「許容応力度計算と構造計算は違う?」
「許容応力度計算の流れが知りたい」
工務店経営者の方でこのように許容応力度計算について、頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。安全な建物を建てるには構造計算が必要になりますが、許容応力度計算は構造計算の一種です。
安心安全な建物を建てるためにも、許容応力度計算についてしっかりと理解する必要があります。
今回の記事では、許容応力度計算について詳しく解説します。
また、許容応力度計算の重要性や流れも解説しているので、許容応力度計算についてお悩みの工務店経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
また、当社、MakeHouseでは工務店に特化した設計に関するサポートを実施しております。
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目次
許容応力度計算とは建物の安全性を確認する計算のことで、比較的小規模な建物に用いられます。建物にかかる様々な荷重に対して、柱や梁などの各部材が耐えられるか検証するのが主な目的です。
許容応力度計算を行うことによって、台風や地震などの自然災害に強い建物を建てることが可能で、専用のソフトを用いることが一般的です。
許容応力度計算では、以下のような内容を検証します。
現状、3階建て以上の木造住宅で許容応力度計算が必要です。
構造計算には大きく分けると以下の4種類があり、許容応力度計算は構造計算の一種です。
どの方法を使用するかは、建物の構造や規模に応じて異なります。
なお、許容応力度計算と構造計算の違いについては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
許容応力度計算と構造計算の違い|コストと安全性を意識した効率的な構造設計
許容応力度計算を行うと、住宅の高い安全性を証明できるメリットがあります。
一方、許容応力度計算を行うためには多くの費用がかかるうえ、膨大な量の構造計算書を作成するため、人件費も発生します。
また、許容応力度計算は専門的な知識が必要で、複雑な計算となるため、時間がかかることもデメリットといえるでしょう。
台風や地震などの自然災害に強く安全性の高い建物を建てるためには、許容応力度計算は重要になりますが、日本における多くの木造住宅には使用されていないのが現状です。
4号特例という特例によって建築確認申請の審査などを一部省力できるため、構造計算書の提出が必要ありません。
壁量計算などの簡易的な方法で建築確認申請を行っていることが多いですが、最低限の安全性しか確保できていないことがほとんどです。
4号特例については、以下の記事で詳しく解説しています。
4号特例をわかりやすく解説!2025年に廃止されるって本当なの?
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耐震等級3を取得するためには、必ずしも許容応力度計算を行う必要がありません。
条件を満たす必要がありますが、性能表示計算でも耐震等級3は取得が可能です。
性能表示計算は壁量計算よりもチェック項目が多く、計算精度が高くなっています。
しかし、同じ耐震等級3であっても許容応力度計算と比較すると耐震性が低くなっており、安全性は異なります。
より地震に強い建物を建てるには、許容応力度計算を行う必要があるといえるでしょう。
2025年4月に建築基準法の改正が予定されており、4号特例が縮小されます。
現状では4号建築物に該当する建築物は、2号建築物または3号建築物に区分されることになり、2階建ての木造住宅でも延床面積が300㎡を超える建物では許容応力度計算が義務化されるのです。
提出する書類作成に時間がかかり、建築確認申請も時間がかかることになるでしょう。
また、許容応力度計算が必要になるため、専門の設計事務所に外注するなど対応する必要があります。
ここでは、許容応力度計算の流れについて解説します。以前は手動で計算していたため時間がかかっていましたが、近年では専用のソフトを使用することが一般的です。
まず建物自体にかかる荷重を調べます。次に人や家具などの積載荷重や台風や地震が起きた場合にかかる荷重を予測します。
許容応力度計算で予測する荷重は、以下のとおりです。
荷重の種類 | 例 |
鉛直荷重 | ・固定荷重(建物の重さ) ・積載荷重(人や家具の重さ) ・積雪荷重 |
水平荷重 | ・地震荷重 ・風荷重 |
建物、人や家具の重さが重いほど鉛直荷重が大きくなり、台風や地震が起きた場合には水平方向にかかる力も強くなります。
建物に外からの力が加わると、各部材では抵抗力(応力)が生じます。
代表的な応力は、以下の3つです。
軸力 | ・圧縮力(部材が押される力) ・引張力(部材を伸ばす力) |
せん断力 | 部材をズラそうとする力 |
曲げモーメント | 部材に圧縮力と引張力が加わり湾曲させる力 |
建物の構造や材料などをもとに、各部材の応力を計算して応力度を算出します。
次に、建物の構造部材がどれくらいの力を許容できるか(許容応力度)を確認します。許容応力度を算出する計算式は、以下のとおりです。
許容応力度=材料の基準強度×安全率の係数
材料の基準強度とは、応力に抵抗する力です。コンクリート、鋼材、木材など部材の材料によって基準強度の値は変わるため、許容応力度も異なります。
最後に調べた応力度と許容応力度を比較します。応力度より許容応力度の方が数値が高ければ、安全性な建物であると判断されます。
今回の記事では、許容応力度計算について詳しく解説しました。許容応力度計算はコストや時間がかかる構造計算ですが、安全性の高い計算方法です。
2025年には建築基準法改正によって許容応力度計算が義務化される建物が増えるため、今のうちに準備する必要があるでしょう。
しかし、自社で許容応力度計算が行える工務店は、少ないのではないでしょうか。
自社で許容応力度計算に対応するのは大変な労力がかかるため、信頼できる設計事務所に外注することをおすすめします。
弊社Make Houseは、許容応力度計算を含む設計業務の全面的なサポートサービスを提供しています。
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