設計業務には、お客様へのヒアリングやプラン作成、積算、仕様打ち合わせ、建築確認図面作成、施工図作成などなど、さまざまな業務が発生します。
設計=夜遅くまで働くというイメージが浸透していますが、2024年4月から施行される労働時間の上限規制が適用されるようになります。
そのため、設計事務所や工務店では、限られた時間の中で最大限の結果を出すために、「合理化」を図る必要があります。
本記事では、設計の合理化を行うことで、社員の業務時間を減らし、最大限の結果を出し、会社の利益を上げる方法について解説します。
目次
一般的な注文住宅は、下記の手順で建物の設計から完成までとなります。
ヒアリングの段階では、お客様がどのような住宅を建てたいのかを確認します。
しかし、お客様は建築に関する知識が明るくない方が多く、漠然としたイメージしかもっていないかたが多いものです。
そのため、イメージを具体化できるように工務店からさまざまな質問をお客様に投げかけ、お客様のニーズを引き出しましょう。
下記、お客様へのヒアリング項目の一例です。
注文住宅の場合、お客様によって所有している土地の大きさや場所が異なります。
また、これから土地を購入しようと検討しているお客様は、どのような土地を求めているかを検討しているはずです。
そのため、工務店の営業マンは実際に住宅を建築する予定地に足を運び、お客様のご要望を満たせるのかを確認します。
その際、お客様にハッキリと「無理です」と伝えてしまうと、契機を逃してしまいます。
ニーズを満たせなかった場合、「〇〇は難しいですが〇〇は可能です」といった代替え案を用意することで、満足度が向上します。
建築予定地では、下記の情報を確認しておきましょう。
お客様のニーズを把握し、建築予定地の調査が終わってから模型などを作成して大まかなプランを設計します。
その際、概算費用も用意しておくとお客様の理解が深まりやすくなり、後述する契約締結に至る可能性が高くなります。
お客様は費用にシビアであるため、条件が変わることもある点は念頭に置いておきましょう。
プラン設計は打ち合わせ回数が多くなる傾向にありますが、建設後に発生するお客様からの不満を解消することが重要です。
プラン設計がまとまった後は、お客様との契約に進みます。
その際、これからお客様との打ち合わせや確認が多く発生するため、人件費や販管費などが必要になります。
そのため、契約時には頭金を頂いている設計事務所が多いです。
契約前の注意点として、工賃や資材の値上がりによって概算見積と実際に支払う費用に差が生じる可能性がある点です。
お客様からすると言われていたことと違うととらえられてしまうため、事前に変動する可能性がある旨を伝えておきましょう。
基本設計とは、完成形のイメージを具体化していく作業です。
先述したプラン設計は大まかな予定であり、基本設計は詳細な設計であると言えます。
下記、基本設計の際に具体化する要素です。
基本設計で決定した事項を図面に落とし込む作業です。
図面設計は建築確認申請を行うことと、工事業者に見積もりを作ってもらうことが目的です。
下記、図面設計で作成するものの一例です。
これらには一般の方が確認できるものもありますが、説明を受けなければわからないものや、業者間で使用するものもあります。
設計事務所は作成した図面を、複数の工事業者に提出して相見積もりを取ります。
決め手となるポイントは予算内に収められていることだけではなく、工事金額の適正さも含まれています。
たとえば、工事規模に対して人手が多かった場合、多くの人件費が発生するため売価が高騰します。
また、工事金額が安すぎる場合、機能が低い原材料を使われたり、手抜き工事を行ったりしている可能性があります。
そのため、設計事務所では正しい判断ができるための知識が求められます。
地鎮祭とは、土地の神様に家屋の建設を伝えることと、工事の安全を祈願するための儀式です。
日本では土地には神様が住まわれていると言われており、無断で建てることは神様を冒涜する行為とされています。
しかし、地鎮祭は強制されるものではなく、お客様の判断によって行われます。
そのため、地鎮祭を行わない方がいらっしゃいますが、一般的には執り行われる儀式です。
地鎮祭が終わったあとは、いよいよ家屋の建築に着工します。
設計事務所はヒアリングや契約のときに、おおよその納期を伝えています。
しかし、自然災害や土地から不審物が発掘された場合など、予期せぬトラブルに見舞われることがあります。
納期通りにお客様へ引き渡すために、設計事務所は現場監督や職人と納期や進捗に関するコミュニケーションを図って管理します。
また、お客様に対して工事の進捗状況を伝えることお設計事務所の業務に含まれています。
設計事務所は定期的にお客様へ連絡し、不安を解消するようにしましょう。
