Make House株式会社ロゴ

SHARE:

脱炭素住宅化は工務店にどのような影響を与えるのか?考えられる影響と準備しておくべきことを解説!

更新日:2023年6月24日(土)

「脱炭素住宅」という言葉をご存知でしょうか?現在、住宅業界では「脱炭素化」を推進しています。

地球温暖化により、世界中で大災害が発生している現代において、「脱炭素化」はさまざまな分野で重要視されています。

それは、住宅でも同じ。住宅の建設、暮らし、解体、処分というライフサイクルでは、多くの炭素を排出します。

そのため、住宅のライフサイクルにおける「脱炭素化」は今、注目されているのです。

本コラムでは、脱炭素住宅化による工務店への影響を考え、対応するためにはどのような準備が必要かを解説します。

脱炭素住宅とは

脱炭素住宅とは

脱炭素住宅とは、環境負荷を最小化することを目標とし、省エネルギーと再生可能エネルギーを活用することでCO2排出量を削減する住宅です。

2020年10月に臨時国会で宣言された「2050年カーボンニュートラル社会の実現」を皮切りに、日本でも脱炭素化の動きが加速しています。

国土交通省・経済産業省・環境省の三者が設置する「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」が頻繁に開催されるようになり、住宅業界も具体的な取り組み方針の検討が行われました。

脱炭素住宅の代表的な例として挙げられるのが「ZEH(ゼッチ)住宅」です。

ZEH住宅は、太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用するため、エネルギー消費量と創エネの量がほぼ同等になることを目指しており、住宅のCO2排出量を軽減します。

そして、ZEH住宅をさらに進めて、住宅ライフサイクルにおけるCO2排出量をマイナスにする住宅という考え方が誕生しました。

これが、LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅です。LCCM住宅は、ZEH住宅よりもさらに高いレベルの省エネ性能・環境性能を有した住宅として考えられています。

脱炭素住宅化が工務店に与えると考えられる影響

脱炭素住宅化が工務店に与えると考えられる影響

それでは、政府も推し進めている脱炭素住宅化は、工務店にどのような影響を与えるのでしょうか。

ここでは、脱炭素住宅化が工務店に与えるであろう影響を3つ紹介します。

脱炭素住宅化への対応を考えるためにも、どのような影響が出るのかをしっかりと理解しておくことは重要です。

省エネ設備の導入推進が求められる

脱炭素住宅化が工務店に与える影響に一つが、省エネ設備の導入推進です。

政府は、「2050年及び2030年に目指すべき住宅・建築物の姿(あり方)」において、以下のことを取りまとめています。

  • 2030年:新築される住宅・建築物についてZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が導入されていること
  • 2050年:ストック平均でZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能が確保され、導入が合理的な住宅・建築物において太陽光発電設備等の再生可能エネルギーの導入が一般的となること

さらに、「省エネ対策等の取組の進め方」については以下の通りです。

  • 2025年度に住宅を含めた省エネ基準への適合義務化
  • 遅くとも2030年までに省エネ基準をZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能に引き上げ・適合義務化
  • 将来における設置義務化も選択肢の一つとしてあらゆる手段を検討し、太陽光発電設備の設置促進の取組を進める

注)「ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能」とは再生可能エネルギーを除いた省エネ性能

引用元:経済産業省 2050年カーボンニュートラルの実現に向けた住宅・建築物の対策を取りまとめました~「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」の公表~

このように、政府は省エネ設備および再生可能エネルギー設備の住宅への導入を推進する方針です。

特に太陽光発電システムについては、住宅のCO2削減の主要なものとなります。

今後は、太陽光パネルに対応していない新築住宅が売りにくくなるという状況が生まれる可能性があります。

住宅の長寿命化が求められる

住宅におけるCO2の排出は、冷暖房の使用や給湯などのエネルギー消費によるものだけでなく、住宅解体によって出る廃棄物の処理の際にも発生します。

住宅の長寿命化を実現することによって産業廃棄物を削減し、CO2の排出を抑えることもこれからの住宅には重要な要素の一つです。

そこで注目を集めているのが、上述させていただいたLCCM住宅です。住宅の建設から解体までのトータルでCO2排出量をマイナスにすることを目的としています。

住宅の長寿命化を実現するためには、建材や工法を長寿命化に適したものを選択し、メンテナンスなどの管理を一元化するなど、建物と管理の両方において取り組む必要があります。

