2026年9月18日に日本銀行が政策金利を引き上げ、10月はフラット35の最低金利が3.83%(前月比+0.37ポイント)、メガバンクの変動金利も新規で0.25ポイント上がりました。さらに変動金利の既存契約者は、2027年1月返済分から返済額が実際に増える銀行が出ます。お客様が「少し様子を見ます」と言い始めるのはこれからです。本記事では、Make Houseが2026年10月の工務店面談で聞いた現場の声と公的データをもとに、今すぐ打つべき5つの対策をまとめます。
金利上昇は「売れなくなる理由」ではなく「今決める理由」に変えられます。
この記事の結論(30秒で読む)
- 10月の住宅ローン金利は、固定が現制度開始以来の最高水準、変動が+0.25pt。既存契約の変動は2027年1月返済分から上がる銀行がある。
- 3,000万円・35年なら、変動0.25pt上昇で月々約3,500円増。数字そのものより「まだ上がるかも」という不確実性が検討を止める。
- 対策は「返済額を固定する設計」「月々の差額で語る」「1つ下の価格帯を商品化」「補助金の期限を根拠にする」「契約から引き渡しを短くする」の5つ。
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2026年10月、住宅ローン金利は実際にどれだけ上がったのか

固定金利は制度開始以来の最高水準、変動金利は新規・既存ともに0.25ポイント上昇が始まりました。
| 項目 | 2026年10月の状況 | 出典 |
|---|---|---|
| 日銀 政策金利 | 引き上げ(9月18日決定) | 熊本日日新聞(共同) |
| フラット35 最低金利(21〜35年・融資率9割以下) | 3.46%→3.83%(+0.37pt)。2017年10月の現制度開始以来の最高 | 新建ハウジング/住宅金融支援機構 |
| 変動金利(新規・最優遇) | 三菱UFJ 1.195%、三井住友 1.525%〜、みずほ 1.475%〜(各+0.25pt) | Business Insider Japan |
| 既存契約者の変動金利 | 三菱UFJは2026年12月1日に基準金利を改定。毎月型は2027年1月返済分、年2回型は2027年6月から反映 | 三菱UFJ銀行 |
| 住宅着工(8月) | 63,974戸(前年比+6.1%、5か月連続増)。ただし季節調整済年率は75.3万戸(前月比−2.7%)と2か月連続減 | 国土交通省 |
住宅産業新聞は10月14日付で、固定型が先月に続き上昇し、政策金利の引き上げで今後は変動型にも波及すると報じています。「金利が上がる」は噂ではなく、カレンダーに日付が書かれた予定になりました。
3,000万円の借入で、月々の返済はいくら変わるのか

変動金利が0.25ポイント上がると、3,000万円・35年で月々約3,500円、総返済額で約147万円の差です。 Make Houseが元利均等・ボーナス返済なしで試算しました。
| 借入3,000万円・35年 | 金利 | 月々返済 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 変動(上昇前の目安) | 0.945% | 83,919円 | 約3,525万円 |
| 変動(10月・新規) | 1.195% | 87,439円 | 約3,672万円 |
| 変動(さらに+0.25pt) | 1.445% | 91,049円 | 約3,824万円 |
| フラット35(9月) | 3.46% | 123,293円 | 約5,178万円 |
| フラット35(10月) | 3.83% | 129,791円 | 約5,451万円 |
月3,500円は、お客様の生活を変える金額ではありません。検討を止めているのは金額ではなく、「この先どこまで上がるか分からない」という不確実性です。だから対策は「金利の説明」ではなく「不確実性の処理」に向ける必要があります。
工務店の現場では何が起きているか(Make Houseの面談から)

集客は維持できているのに、検討期間が伸びて契約棟数が減る。これが2026年10月の典型です。 Make Houseが10月前半に行った工務店面談では、次の声が繰り返し出ました。
- 首都圏・年間45棟のビルダー:問い合わせ数は維持、検討期間の長期化で受注がやや減少。粗利目標35%に対し、値引きで着地は28%前後。
- 北陸・坪単価100万円前後のビルダー:売上金額は達成、契約棟数は減少。営業1人あたり年2〜3棟を上乗せできる価格帯の商品を探している。
- 大阪・年間7〜8棟の工務店:土地購入層の購買力が落ち、中古購入+1,000万円超の大規模リノベーションに需要が移っている。
- 宮崎・性能を強みにする工務店:20〜30代の初期の引きつけに苦戦。性能とデザインを両立した外観を模索中。
共通するのは「金利が上がったから売れない」ではなく、「総額が上がったのに、月々で安心させる設計を持っていない」という構造です。
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工務店が今すぐ打つべき5つの対策

