2026年10月1日受注分からクリナップ約10%、ハウステックの施工費10〜20%など住宅設備の値上げが始まり、2027年1〜2月には次の波が予定されています。生コンは2027年4月出荷分から東京地区で+5,000円/㎥(約2割)の値上げ交渉が進み、札幌では+20%です。本記事では、Make Houseが業界紙・公的統計・面談から集めた値上げ予定をカレンダーにまとめ、見積・契約・設計の3段階で原価を守る方法を解説します。
値上げは「予定表」で先回りし、「数量」で吸収します。
この記事の結論(30秒で読む)
- 値上げは10月(住設)→2027年1〜2月(住設・建材の次波)→2027年4月(生コン・セメント)と、半年先まで日付が見えている。
- 30坪の住宅で住設10%・生コン+5,000円/㎥なら、1棟あたり原価は概算で+32〜37万円。粗利率にして1ポイント強。
- 守り方は「見積の有効期限と協議条項」「契約書の価格改定ルール」「設計で数量を減らす」の3段階。
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2026年10月〜2027年4月 値上げカレンダー

住宅設備は10月、生コン・セメントは2027年4月が山です。
| 時期 | 品目 | 内容 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 2026年10月1日受注分 | クリナップ(システムキッチン等) | 約10%値上げ | ハウジング・トリビューン |
| 2026年10月1日 | ジャニス工業(衛生陶器) | 7〜18%値上げ | 同上 |
| 2026年10月1日 | 南海プライウッド(内装建材) | 10%値上げ | 同上 |
| 2026年10月1日 | ハウステック(施工費) | 10〜20%値上げ | 同上 |
| 2026年9月(実績) | 木材 すぎ正角 | 79,100円/㎥(前月比+0.5%、前年比+3.1%)。ひのき正角95,600円/㎥ | 農林水産省 木材価格統計 |
| 2027年1〜2月 | 住設・建材各社 | 次の値上げ波(各社が順次発表予定) | ハウジング・トリビューン |
| 2027年4月出荷分 | 生コン(東京地区) | +5,000円/㎥(約2割)を目標に交渉中 | pricey.jp(日経報道の整理) |
| 2027年4月〜 | 生コン(札幌地区) | +20%、約3万円/㎥へ | 北海道新聞 |
Make Houseの10月の面談でも、「三重県は生コン単価が44,000円/㎥と高く、粗利目標25%に対して着地が20〜25%」「生コン・鉄筋の高騰が原価を圧迫している(年間300棟クラス)」「自社で150万円コストダウンしたが資材高で相殺された(宮崎)」という声がありました。木材は落ち着いていますが、コンクリートと住設が次の主戦場です。
値上げは1棟の粗利にどれだけ効くのか(概算)

30坪・建築費2,400万円・原価率75%なら、住設10%と生コン+5,000円/㎥で原価は概算+32〜37万円です。
| 項目 | 仮定 | 影響額(1棟) |
|---|---|---|
| 住宅設備 | 原価の約8%(約144万円)が10%上昇 | 約+14万円 |
| 生コン | ベタ基礎 約25㎥×+5,000円/㎥ | 約+12.5万円 |
| 内装建材・施工費 | 一部10%上昇 | 約+5〜10万円 |
| 合計 | — | 約+32〜37万円(粗利率で約1.3〜1.5ポイント) |
年間20棟なら640万〜740万円。値上げを吸収する方法は、値引き交渉ではなく「数量」です。
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原価を守る3段階

段階1:見積に「有効期限」と「協議条項」を入れる
見積書の有効期限は30日、仕様確定日と発注日を明記し、価格改定時の協議条項を添えます。 10月1日や2027年4月1日をまたぐ案件は、どの日の単価で見積もったかを書面に残すだけで、吸収する側が自社から協議の場に変わります。
段階2:契約書に価格改定のルールを持つ
民間(七会)連合協定工事請負契約約款にも、物価変動時に請負代金を変更できる条項があります。 自社の契約書に同趣旨の条項があるか、今週確認してください。お客様には「値上げ分を請求する条項」ではなく、「仕様確定日と発注日を早めれば、価格を確定できる条項」として説明すると、着工の前倒しにつながります。
段階3:設計で数量を減らす
仕様を落とさず、使う量を減らします。 生コンが+5,000円/㎥なら、基礎の立ち上がりを減らして数量を削る設計が最も効きます。Make Houseの新基礎工法(地中梁構造)は、立ち上がりを減らしてコンクリート数量を削減し、基礎工期も短縮する考え方です。外装・屋根では出隅・入隅の整理、屋根勾配の単純化、開口部の最適配置で、材料と手間の両方が減ります(具体策は「基礎のコストダウン方法」「外装・屋根のコストダウン方法」を参照)。
値上げ前に「発注を前倒す」3つの判断基準

- 仕様確定済みで、値上げ予定日が60日以内:発注を前倒す。保管コストより値上げ幅が大きい。
- 仕様未確定で、値上げ予定日が90日以上先:仕様確定日を契約書に書き、前倒しの動機をお客様と共有する。
- 生コン(2027年4月):基礎着工を3月までに置ける工程なら、工程表を組み替える。置けない案件は設計で数量を減らす。
お客様への伝え方(テンプレート)

- 契約前:「住宅設備は10月、コンクリートは来年4月に値上げが予定されています。仕様確定を○月○日までに終えれば、今の価格で発注を確定できます。」
- 契約後の値上げ発生時:「契約書の価格改定条項に基づき、○○の値上げ分(○万円)について協議をお願いします。あわせて設計で数量を減らす代替案(○万円削減)をご用意しました。」


よくある質問
2027年の値上げはどこまで続きますか?
業界紙は2027年1〜2月に住設・建材の次の値上げ波、4月に生コン・セメントの値上げを報じています。それ以降は各社の発表待ちですが、人件費と物流費の上昇が続く限り下がる要素は少ない、というのが当社の見立てです。
木材は値上がりしていませんか?
2026年9月のすぎ正角は前年比+3.1%と小幅です。木材より、コンクリート・住設・施工費の上昇幅が大きい局面です。
値上げ分をお客様に請求してよいですか?
契約書の条項と仕様確定日・発注日の記録が前提です。条項がなければ、まず契約書の整備から始めてください。
設計で数量を減らすと性能が落ちませんか?
基礎の立ち上がり削減や屋根形状の単純化は、耐震等級3・断熱等級6を保ったまま行える手法です。性能を決める構造計算・温熱計算を省かないことが条件です。
まとめ
- 値上げは10月→2027年1〜2月→2027年4月の3波。日付で先回りする。
- 1棟あたり概算+32〜37万円。年間棟数を掛けて、今の粗利率に何ポイント効くかを把握する。
- 見積の有効期限・契約書の協議条項・設計での数量削減。この3段階で、値上げを「自社だけが吸収する費用」にしない。
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