日本の現役人口は縮小局面にあり、「家余り」という言葉も語られるようになった現在では、国内トータルとしての住宅着工件数も減少傾向にあります。
その中で、着々と契約数を増やし続けている工務店も存在し、いわば伸びる工務店とその他のニ極化が進んでいる時代といえるでしょう。
この状況を作り出している要因の一つが、工務店WEBサイトになります。
「魅力的なWEBサイトが集客を左右することはわかるものの、具体的なデザインの方法がわからない・・・」
「デザイン以前に、肝心のWEBコンテンツ作りで手が止まってしまう・・・」
と悩まれる経営者、マーケティング担当者も多いことでしょう。
今回は、着工数減少社会においても、なお選ばれる工務店になるためのWEBサイト作りのノウハウを解説していきます。
簡単なようで、要点を外すと影響が大きく、閲覧者に容易に離脱されてしまうのがWEBサイトの難しさです。
その理由は、製作者とエンドユーザーで見る部分が異なり、また読者がその場にいないことでフィードバックを得ることが難しいため、自社のHPの欠陥に気づきにくいという点です。
ここでは代表的な失敗事例から、自社のWEBサイト作りに生かせる改善点を浮き彫りにしていきます。
老舗の工務店などでは、実績の多さをアピールする余り、全ての施工事例をただ羅列したり、写真も同じようなアングルが多かったりと、情報の緩急に欠けるサイトが多いです。
もちろん、実績が多いことは読者の安心感、信頼感につながりますが、全体に平均的な印象で終わってしまうと、なかなかコンバージョンまでに繋がりにくいものです。
WEBサイトから離脱されずにコンテンツを一通り見てもらい、問い合わせ・アポイントに繋げるためには、どのポイントが本当の売りなのか、一目見てわかる明解な構成を心がけると良いでしょう。
近年、WEBサイト制作もノウハウが蓄積され、見た目が綺麗なサイトが多く出てきています。
しかし一見魅力的なビジュアルでも、肝心の機能・コスト・デザインはどうなのか?というスタティックな情報が見えてこないケースもあり、この場合も残念ながら離脱率の高いサイトといえるでしょう。
サイト作成の際には、自分がもしクライアントだったらどのような点をチェックしたいか、様々なニーズに目を向け、一つ一つ答えるつもりでサイト構成を考えることが肝心です。
案外多いのがこのケースで、コンテンツに折角魅力を感じてもらっても、具体的な連絡先が分からず、読者にサイトを離れられてしまうパターンです。
また、問い合わせフォームに辿り着いても、入力が煩雑であったり、考える時間を要する項目があると、問い合わせの送信に行きつかず離脱されてしまうことも。
常にどのページからも問い合わせや、工務店へのアクセスページに繋げられるよう構成を工夫することを意識すると良いでしょう。
集客力のある工務店のWEBサイトに共通するのは、意外にも一つの傑出でなく、全体的に欠陥が少ないことが特徴です。
上記で紹介したそれぞれの失敗事例に対し、具体的な改善提案を考えてみます。
自社のWEBサイトに当てはまる内容がある場合には、すぐに改善できる内容となっているので、是非取り入れてみてください。
WEBコンテンツにおいて読者に響くのは「量<質」です。
10件の事例を並べるだけでなく、一つ一つの魅力的な施工事例を大きくフィーチャーして取り上げることで、その内容をより深くイメージ付けることができます。
施工事例写真も多くのアングルから撮影し、時には住人を入れて生活の様子も撮影するなど、実際の使い勝手を創造させるコンテンツ作りも大変有効です。
また、お客様の声と家づくりにおけるストーリーを合わせたコンテンツをつくることで、具体的に家づくりを検討している人にとって「擬似体験」しやすくなり、響きやすい読み物になります。
見た目の印象だけでなく、ファクトベースで語る情報もユーザーの求める内容の一つです。
施工件数、保有技術、料金、対応エリア、顧客満足度・・・といった具体的コンテンツは、工務店同士を比較する際に決め手になります。
