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【今後地方にも展開!?】ZEHよりも高い基準である「東京都ゼロエミ住宅」について解説

更新日:2023年4月6日(木)

近年、太陽光発電による電力の創出や、省エネルギー設備を導入したZEH(Net Zero Energy House:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)が増加傾向にあります。

これは日本のエネルギー自給率が低いことが要因で、政府主導のもと進められています。

しかし、東京都ではZEHよりも高い基準で住宅に関するエネルギー対策が行われていることをご存じでしょうか。

今回は、東京都が進めている「東京都ゼロエミ住宅」について解説します。また、今後地方にも展開する可能性も0ではないため、今のうちから対策を進めておくことをおすすめいたします。

「東京都ゼロエミ住宅」について

「東京都ゼロエミ住宅」について

「東京都ゼロエミ住宅」とは、高い断熱性能を持つ断熱材や窓を用いたり、高い省エネ性能を持つ家電を取り入れたりしている住宅を指します。

ゼロエミとはゼロ・エミッション(排出量ゼロ)の略で、CO2の排出量を実質ゼロにしようという意味が含まれています。

似たような意味合いを持つものには「ZEH」と呼ばれるものがありますが、東京都ゼロエミ住宅は下記のように、ZEHよりも高い基準が設けられています。

東京都ゼロエミ住宅設立の背景

東京都ゼロエミ住宅は、2021年1月に「カーボンハーフ」の一環として発表されました。

カーボンハーフとは、2030年までに温室効果ガスの排出量を2000年と比べて50%削減することを目標としたものです。

都内の温室効果ガス排出量の30%は家庭から排出されるものであり、これらを減らすためには住宅の省エネ性能を一層向上させる必要があります。

東京都は地価が高く、狭い土地に多くの人が住まうことから、太陽光発電システムなどの再エネ設備による環境性能向上への取組が進みにくい懸念がありました。

そこで、これからの東京都が目指すべき姿として、断熱性能や省エネ性能を加味した、東京都独自の「東京都ゼロエミ住宅」が考案されました。

東京都ゼロエミ住宅の目的

東京都ゼロエミ住宅の最終目標は、2050年までにCO2ガスの排出量を実質ゼロにすることです。

こちらは世界規模での取り組みであり、現在123ヵ国が参加しています。

しかし、いきなりCO2を実質ゼロにすることは難しいので、段階を踏んでゼロを目指そうということになりました。

まずは2030年に2000年と比べて、CO2排出量を50%削減することが第一ステップです。

以降、徐々にCO2を減らし、最終的にゼロにすることが東京ゼロエミ住宅の目標です。

東京都ゼロエミ住宅のメリット

東京都ゼロエミ住宅のメリット

東京都ゼロエミ住宅には、CO2の削減だけではなく下記のようなメリットがあります。

一定の室温を保った快適な暮らしができる

東京都ゼロエミ住宅には、リビングやお風呂といった部屋間の温度差や、同じ室内の上下での温度差を小さくする効果があります。

温度差が大きいと、気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起きるヒートショックなどを防ぐことができ、健康で快適な生活を送れます。

