「構造計算は知っているけど、やり方がよくわからない…。」
構造計算は専門的な知識が必要であるため、上記のようにお困りの方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、構造計算のやり方について詳しく解説します。
また、具体的な計算方法や勘違いしやすい特例など、網羅的に解説するため、本記事を読めば構造計算への理解がより深まるでしょう。
「構造計算のやり方を把握したい」「具体的な計算方法を知りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
私たちMake Houseは、構造計算に関するエキスパートです。
構造計算でお悩みのお客さまを日々全力でサポートしています。
構造計算についてお困りの方は、以下のリンクから詳細を確認してみてください。
目次
構造計算のやり方は、次のとおりです。
それぞれの詳細を見ていきましょう。
まずは、荷重を算定します。
たとえば、木造住宅であれば静的荷重1.5トン/平方メートルなどです。
建物の自重や家具などの静的荷重と、風圧や地震などの動的荷重があり、建物に対しての荷重を正確に算出します。
荷重の算定が終わったら、実際に使用する材料を選びます。
たとえば、耐震性を向上させたいなら、高い強度を持つ集成材を選ぶのが一般的です。
材料自体の特性を理解し、目的に合わせて強度や耐久性の優れたものを選びましょう。
荷重算定と材料選びが終了したら、実際に構造計算を行います。
具体的には、許容応力度計算や限界耐力計算などを行い、建物の安全性を示します。
しかし、構造計算には専門的な知識が必要で、計算自体も複雑です。
もし構造計算を間違えてしまうと、建物の安全性にも影響を与えます。
安全性を担保するためにも、構造計算に精通したプロへ任せるのがおすすめです。
実際に構造計算をするときに覚えておきたい計算式は、次のとおりです。
構造計算のやり方がわかっても、実際に使用する計算式を覚えておかなければ構造計算はできません。
構造計算を実施する場合はあらかじめ、把握しておきましょう。
各荷重を次のように定義します。
記号 | 意味 |
G | 固定荷重 |
P | 積載荷重 |
S | 積雪荷重 |
W | 風圧力 |
K | 地震力 |
長期許容応力度は、計算する際常時と積雪時の大きく2パターンに分けます。
常時の場合、一般区域でも多雪区域でも計算式は、「G+P」です。
一方積雪時の場合は、一般区域の計算式は「G+P」ですが、多雪区域は「G+P+0.7S」です。
区域や状況によって一部式が異なるため、注意しましょう。
短期許容応力度の計算式も記号を使って説明します。
記号の意味は、長期許容応力度をご確認ください。
短期許容応力度は、計算する際積雪時、暴風時、地震時の大きく3パターンに分けます。
積雪時の場合は、一般区域も多雪区域も式は同じで「G+P+S」です。
一方暴風時の場合は、基本的には「G+P+W」で計算しますが、多雪区域は「G+P+0.35S+W」の計算式を用いるケースがあります。
また、地震時の計算式は、一般区域が「G+P+K」、多雪区域が「G+P+0.35S+K」です。
長期許容応力度よりも、さらに計算式が複雑です。
層間変形角は、建物に地震力(水平力)が加わったときの角度(変形量)のことで、計算式は次のとおりです。
層間変位は、地震、強風などの強い力を受けた際に建物が変形してしまった結果、上下階に生じる水平方向に対する変位のことです。
層間変形角の大きさは、1/200以内でなければいけません。
ただし、外装材や設備などに著しい損傷が発生する危険がない場合は、1/120まで緩和できるケースがあります。
剛性率は、建物の負荷に対して、どのくらい変形しやすいかを示した指標です。
計算式は、次のとおりです。
剛性率が1.0より大きく、値が大きくなればなるほど、建物全体からみてその階は変形しにくい階といえます。
一方1.0より小さく、値が小さくなればなるほど変形しやすい階です。
偏心率は、建物の重心と剛心のずれがどの程度かを表す指標です。
計算式は、次のとおりです。
偏心率の値が大きくなればなるほどねじれ振動が発生しやすくなるため、値は0.15以下にしなければいけません。
ねじれ振動は、場合によっては建物の損壊にもつながるため、偏心率の値は重要です。
保有水平耐力は、地震や風圧といった水平の力に対して、建物が耐えられる力(抵抗力)のことを意味しています。
計算式は、次のとおりです。
構造特性係数は国土交通大臣が定める数値で、形状特性係数は剛性率と偏心率を考慮して国土交通大臣が定めた方法で算出した数値です。
各荷重を次のように定義します。
記号 | 意味 |
G | 固定荷重 |
P | 積載荷重 |
S | 積雪荷重 |
W | 風圧力 |
限界耐力は、積雪時と暴風時の大きく2パターンに分けます。
積雪時の計算式は、一般区域、多雪区域ともに「G+P+1.4S」です。
一方暴風時は、一般区域、多雪区域ともに「G+P+1.6W」の計算式を使いますが、場合によって多雪区域の計算式は「G+P+0.35S+1.6W」を用いることがあります。