動かない情報・数値的根拠は、信頼を高め、クライアントの具体的検討の土俵に上がるために必ず必要ですので、積極的に掲載するようにしましょう。
工務店WEBサイトの最終目的は「問い合わせの獲得」です。
魅力あるビジュアル→具体的数値情報→問い合わせ のルートを意識してサイトを構成することで、興味喚起から信頼構築、アポイント獲得へと自然な流れで繋げることが可能となるのです。
なお、問い合わせフォームは極力単純で、項目が細かすぎないことも敷居を下げて問い合わせ数を増やすコツですので、改めて意識しましょう。
家づくりを検討しているユーザーが問い合わせしようかどうか最終的に判断する部分が、この部分になります。
モデルハウスや事務所に行ったらどんな担当者が待っているのか?本当にこの工務店にお願いして大丈夫か?という不安を払拭できないことには、来場アポイントを得ることは難しいでしょう。
そのために顔の見える信頼獲得のためのコンテンツ作りを心がけ、サイトの向こう側には血の通った人間が真摯に対応してくれる、という感覚を持っていただけるよう気配りし、問い合わせのハードルを下げる努力を怠らないようにして下さい。
問題点と改善のイメージは分かったものの、具体的にどこから手を付けてよいかわからない、直すべき事が多すぎて手に負えない・・・という方も多いのではないでしょうか。
ここでは、最も改善効果の高いポイント3つに絞って、具体的な手法にまで落とし込んだテクニックを解説します。
まずは、目を引く作品を最前面に押し出し、最初のワンクリックにつなげることが肝心です。
トップページでハイクオリティな施工写真をアピールし、
「こんな家に住みたい!」「こんなライフスタイルを体現したい!」
という欲求を喚起する、訴求力の高いページを作り込むことで、その他の施工事例やコンテンツに誘導するようにしましょう。
信頼感を得る為になるべくハードルを下げておきたいですが、残念ながら工務店の営業、設計士、現場監督は初めてのクライアントには敷居が高く感じるもの。
フレンドリーで話を聞いてくれそうであることを伝えるために、スタッフの顔の見える工務店紹介のページを設けて安心感を持たせると、問い合わせ率を高めることができます。
例えば、クライアントと担当者のやり取りを紹介し、施主の要望でこれが実現した、といったエピソードを紹介するのもリアリティが高く有効といえるでしょう。
家づくりは、誰にとっても大きな金額を扱う買い物のため、必ず不安が付きまとうものです。
実際にスタッフがいかに信頼感ある人の集まりだとしても、サイトを介して伝えることは容易ではないため、あらゆる手を使ってそれを表現する必要があります。
クライアントがWEBサイトから感じたわずかな不信感でも、問い合わせを押しとどめる要素となる可能性があるため、真摯かつ丁寧さを感じさせるようサイトを作り込むことを心がけてください。
工務店にとって、WEBサイトは自らの世界観を伝えるうえで大変重要なコンテンツの一つです。
これまで悩まれていた方も、上記の要点を抑えて対策することで、特別なセンスがなくてもよいWEBサイトは作ることが可能です。
また、改善は一度にとどまらず、常にクライアントや取引先、またアクセス解析を用いた数値など、客観的目線でWEBページをよりよくし続けることをおすすめします。
WEBサイトも重要ですが、SNSやMAツールなど、デジタルを駆使することで集客力を複合的に上げることが可能な時代となっています。ハウスメーカーにも負けない集客力をつけるにはまずは、地道なコンテンツ作りと発信を継続することです。そのための手法についてホワイトペーパーにまとめましたので参考にしてください。
目次
・こんなお悩みはありませんか?
・Instagramの活用方がわからない
・HPからの集客が減った
・見学会・住宅展示場への来場が減った
・資料を送付しても面談まで行きつかない
・土日に打ち合わせが重なってしまう