長期間の使用に耐えられることはもちろん、アフターフォローの面でも対応が必要になってくるかもしれません。

省エネ基準適合が義務化される

省エネ基準適合の義務化は、2020年時点では見送られました。しかし、2025年4月には、すべての新築住宅・非住宅に基準適合が義務化される予定です。

省エネ基準適合の義務化は、工務店にとっても大きな影響が出ると言えるでしょう。

省エネ基準適合が義務化された場合、基準を満たさない場合には確認済証などが発行されず、住宅が建てられなくなるかもしれません。

すでに、2025年4月には省エネ基準適合の義務化が予定されていますので、すぐにでも準備を始めておくようにしましょう。

脱炭素住宅化への準備を!

脱炭素住宅化への準備を!

上記の通り、省エネ基準適合が義務化される2025年4月まで2年を切った状況にあり、省エネ基準適合が義務化されれば、大きな影響が出てくるのは間違いないでしょう。

そこで、ここからは脱炭素住宅化への準備として、工務店が着手しておくべき対応策について解説します。

商品力を強化する

脱炭素住宅化に欠かせない太陽光発電エネルギー設備は、どうしても高額になります。

ユーザーには高額な建築コストになる場合でも、その価値や魅力を感じてもらえるように商品力を強化することが求められます。

設備や性能がアップすることで得られる節約効果や、断熱性能向上によって得られる快適性などをデータで示すことができれば、納得感を得てもらえるでしょう。

そのためには、早めに施工を行い実績を積んでいくことが重要です。

省エネ基準を満たしているだけでは、ユーザーから選んでもらえない時代が到来する可能性もあります。

自社の強みやコンセプトに基づいた、競合他社との差別化が図れる商品企画が必要です。

太陽光発電関連の設備への対応を進める

脱炭素住宅化のキーポイントとなる太陽光発電パネルや蓄電池など、関連設備への対応も不可欠になります。

家庭で使うエネルギーを節約するための管理システムであるHEMS(ヘムス)などの知識や技術も必要となる可能性があります。

太陽光パネルは雨漏りなどのリスクもあるため、早めに実績を積んでおくことで、工務店選びの際に有利になるでしょう。

太陽光設備はコストが増加、売電価格の下落など、厳しい状況が続いていますが対応できる状況を整えておくことが必要です。

現在、対応していない場合でも、省エネ基準適合義務化まで時間がありませんので、協力業者を見つけておくとをおすすめします。

住宅の省エネ性能を上げておく

省エネ性能の高い住宅は、すでに住まい選びの重要なポイントとなってきているため、省エネ基準適合の義務化が始まれば、性能競争が激しくなってくる可能性は否めません。

今まで以上の断熱性や気密性などが重要視されると予想されますので、今からでも省エネ性能の向上に着手しておくことをおすすめします。

2030年にはZEH住宅の普及が目標として掲げられています。それに加えて、ZEH+(ゼッチプラス)などさらに高い性能基準への対応も必要となってくるでしょう。

自社のラインナップを強化しておくことに加えて、新しい工法などに対応できるようにしておくことが重要です。

まとめ

政府が目標とする「2050年カーボンニュートラル社会の実現」のために、いよいよ省エネ基準適合が義務化されます。

省エネ基準適合の義務化は、工務店をはじめとする住宅業界に大きな影響を与えることは容易に想像がつくでしょう。

その影響に対応するためにも、今から準備を始めておくことが重要です。

自社商品の強化、省エネ性能の向上、新しい技術や工法への対応など、実績を積み重ねておくことで信頼性が高まり、工務店選びの際に差がつきます。

脱炭素住宅化は、2025年を目処に大きなトレンドになることは間違いありません。その際に慌てないように、体制を整えておきましょう。

今後のトレンドは「高性能注文住宅」。受注単価の向上が、最も利益に直結します。詳しくは以下の資料を無料ダウロードして、是非御社の業務改善にお役立てください。

目次
・こんなお悩みはありませんか?
・最近集客が減った
・競合他社に負けるケースが減った
・資材高騰で利益が減った
・今のままでは戦えない
・良い人材が集まらない