対策1:「金利が上がる前に」ではなく「返済額を固定する設計」を売る
お客様が欲しいのは安い金利ではなく、変わらない返済額です。 変動金利には多くの銀行で5年間返済額を据え置く「5年ルール」、見直し時も前回の125%までに抑える「125%ルール」があります(未払利息が発生しうる点は必ず伝えます)。固定と変動のミックス、固定期間選択型の比較表を用意し、ファイナンシャルプランナーまたは銀行担当者に同席してもらう。Make Houseが会員工務店向けに整理した「住宅ローン不安客」の手順では、FP相談会と銀行同席の事前審査を組み合わせ、審査通過の瞬間に検討が「買えるか」から「どこで買うか」に変わる設計にしています。
対策2:総額ではなく「月々の差額」で語る
設計段階のコストダウン150万円は、1.195%・35年なら月々約4,400円です。 金利上昇分(月約3,500円)を、性能を落とさない設計の工夫で相殺できることを数字で見せます。基礎の立ち上がり削減、出隅・入隅の整理、屋根形状の単純化、窓の最適配置は、仕様を落とさずに数量を減らす手法です(具体策は当研究所の「基礎のコストダウン方法」「外装・屋根のコストダウン方法」を参照)。
対策3:1つ下の価格帯を「商品」として持つ
値引きで下げるのではなく、2,400〜2,600万円帯の商品を用意します。 仕様を固定した規格型であれば、打ち合わせ回数が減り、粗利率を守ったまま若年層に届きます。Make Houseの会員工務店の運用では、若年層向けのスタンダードグレードを2,400万円帯で設定し、成約率25%・長期OB化(20年LTV)で投資回収する設計にしています。松竹梅の「梅」がない工務店は、金利上昇局面で最初に検討から外れます。
対策4:補助金の期限を「今決める理由」に正確に使う
「来年も補助金はある。ただし今年の枠は年内で終わる」の両方を伝えます。 みらいエコ住宅2026事業の予算消化率は10月14日時点でGX志向型住宅65%、長期優良・ZEH水準38%。注文住宅のZEH水準は9月30日で受付終了、第2期は12月31日までです。一方、2027年度の国土交通省概算要求では「みらいエコ住宅2027事業」に2,000億円が計上され、GX経済移行債分を含めて今年度と同規模になる見込みです。期限は煽るためではなく、お客様が意思決定のカレンダーを引くために使います。
対策5:契約から引き渡しまでを短くする
金利は契約時ではなく融資実行時に決まります。 引き渡しまで1年かかる工務店は、契約時より高い金利で実行されるリスクをお客様に負わせます。Make Houseでは設計段階の合理化により、初回接客から引き渡しまで6か月、着工から完成まで60日の工程を標準にしています。工期短縮は資金繰りだけでなく、金利リスクの圧縮策でもあります。
営業トーク例(3パターン)

- 「様子を見たい」お客様へ:「金利が下がるのを待つより、返済額が変わらない組み方を先に決めましょう。固定・変動のミックスで、月々の上限を今日決められます。」
- 変動か固定かで迷うお客様へ:「5年ルールと125%ルールの範囲なら、月々は急には変わりません。その代わり未払利息の仕組みも説明します。判断は銀行担当とFPを同席させて一緒に行いましょう。」
- 予算オーバーのお客様へ:「仕様を落とすのではなく、基礎と屋根の形で数量を減らします。150万円の差は月々約4,400円。性能は変えません。」

よくある質問
変動金利はこの後も上がりますか?
断定はできません。変動金利は短期プライムレートに連動し、政策金利が上がれば追随しやすい構造です。三菱UFJ銀行は2026年12月1日に基準金利を改定し、既存契約は2027年1月返済分から反映すると告知しています。
工務店が「固定にしたほうがいい」と勧めてよいですか?
金融商品の助言は避け、比較表の提示とFP・銀行担当者の同席にとどめるのが安全です。工務店の役割は「返済額を固定する選択肢があること」を知らせることです。
補助金が終わったら売れなくなりますか?
2027年度の概算要求で同規模の後継事業が計上されています。「補助金がなくなる」ではなく「今年の枠が年内で終わる」と正確に伝えてください。
金利上昇局面で最初に手を付けるべき対策はどれですか?
対策3(1つ下の価格帯の商品化)です。検討から外れるお客様を減らす効果が最も大きく、値引きに頼らずに済みます。
まとめ
- 10月の金利上昇は固定・変動ともに実測値で確認でき、既存契約の変動は2027年1月返済分から上がる銀行がある。
- 3,000万円・35年で月々約3,500円の差。止まっているのは不確実性であり、返済額を固定する設計で解消できる。
- 「月々の差額」「1つ下の価格帯」「補助金の期限」「6か月の工期」を、今週の面談から使う。
全国459社の会員工務店との面談データ(2026年10月時点)と、設計段階で原価を決める手法を持っています。「月々で安心させる商品」をお持ちでない工務店は、15分の面談で貴社の価格帯と商圏に合う設計をご提案します。
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