積雪荷重は、文字どおり積雪による建物への負荷のことです。
計算式は、次のとおりです。
雪の重さは、一般的な地域においては積雪1cmで1平方メートルにつき2kg(20N以上)と決められています。
ただし、多雪地域は積雪1cmで1平方メートルにつき3kg(30N以上)です。
1mの積雪で1平方メートルあたり200kg程度の荷重がかかります。
風圧力は、風による建物への負荷のことです。
計算式は、次のとおりです。
速度圧qは、「0.6EV2o(N/平方メートル)」で求められます。
Eは、屋根の高さや周辺の地域にある建物などの状況を考慮して大臣が定める方法で計算した数値です。
また、Voはその地域において過去発生した台風の記録に基づき、30m/秒から46m/秒までの範囲内で大臣が定める風速です。
地震力は、地震による建物への負荷のことです。
計算式は、次のとおりです。
地上部分は、振動性状として地震力が作用するとみなせるかで判断しなければいけません。
一方、地階の階高の2/3以上がすべて地盤と接していたり、すべての周囲の面積が75%以上地盤と接していたりすると、地下部分として扱います。
構造計算の計算方法のことをルートといいます。
ルートは1から3に分かれており、それぞれ必要になる計算式が異なります。
ルートの種類 | 特徴 |
ルート1:許容応力度計算 | 建物や人の重さ、地震や台風に耐えられるかを計算する |
ルート2:許容応力度等計算 | ルート1に加えて、建物のバランスや部材の局部座屈防止などを計算する |
ルート3:保有水平耐力計算 | 建物が地震で崩れずに耐えられるかを計算する |
また、建物の規模によってどのルートを選ぶのかは異なるため、構造計算をする際はどのルートが適しているのか事前に確認しましょう。
構造計算のルートについてより詳しく知りたい方は、下記記事もあわせてご覧ください。
【プロが解説】構造計算のルートとは?種類やルートの選び方を解説
構造計算をしないことがルール違反になるかどうかは、建物の規模によって異なります。
中規模建築物や大規模建築物に該当しない、小規模建築物は構造計算が必要ありません。
また、一般的な2階建て以下の木造住宅は、建築士が設計して計算すれば確認申請の際に構造計算書を提出しなくても問題ないという「四号建築物確認の特例」があります。
この特例について、建築士が設計すれば構造計算をしなくてもいいと誤った解釈をしている方が一定数存在します。
四号建築物確認の特例は、構造計算書を「提出」しなくてもいいだけで、計算をしなくてもいいとうたっているわけではありません。
建物の安全面を担保する意味でも、構造計算は行った方がいいでしょう。
構造計算のやり方に関するよくある質問を紹介します。
よくある質問を知ることで、構造計算のやり方に対しての理解はより深まります。
それぞれの回答を確認しましょう。
構造計算は、自分でもできます。
しかし、習得には非常に時間がかかる上、複雑な計算には手間もかかるため、おすすめできません。
構造計算は、プロに任せるのがおすすめです。
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また、自分で構造計算をする方法について詳しく知りたい方は、下記記事も確認してみてください。
構造計算を自分でしたい!難しい許容応力度計算を時間・費用を節約して行う方法
構造計算ができるアプリは、リリースされています。
しかし、ダウンロード数が少なかったり、評価が一つもついていなかったりと信用できるとは言い難い状況です。
簡易的な計算であれば問題ないかもしれませんが、本格的に計算したい場合はソフトの導入を検討するか、最初から構造計算のプロに依頼しましょう。
構造計算は、建築確認申請のときに提出します。
建築確認申請は建物を建てる前に申請しなければならず、確認済証を交付されなかった場合、建物は建てられません。
よって、建築確認申請の前にはしなければならないのですが、構造計算は短時間でできるようなものではありません。
そのため、時間には余裕を持って早めに計算しておくのがおすすめです。
許容応力度計算は壁量だけではなく、荷重や地震に対して柱や梁などが耐えられるかを細かく検討します。
一方壁量計算は、間取りの縦軸と横軸を見て、ただ耐力壁の量が十分かどうかを確認するだけです。
そのため、許容応力度計算書は200ページ、壁量計算は数ページと大きく差があります。
また、材積を落とせるためコストを抑えられることから、許容応力度計算の方が安いという特徴があります。
以上のことから、壁量計算よりも許容応力度計算の方が信頼度も高く、おすすめです。
構造計算は、複雑な計算式を理解して正しく算出していく必要があります。
そのため、自分でやり方を学んで計算もできますが、非常に大変であるためおすすめできません。
「じゃあ、どうすればいいの?」と思った方、構造計算はプロに依頼しましょう。
プロに依頼すれば、手間がかからないだけではなく、計算ミスなどもなくなります。
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