上棟式は建物の骨組みが完成した時点で、それまでの安全と今後の安全を祈願する儀式です。
竣工式は家屋が完成したときに見守ってくださった神様に対して感謝を伝える儀式を指します。
このように、日本では建築の際、さまざまな儀式が執り行われます。
なお、上棟式や竣工式にかかる費用は工事費用に含まれています。
上棟式・竣工式が終わったあとは、家屋をお客様に引き渡します。
引き渡しの際、ヒアリング時に確認したお客様のご希望を反映できているかなど、細部まで見ていただきましょう。
お客様に引き渡し、お客様が住まわれた後も雨漏りやドアの開閉がしにくいといったトラブルが発生することがあります。
そのため、設計事務所は1年ほど定期的にアフターフォローの期間を設けていることが多いです。
また、お客様からご意見を頂く前に、設計事務所からご連絡することも顧客満足度の向上になります。
設計事務所によっては、下記のような課題を抱えています。
近年では高齢化に伴い、人口が減少傾向にあります。
また、人口減少に伴って持ち主が分からない空き家が増えています。
そのため、建築業界においては家を建てられる場所とお客様が減少しているという課題があります。
少ないお客様と場所を設計事務所や工務店が取り合うために、コストダウンによって差別化を図るところもあるでしょう。
しかし、今後は空き家対策として建て替えやリノベーションといった、リフォーム市場が拡大する可能性があります。
近年ではさまざまな業界でIoTやAIといった技術が採用されており、業務効率の改善に貢献しています。
建築業界においては設計業務などをAIに任せることが多くなり、手作業の削減により業務効率が改善傾向です。
しかし、すべての作業を任せることはできないため、コミュニケーションや気持ちの汲み取りなどで付加価値を得る必要があります。
設計現場では、「設計変更が多い」ことや「作業の属人化」が課題となっています。
お客様や営業マンが話す内容によっては、何度も設計の変更作業が発生することがあります。
口では簡単に「変更します」と伝えても、設計の担当者は多くの作業時間を要するものです。
そのため、設計事務所の営業マンは設計変更が少なくなるように、お客様と積極的にコミュニケーションを図る必要があります。
建設業界ではIoTやAIが採用されてきたとしても、いまだに手作業が多い業界です。
そのため、経験年数が浅い社員よりも、経験年数が長いベテランの能力に依存する傾向にあります。
しかし、高齢化の影響により定年退職を控えているベテランスタッフが多いため、退職に伴ってノウハウが無くなってしまいます。
ノウハウが蓄積されていない企業は競合他社との競争に勝つことができないため、経営が難しくなります。
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目次
・こんなお悩みはありませんか?
・色々なプレゼンソフトを試したが使いこなせない
・分かりづらい図面、図面のミスでトラブルが起こる
・CGプレゼン作成に、時間とお金がかかる
・設計に時間がかかる
・自社で意匠設計ができない
設計を合理化することによって、少ない労力で最大限の効果を発揮できます。
また、低コストの建材を使用して高いパフォーマンスを発揮するなど、建物自体を合理化することもあります。
たとえば、先述したIoTやAIを使用した設計業務も、合理化のひとつに含まれます。
建物の構造の合理化に関する一例として挙げられるのが、CFT構造と呼ばれるものです。
CFT構造は断面が角形・円形の鋼管にコンクリートを充填して柱とする工法です。
こちらは鉄筋コンクリー造や鉄骨鉄筋コンクリート造鉄骨造に続く第4の構造と言われているほど強い建物を建てられます。
近年では高齢化や空き家問題により、少ないお客様を価格競争によって獲得しようと考えている業者が多くいます。
しかし、近年では世界情勢の影響により、原材料の価格が高騰する傾向にあります。
設計や建材・建物の構造を合理化することでコストパフォーマンスを向上させ、高い利益を得られるような仕組みが必要です。
本記事では、家屋の納品に関する流れや設計の合理化について解説しました。
設計はヒアリングや図面作成などを経てお客様に引き渡した後も、アフターフォローを行います。
さまざまな工程があることから、設計事務所や工務店では設計や建材・建物の構造を合理化が求められます。
競合他社よりも高い付加価値を得たい場合、合理化を検討してみましょう。
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目次
・こんなお悩みはありませんか?
・色々なプレゼンソフトを試したが使いこなせない
・分かりづらい図面、図面のミスでトラブルが起こる
・CGプレゼン作成に、時間とお金がかかる
・設計に時間がかかる
・自社で意匠設計ができない