「住宅の基礎って構造計算が必要?」
「ベタ基礎にはどんなデメリットがある?」
工務店経営者の方でこのように住宅の基礎について頭を悩ませている人もいるのではないでしょうか。住宅の基礎には建物において重要な役割があります。
安全で耐久性の高い建物を建てるためにも住宅の基礎について深く理解する必要があります。
今回の記事では、住宅における基礎の構造計算について詳しく解説します。また、ベタ基礎のメリット・デメリットについても解説します。
構造計算についてお悩みの工務店経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 住宅の基礎とは
- ベタ基礎のメリット・デメリット
- 木造住宅の基礎の現状
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住宅の基礎とは
現在の住宅の基礎は構造に関わらず、ほぼすべての場合、鉄筋コンクリート造になっています。昔の住宅は鉄筋がない無筋コンクリートの基礎で建てられている家もありましたが、1995年の阪神淡路大震災後の2000年から基礎は鉄筋コンクリート造にすることが建築基準法で定められました。
住宅における基礎には、建物の自重などの上からの力(圧縮力)と地震が起こった際の下からの突き上げ(引張力)に抵抗する役割があります。
コンクリートは圧縮力に対しては非常に強いですが、引張力に対しては弱いため、鉄筋によって補う必要があります。
つまり、住宅の基礎はコンクリートが圧縮力に対して抵抗し、鉄筋が引張力に対して抵抗するという考えのもとで設計されているのです。
コンクリートと鉄筋が合わさることで、外部からの圧力に強い構造体になります。
ベタ基礎
ベタ基礎とは建物の床全面が鉄筋コンクリートになっている基礎のことですが、メリット・デメリットについて解説します。
メリット
ベタ基礎には、以下のようなメリットがあります。
- 耐震性が高い
- 不同沈下が起こりにくい
- 湿気やシロアリ被害を受けにくい
ベタ基礎は面で建物を支えていて力を分散させるため、耐震性が高い特徴があります。
そのため、建物の一部が傾く不同沈下が起こりにくいですが、地盤が弱すぎる場合は、地盤改良が必要となります。
また、床下全体を分厚いコンクリートで覆っているため、地面からの湿気が伝わりにくく結露やカビなどを防ぎ、シロアリ被害も受けにくくなることがメリットです。
デメリット
一方、ベタ基礎には、以下のようなデメリットがあります。
- コストが高い
- 寒冷地では適さない
ベタ基礎は床全体に鉄筋コンクリートを使用しているため、コストが高くなります。
また、北海道などの寒冷地ではベタ基礎が適さないケースもあります。
寒冷地で地中が凍結すると、地面が膨張して基礎を押し上げてしまうためです。
布基礎
布基礎とは家を支える柱や壁の部分にコンクリートを立ち上げる基礎のことで、ベタ基礎に比べるとコストは安くなります。
さらに鉄筋コンクリートの量が少ないため、地盤にかかる負担も少なくなります。
しかし、ベタ基礎よりも鉄筋コンクリートの量が減るため、耐震性は劣ってしまうのが難点です。
また、布基礎の床下部分は、構造上木材が露出していることがあるため、シロアリ被害を受けやすいというデメリットもあります。
深基礎とは
深基礎とは、ベタ基礎などの基礎の種類ではなく、深くした基礎のことで家を建てる土地に高低差がある場合に用いられる施工方法のことです。
深基礎は、通常の基礎よりも地面を深く掘り、コンクリートも多く必要になるため、コストが高くなります。
ただし、擁壁を使う場合よりも安く、地下収納スペースを作りやすいメリットもあります。
おすすめは地中梁
一昔前、布基礎が主流の時代に次に来る基礎は「深基礎」と言われていました。
現在、深基礎が主流となり、コストや性能のバランスを考えていくと次に来る基礎は「地中梁」であると考えます。Make Houseはデザイン・コスト・性能を考えた未来の住宅を提案するなかで、「地中梁」による基礎を提案しています。
基礎に関する、Make Houseの考え方について詳しく知りたい方は以下の資料をダウンロードください。
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木造住宅の基礎の現状
日本で建てられる木造住宅の約8割は構造計算をしなくても建築許可が下りるため、構造計算を実施していない住宅会社が多いのが現状です。
基礎においては、決まった図面を使い回していることも少なくありません。
基礎については基礎のサイズと鉄筋の太さや、配筋ピッチの最低基準が決まっているのが理由です。
なお、構造計算の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
構造計算のやり方を解説!具体的な計算方法や勘違いしやすい特例とは?
構造計算しなくて大丈夫?
4号特例とは、一定の条件を満たした場合に建築確認の審査を一部省略する規定のことで、木造2階建てまでで、延べ床面積が500㎡以下の建物が該当します。
つまり、現状では4号特例が使える建物であれば、構造計算が必要ありません。
現在の日本の住宅では約8割が4号特例が使える建物になるため、最低限の基準で建てた建物となりますが、建築基準法は満たしていることになります。
ただし、2025年4月に建築基準法の改正が予定されているため、4号特例が縮小されます。木造二階建て住宅(延べ床面積200㎡超)にも構造計算が義務化されるので注意が必要です。
建築基準法の改正については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
4号建築物の確認申請はどう変わる?新2号・新3号建築物と工務店への影響を解説!
構造計算した場合と比較
それでは、建築基準法の最低限の基準と構造計算(許容応力度計算)の違いを確認してみましょう。
建築基準法では、以下の3つの簡易計算を用います。
- 必要な壁量を確保する(壁量計算)
- 壁配置のバランスを取る(四分割法)
- 柱の上下端部の金物算定(N値計算)
一方、構造計算(許容応力度計算)では、まず以下の重さを調べてから計算します。
- 建物自体の重さを調べる
- 人や家財道具など建物にプラスされる重さを想定する
- 雪が積もった際の屋根にかかる雪の重さを想定する
重さが確認できたら計算します。
許容応力度計算(ルート1)では、以下のことを調べます。
- 建物にどれくらいの重さが伝わるか調べる
- 建物にかかる重さに柱や梁が耐えられるか調べる
- 地震があった際にかかる力を調べる
- 台風が来た際にかかる力を調べる
- 地震や台風の際に柱や梁が耐えられるか調べる
許容応力度計算(ルート1)の結果に基づいて、以下の計算(ルート2)を行います。
- 地震があった際に建物がどのくらい傾くのか計算する
- 台風が来た際にどのくらい傾くのか計算する
- 建物における上下階の強度のバランスを確認する
- 建物の重さと強度に偏りがないか確認する
上記のように、建築基準法の最低限の基準と構造計算の違いは明らかです。
まとめ|構造計算はMakehouseにお任せください!
今回の記事では、住宅における基礎の構造計算やベタ基礎のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。現状では構造計算の必要がない建物も、2025年4月の建築基準法の改正で構造計算が必要になる可能性があります。
しかし、現状では構造計算に対して十分に対策できている工務店経営者の方は、少ないのではないでしょうか。
自社で構造計算に対応するのは大変なため、専門的な知識を持った業者に外注することをおすすめします。
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