光熱費を下げられる

東京都ゼロエミ住宅には高い断熱性能だけではなく、効率的にエネルギーを使える設備が備わっています。

LED照明や省エネエアコンなど、エネルギー効率を良くしたものを使うことで光熱費を下げられるようになります。

結露を防止できる

東京都ゼロエミ住宅は断熱性が高く冬でも窓や壁の表面温度が低くなりにくい性質を持ちます。

冬場は室温が暖かく、外気が冷たいため結露が発生しやすい気候です。

結露は放置するとカビやダニといった、健康を害するものが繁殖する可能性があります。

東京都ゼロエミ住宅は先述の性質により、健康を害するものの繁殖を防ぐことができるため、健康的な生活を送れます。

【お客様に積極的に提案しよう】東京都ゼロエミ住宅で利用できる補助金・助成金

東京都ゼロエミ住宅で利用できる補助金・助成金

東京都ゼロエミ住宅で利用できる補助金・助成金には、東京都が制定した「東京都ゼロエミ住宅促進事業」と呼ばれるものがあります。

こちらは東京都ゼロエミ住宅を新築する方に対して、その費用の一部を助成するものとなっています。

これにより、目標のCO2ガス排出量の削減を促進しようという試みです。

一般的にこちらの費用は設備投資や運転資金に使われます。

なお、令和5年度も令和4年度と同様の住宅の水準と助成額で実施することが決まりました。

助成対象者

東京都ゼロエミ住宅促進事業の対象者は、新築住宅の建築主や、太陽光発電設備・蓄電池のリース事業者です。

対象住宅

東京都ゼロエミ住宅促進事業の対象となる住宅は、下記のように定められています。

  • 東京都の戸建て住宅・集合住宅
  • 単位住戸や共用部分の床面積の合計が2,000㎡(605坪)未満
  • 東京ゼロエミ住宅の認証に関する要綱に基づいて認可を受けた新築住宅

対象基準

東京都ゼロエミ住宅の基準を満たすためには、下記のルールを必ず守る必要があります。

  • 窓 :熱貫流率が2.33W/平方メートル・K以下
  • ドア :熱貫流率が3.49W/平方メートル・K以下
  • 照明設備 :全室LED
  • 冷暖房設備 :高効率エアコン設置
  • 給湯設備 :高効率給湯器

対象金額

東京都ゼロエミ住宅促進事業の助成額は、下記のように戸建てや集合住宅、定められた水準によって異なります。

令和5年度のスケジュール

令和5年度のスケジュールについては、2023年3月現在では発表されていません。

令和4年度は受付期間が2023年1月31日から3月31日までです。

受付期間が2ヶ月間と短いため、対象となる物件をお持ちの方は早めに申請しましょう。

【お客様に積極的に提案しよう】東京ゼロエミポイントについて

東京ゼロエミポイントについて

東京ゼロエミポイントとは、設置済みのエアコンや冷蔵庫、給湯器、照明器具などを、省エネ性能の高いものに買い換えた都民に対して付与するポイントです。

都民は付与されたポイント数に応じた商品券やLED割引券を取得できます。

下記、東京ゼロエミポイントに関する詳細です。

申請条件

東京ゼロエミポイントを申請するには、下記の条件をクリアする必要があります。

  • 免許証などで東京都に住んでいることを証明できる方
  • エアコン、冷蔵庫、給湯器、照明器具を、省エネルギー性能の高い新品に買い換えた方
  • 購入した対象家電等を都内の住宅に設置している方

それ以外には特に条件はなく、申請者の対象年齢なども問われません。

しかし、申請者あたりの申請回数に一部上限が設定されているものもあります。

(例:LED照明器具は1人1台まで など)

申請に必要な書類

東京ゼロエミポイントを申請する際、下記の書類が必要です。

付与ポイント

下記、家電ごとに付与されるポイントです。

東京ゼロエミ住宅に関するよくある質問

東京ゼロエミ住宅に関するよくある質問

下記、東京ゼロエミ住宅に関する、よくある質問をご紹介します。

現地調査はある?

はい、必要に応じて現地調査を行うことがあります。

現地調査を行う際は事前に連絡があるため、協力しましょう。

交付に当選したが、期間内に掴書類が提出できなかった場合

この場合、当選者は交付が取り下げられたとみなされるため、受け付けてもらえません。

そのため、交付に当選したあとはすぐに対応しましょう。

リノベーション物件は対象になる?

いえ、リノベーション物件は対象外です。

既存の住宅の場合、建築物を全て取り壊して東京ゼロエミ住宅に建て替える必要があります。

まとめ|工務店は対応できる商品を準備し、積極的に対応しよう!

今回は東京都ゼロエミ住宅について解説しました。

東京都ゼロエミ住宅とは、2030年にCO2の排出量を50%削減し、2050年には実質ゼロを目指すために制定された家屋です。

ZEHよりも高い水準が求められる東京都ゼロエミ住宅では、太陽光義務化などが定められているため、工務店も対応を急ぐ必要があります。

たとえば、工務店で高い断熱性能を持つ断熱材や窓を用いたり、高い省エネ性能を持つ設備を用意したりすることが挙げられます。

対応としては、ZEH住宅の商品をつくることです。それにより助成金を利用して、快適かつ省エネな住宅の提案をしていきましょう。

これからの住宅のスタンダードであるZEH。取り組み方について詳しくは以下の資料を無料ダウロードして、是非御社の業務改善にお役立てください。

目次
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