他社と差別化を図りたくても、方法に悩んでいる工務店経営者の方は多くいらっしゃいます。しかし、ヒト・モノ、全てが値上がりしているなか、差別化に興味があっても、経営の継続に注視してしまう時代です。この記事では、BIM活用による付加価値取得と差別化が実現し、コストダウンにもつながる方法を紹介します。
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CADは、現在も広く利用されている手段である一方、二次元図面が原因による問題が発生しがちです。二次元図面を作成してから、三次元におこす作業を行うためです。この問題は、コストアップの原因になり得ます。
設計者や施工者など、担当をこえた打ち合わせをする際、二次元図面を用いると、各担当者間での合意形成に時間を要す場合があります。CADで作成された二次元図面では、角度や寸歩が明確にわからないため、都度、話し合いや確認作業が入るからです。
合意形成に時間がかかると、建設に費やせる時間が減るため生産性は下がり、人件費や手間などのコストのみが増えていきます。二次元図面は、担当者間の合意形成ツールとしては、情報が充足しておらず、本来省けるはずだった時間が費やされ、コストアップの原因につながります。
二次元図面のみでプロジェクトを進めると、実際の施工段階になってはじめて、干渉が判明するケースも発生します。立体である建物を二次元で描画することは、注意を払ったとしても精緻な描画が難しく、ミスが起きやすい理由の1つです。
施工で干渉が見つかると、出戻りが発生します。施工は一時中止となり、職人の作業が止まるだけではなく、干渉を解決するために設計者の時間が費やされる結果しか残りません。二次元で設計を考えた場合、三次元になり初めてわかる干渉などの諸問題が散見し、コストが増加する要因に発展します。
設計知識の乏しい顧客への説明が難しいことも、二次元図面が抱えるコストアップの原因です。設計図面を見たことがあっても、どのような建物か具体的にイメージできる顧客は、多くありません。建築に携わるプロは、設計図面を難なく読めますが、顧客も同等の知識を持っているとは限らいないからです。
知識が限られた相手に対し、わかりやすく、専門用語を極力避けて、三次元の立体を想像できるよう説明する労力は、はかり知れないものです。顧客への説明は必須ですが、予定よりも多く時間を割いて説明が求められるケースもあり、コストが積み重なります。
BIMとは、一貫して三次元デジタルモデルを使用し、従来二次元であった設計図の段階から、施工、維持管理までワンパッケージで管理できる方法です。二次元図面から、三次元モデルを形成するCADとは、全く異なるアプローチを実現します。現実と同等の三次元モデルを用いるBIMには、さまざまな役割・目的が存在します。
BIMの役割は、おおきく3つに分けられます。業務効率化による生産性の向上と施主への利益拡大、設計の精度向上による建物やサービスの品質向上、そして受注件数の増加と受注範囲の拡大です。BIMは、業務効率や生産性が上がるだけではなく、工務店などの受注者側のサービスや成果物に、付加価値をつけられる、画期的な手法です。
BIM活用による付加価値は、受注者と発注者、両者にもたらされます。また、BIMを導入して得られるメリットは、付加価値だけではありません。コストダウン効果も期待できるBIMには、想像以上の可能性が含まれています。
異なる担当者間や工程間においても、横断的な情報共有によるプロジェクト全体の管理が可能です。BIMは、どの担当者も共通の三次元モデルを確認して、ミーティングや作業を行えます。誰にでも等しく情報が行きわたるコミュニケーションツールであり、適切なプロジェクトの進捗を確認・管理できるツールとしても機能します。合意形成が滞りなく完了でき、時間も要さない、合意形成ツールとも言い換えられるでしょう。
担当が異なることが原因で起きやすい、認識のズレやミスは、二次元図面では大きな課題でした。正確かつ速やかに行われる情報共有は、業務効率化や生産性向上などの付加価値にダイレクトでつながるため、コストダウンも実現します。
BIMを導入すると、干渉をはじめとしたトラブルの早期発見など、リスク管理が行えます。BIMは、二次元図面では可視化が困難な寸法や角度の正確な把握を三次元モデルにより、明確化できるため、未然に干渉などの問題防止が可能です。トラブルが発生しないよう、事前に対応できる環境は、プロジェクト全体を通した、適切なリスク管理につながります。
設計では気づけなかった問題が施工の段階になって露出すると、設計図の引き直し、建設作業の中断、人件費の増加など、大幅なコストアップの原因になってしまいます。しかし、BIMを活用した場合、これらのトラブルは事前のリスク管理により回避できるため、スムーズに工程が進み、コストダウンに寄与します。
設計や建築に必ずしも知識をもっているとは限らない顧客に対して、わかりやすい説明を提供できる能力もBIMは有しています。三次元デジタルモデルを駆使して、顧客の建築物全体のイメージの可視化や施工のわかりやすさを、最優先させて説明することが可能なためです。
二次元図面では読み取りが難しい設計も、立体モデルを使用すると、説明に関するコストも削減されます。同時に、施主もわかりやすい説明をしてくれたと、満足感を得られるだけではなく、設計や施工の理解度も向上します。受注側のメリットや付加価値に注目が集まりがちですが、施主に対しても、利益の拡大や受けられるサービスの品質向上など、付加価値がもたらされます。
顧客が享受する付加価値に焦点を当てると、BIMは、建物に関わる情報をひとまとめにして、顧客に提供できる能力が備わっています。BIMは、設計や施工の業務効率化だけを目的に作られたソフトではありません。完成後の維持管理に関する情報提供まで、サポートできる機能を有しています。設計から施工、建物完成から、その後の運用・維持管理まで、顧客が必要な情報をパッケージ化してお渡しできるとも言えるでしょう。
また、建物完成後の維持管理にも対応するBIMは、将来必要な修繕などのメンテナンス情報まで引き出せるため、顧客は、予算の検討やスケジューリングを行えます。備えておくべきことが明確になることは、大きな付加価値として顧客に認識されます。
二次元図面にはない、付加価値やコストダウンをBIMは実現します。工務店は、生産性が上がり効率化が図れ、施主は、イメージの可視化や維持管理情報の取得が可能です。見過ごせない付加価値に関する情報は、資料で確認できます。
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工務店がBIMを活用すると、他社との差別化が期待できます。BIMには、無理・無駄を削減し、本来の業務に専念することで、品質を向上させる機能があります。同時に、コストダウンも見込めるため、顧客の興味や関心にダイレクトでアプローチが可能です。
BIMの導入は、工務店の競争力が増強し、他社との差別化が図れ、より魅力的な工務店として一線を画す存在であるとアピールできる、とも表現できます。BIMの導入には、イニシャルコストや運用できる人材が必要ですが、これらのコストを大きくこえる競争力の向上をもたらします。
資材・人材など高騰しているなか、コストダウンを見込みながら付加価値の受け渡しが可能な手段は、BIMの導入です。付加価値にご興味があっても、まず試したい方は、弊社にBIM設計をお任せください。わかりやすく付加価値を感じていただけるよう、注力いたします。BIMにご関心がある際は、ぜひお役立ち資料もダウンロードください。