最近よく耳にする「メタバース」ですが、建築業界にも取り入れることができるのでしょうか?
VRやARなど仮想空間でシミュレーションできるツールが、建築業界にも徐々に浸透してきています。
工務店の受注に効果があれば、是非取り入れたいと考えている工務店経営者の方も多いと思いますが、一方でどのようなシミュレーションツールを導入すれば良いのか困っている方も多いかと思います。
今回、その中でもメタバースについてクローズアップします。メタバースが建築業界に与える影響や効果、またメタバースに変わる導入しやすいシミュレーションツールについても徹底解説します。
目次
近年ネット上でも数多く取り上げられるようになったメタバース。
何となくイメージは沸くものの、他のシミュレーションツールと何が違うのか知らない方も多いのではないでしょうか。
ここではまずよく比較される仮想現実(VR)との違いについて説明します。
もっとも異なるのは、自分及び他者がWEB上の空間に同時に存在し、相互に関わり合うことができる点です。
仮想現実(VR)はインターネット上の仮想の空間で、まるで現実であるように振る舞うことのできる技術の総称です。
それに対して、メタバース空間は許可されれば誰でも同時アクセスでき、双方向的なコミュニケーションが可能になった点に新規性があります。
今までは仮想空間自体は自由に生成・消去・編集できることから固定的な価値が発生しませんでした。
現在はNFT技術等の活用により、インターネット上の場所や資産が勝手に消滅・改ざんされないことが第三者的に担保され、その価値が認められるようになりました。
メタバース上の土地や建物は、WEB上のあるアドレスを与えられ、その場所を他者と共有することで、実際に存在する土地と同等の扱いを行う事ができるのです。
仮想現実内の通貨についても同様に、これまでは現実の通貨と同等の扱いは信用上行われてこなかった歴史があります。
メタバース上では、ブロックチェーン技術の導入により、現実の通貨の様に資産価値の保証された概念を流通、取引を公開することで、安心して経済活動が可能になりました。
また、通貨を介したサービスの相互やり取りにより、新たな売買市場やビジネスの発展性を持つこともメタバースの新しい特徴の一つです。
最先端技術のイメージが強いメタバースですが、直感的に建物や空間を認識できるという意味で建築業界と親和性の高い技術の一つです。
中でも、より不特定多数のクライアントをターゲットとする住宅業界においては、その恩恵を最大限に生かすことが可能と考えられます。
ここでは実際にメタバースを運用することで得られるメリットを挙げていくので、工務店経営に活かすにあたっての具体的なイメージを掴むようにしてください。
メタバースを活用することで、仮想空間に計画中の住宅を再現し、自分が没入する感覚を与えることで、いわゆる3Dパースよりも実際の感覚に近い状態で建物を見学可能です。
それだけであれば既存のVRでも実現されていましたが、近くにいる従業員アバターに質問したり、ユーザー同士で会話するなど、リアルタイムでより感覚的な住宅内覧を実現してくれるのがメタバースの魅力といえるでしょう。
メタバース中では、アバターと言われる自分のキャラクターを活動させることができるため、そこで行われているイベントなどに直接参加したり、コメントやコンテンツを発信することが可能となります。
また仮想空間上の通貨を用いて実際の売買取引も可能です。
例えば、メタバース内の家具販売会に参加して価格交渉・購入したり、その家具を住宅内に置いてシミュレーションすることもできます。
ある一定の環境条件で切り取ったVRや3Dパースと異なり、多様な条件設定が可能です。
時間の流れや気候、天候などによる影響を、現実のように確かめることもできます。
環境だけでなく、アバター自体の背格好を変えることで、老後の生活を想定したり、子供目線で危険がないかのシミュレーションしたりと、多角的な検討も住宅購入に役立てられるでしょう。
メタバースと住宅販売には親和性が多く、数々のメリットがあることをお分かりいただけたかと思います。
逆に、リアルな現実の中でしか分からない情報があるのも、モノを商品とする建設業界の宿命といえるでしょう。
メタバースを活用しつつ、現実世界の一次情報も併せて活用することで、クライアントとの合意形成に利用することをおすすめします。
住宅に使う素材を直接手に取って確かめることで、その手触りや匂い、グレード感などが始めて分かることがあります。
しかし現段階のメタバースでは、その触感までは再現できていません。
特に外装やインテリアに大きく影響する建材について施主と合意するためには、実際にショールームや工務店などでモノの本質を確かめ、情報を補完して頂く必要があります。
メタバース内の住宅を製作する際、周辺建物や風景はある程度再現する事も技術的には可能です。
しかし、音環境や雰囲気、周辺住民の暮らしぶりなど、住環境として重要な情報のいくつかは、完全には再現不可能なため、敷地見学の機会は必ず設けたほうが良いでしょう。
現実との境を無くすべく多くの取り組みがなされており、今後の開発に期待されますが、やはり土地という生の1次情報の重要性は変わらないと考えられます。
ツールの進化により、より工務店が施主にアプローチする手数が増え、魅力を伝えやすくなりました。
とはいえ、メタバース導入を自社だけで行うにはまだまだハードルが高いのが事実です。
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