現行業務と並行してBIMの習得を進めることは大きな負担となるため、導入を躊躇するケースが多いです。

BIMの習熟には時間と労力が求められ、即座に成果を上げたい企業にとっては大きな障壁となります。

現行の業務での適用の難しさ

既存の業務で問題なく運用できている企業にとって、BIMの導入は大きな変革を伴います。現在のCADツールで満足している場合、BIMの必要性を感じないことが多いです。

さらに、BIMの導入には現行の業務フローを変更する必要があり、そのための時間とコストがかかることも普及が進まない一因になっています。

発注者からの要求の欠如

多くの企業がBIMを導入しない理由として、発注者や業務上の関係者からBIMの活用を求められていないことが挙げられます。

BIMを導入するには、プロジェクト全体の関係者の協力が必要ですが、発注者からの具体的な要求がない場合、企業は現行のCADツールで十分と判断しがちです。このような背景も、BIMの普及を妨げる要因となっています。

BIMの難易度と欠点

BIMの難易度と欠点

BIMは非常に有用なツールである一方、その導入と運用には高い難易度といくつかの欠点が存在します。BIMの試験と難易度、BIMのデメリット、そしてBIM導入のハードルについて深掘りし、それぞれを詳しく解説します。

BIMの試験と難易度

BIMの操作スキルを証明するためには、特定の試験に合格する必要があります。例えば、Revitの試験では基本操作と知識が問われ、選択式と実技形式の問題が出題されます。

試験時間は50分で、合格基準は73%以上の正解率です。この試験の難易度は非常に高く、BIMの習熟には多大な努力と時間が必要になります。

BIMのデメリット

BIMには多くの利点がある一方で、欠点も存在します。まず、BIMは比較的新しいソフトウェアであるため、取り扱える人材が少なく、企業全体での導入が難しい場合があります。

さらに、従来の設計手法とは異なるため、新たにスキルを身につける必要になってくるのです。また、BIMは高性能なため操作が難しく、その複雑さがデメリットの一つになります。

BIM導入のハードル

BIMの導入には、初期投資や専門知識の必要性が障壁になるのです。建築、エンジニアリング、建設業界の知識だけでなく、3Dモデルの作成やデータ管理の方法についても深い理解が求められます。

また、BIMの導入には多くの時間と費用がかかるため、企業は慎重に検討する必要があります。これらの要素が、BIMの普及を妨げる主な要因です。

地域の工務店がBIMとCADをより活用するためには

今回はBIMとCADの違いについてお伝えしました。以下に、本記事の内容を要約します。

  • CADはコンピュータを使って設計図を作成するツールである
  • CADの利点は設計の修正が簡単で正確な図面を短時間で作成できること
  • BIMは3Dモデルを最初に作成し、そのモデルから2次元図面を作成する手法である
  • BIMの利点は設計段階でのミスを減らし、施工中のトラブルを防ぐことができること
  • BIMとCADの作業工程は大きく異なり、BIMは3Dモデルを先に作成する
  • BIMの導入には高額な初期投資と専門的な知識が必要である
  • 現行の業務での適用が難しく、普及が進まない原因となっている
  • 発注者からの要求が少ないこともBIMが普及しない理由の一つである
  • BIMの試験は難易度が高く、習熟には多大な努力が必要である

以上のポイントを踏まえ、BIMとCADの違いやそれぞれの利点についてご理解いただけたかと思います。

こうしたツールを活用することで、地域の工務店様は、限られたリソースを最大限に活用しながら、より良い経営改善を実現することができます。

一方で、ツールを調査する時間や人材が不足している現状もおありのことと思います。このため、地域の工務店経営者様やマネージャー様にとって、頼れる外注先や専門家の存在が欠かせません。

私たち「Make House」は、豊富なノウハウと実績から、最新ツールの導入・活用に向けたご相談も承っております。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください!