建設規模が大きくなり、動員される人数が多くなるほど、工程の進捗をはじめ、現場管理が困難だと感じませんか?各担当者がそれぞれの業務を行うため、情報を取りまとめるには、時間も作業量が必要です。この記事では、BIM活用による確実な合意形成と、業務効率化で得られる現場管理のコストダウン方法について紹介します。
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設計や資機材、人など、建設に関係するすべての要素が、建設現場で起きるトラブルの原因になり得ます。なかには、プロジェクトの進捗を妨げ工期が延びるような事案や、コストアップに発展するトラブルも存在します。
建設工事では、統括者目線による、プロジェクト進捗の管理や把握に、困難を抱くケースがあります。多種多様な種類の工事が現場では行われ、多くの施工者が工事に携わるからです。五月雨式に実施される工事や、複雑に絡み合う工事もあり、進捗管理の難易度が上昇する現場もあります。計画と実際の施工状態を比較し、進捗を管理できる、経験や知識が豊かな工事関係者ではない限り、正確な進捗管理ができず、トラブルに発展する可能性があります。
設計を二次元で行った場合、いざ施工となった段階で設計ミスが発覚し、工期が伸びる事案は、建設現場でよく起きるトラブルの1つです。設計の不整合が生じると、問題解決のために、設計図面の引き直し作業が行われます。再作成に要した時間だけ、工期が延長されるだけではなく、職人の再手配も必要なため、追加の手間やコストばかりが積み重なります。設計ミスによる出戻りは、コストアップというトラブルの引き金になり得ます。
情報共有不足によるミスや認識違いにより、工事が中断されるトラブルも現場では発生します。建設現場で飛び交う情報には、新旧さまざまあり、最新かつ正確な情報が、すべての現場担当者へ等しく共有されるとは限りません。コミュニケーションそのものが不足しているだけではなく、合意形成に至るツールがないため、情報共有に遅れが生じ、施工ミスなどにつながる可能性を含んでいます。その結果、コストが増加する原因になります。
プロジェクト進捗や設計の不整合、コミュニケーション不足は、BIMを導入すると回避可能です。BIMは、プロジェクト管理機能があり、設計は3次元モデルによりミスが最小化され、情報共有ツールとしても力を発揮します。
コンカレントエンジニアリングとは、プロジェクトに必要なすべてのプロセスを同時に進めることで、作業を高速化させる手法です。BIMは、設計や施工、進捗管理をはじめに、プロジェクトに関わる情報を一元管理できるため、コンカレントエンジニアリングによる現場管理を実現します。
CADでは、まず二次元図面を作成し、完成後に三次元モデル構築します。設計図面の段階・施工の段階などプロセスが分離され、それぞれ完結されるため、プロジェクトの一元管理には至りません。全体の進捗が見えにくく、高速化が難しいスタイルです。
しかし、BIMを導入すると、プロジェクトすべてのプロセスを同時管理できます。コンカレントエンジニアリングによる現場管理が実践可能であり、高速化の他にも、プロジェクトの進捗を正確に管理し、把握できる環境も生み出します。
フロントローディングとは、プロジェクトの初期プロセスの段階において、今後の工程を精査することで、事前にトラブルを発見し、品質向上や工期短縮を目指す手法です。フロントローディングによる現場管理は、三次元モデルによる精緻な設計を織り込めるBIMを活用すると実施可能です。
二次元図面を用いて設計すると、施工に入って気づく設計の不整合が起きやすく、工期が遅れる可能性を最小化できません。また、施工が進んだ後にミスが露呈するケースもあり、工事に関わるすべての担当者に負荷を与えます。
BIMを活用すると、設計の段階で極めて正確な三次元モデルをつくりこみ、あらかじめ設計の不整合を防げます。BIMは、フロントローディングを用いてプロジェクトを展開できるため、設計ミスによる工期延長のリスクを最低限にとどめることが可能です。
BIMには、コミュニケーション・合意形成ツールとして機能する側面があります。事業に関わる全担当者が、同じ3Dモデルを確認して作業を実施し、変更が生じた際はリアルタイムで情報が反映されるためです。BIMを取り入れると、横断的な情報共有が可能なため、意思決定や統一が容易になります。
工事現場に焦点を当てると、設計担当者から届く変更情報、現場の安全管理をはじめ、施工担当者へスムーズな情報共有が行えます。2D図面を用いて、設計・施工などプロセスごとに管理する手法では、最新情報を即時得られない、施工手順の確認が困難な環境で作業しないといけません。
しかし、BIMを取り入れると、可視化された正確な3Dモデルが提示されるだけではなく、遅延なく情報共有と整理が可能なため、円滑な合意形成とスピーディーな施工が実現します。
紹介したトラブルは、BIM活用が解決に導きます。あらかじめトラブル対策が実践できるため、工期短縮・コストダウンなど生産性の上昇に寄与します。トラブルを回避できる詳細な情報は、下記資料からご確認ください。
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建設現場に注目して、BIM活用によるトラブル回避方法を紹介しましたが、BIMを導入する前に知っておくべきポイントをお伝えします。BIMの導入コストは、安価ではなく、ソフトの種類は1つではりません。事前に、自社が取り扱う案件内容やBIMを運用する作業環境、予算などを確認したうえで、選択しましょう。
BIMのソフトは、1つではありません。事業規模や目的に沿った選択が、求められます。自社の課題を解決するにふさわしい機能を有した、BIMの選定が重要とも言えます。BIMには、地形や構造物モデルなど、多数展開されています。また、有する機能により大規模プロジェクトで活躍するBIMなど、事業の目的や関係者数を加味した選定が必要です。規模に即しつつ、目的を達成するために、自社では何を可視化すべきか明確にしましょう。
ソフトと購入方法によっては、百万円を超える価格のBIMですが、補助金を適用できる場合があります。しかし、補助金適用対象となるソフトの選択や諸条件があるため、最新情報の事前確認が重要です。補助金の名称は「IT導入補助金」、補助金事業の詳細は、専用ホームページで確認できます。(※2023年度の申請は終了済)導入コストが問題で、購入に踏み切れない方は、IT導入補助金を利用すると、支出を極力抑えられます。
BIMの動作環境も、事前の確認が必要です。メーカーにより、対応しているOSはWindowsとMac、もしくはWindowsのみなど、異なります。導入目的に応じたBIMを選定できたとしても、OSが対応していない場合は、推奨できません。なかには、アプリをインストールして作業環境を構築し、別のOSでも運用可能なBIMもあります。しかし、既にある環境に適したBIMを選択すると、時間などコストを省けます。
BIMの活用により、円滑な合意形成や正確なプロジェクト進捗管理が可能です。工程の効率化や高速化、スムーズな意思決定によるコストダウンに関心がある際は、BIMのプロである弊社に、ぜひお問い合わせください。専門家の目線で、課題を洗い出し解決に導きます。BIMにご関心がありましたら、お役立ち資料に詳細が掲載されています。