家屋を建てる際は、人件費や資材費など、さまざまなコストが発生します。
お客様に低価格で提供したり、利益を獲得するためには、コストを抑えることが重要です。
しかし、近年では資材費用や人件費の高騰などにより、コストを圧迫する状況が続いています。
お客様に満足していただけるような価格で提供するためには、どのようにすればよいのでしょうか。
今回は、家屋に関するコストを抑える方法についてご説明します。
目次
下記、資材にかかるコストとコストダウンの方法です。
建築資材は十分な供給量に耐えられるように、工務店や資材を取り扱う業者は物流や倉庫に資材を保管しています。
注文住宅の場合、お客様によってニーズが異なるため、さまざまな資材を用意しておく必要があります。
そのため、資材によっては数年間動きが無いものがあったり、毎回必ず出荷した利するものと言った差が生じます。
外部の物流やテナントとして倉庫を借りている場合、貸主に対して賃料を支払う必要があります。
貸主によって坪当たりなのか、在庫量なのかといった違いがありますが、倉庫賃料は毎月支払う必要がある賃料のひとつです。
倉庫賃料のコストダウンは、在庫数を減らすことが挙げられます。
賃貸で使用している物流や倉庫のうち、使用していないスペースがあればその分コストを下げられるようになります。
しかし、むやみに在庫数を減らすと、必要な時に供給できなくなってしまいます。
そのため、毎月の出荷数や販売数といった、過去のデータを参照し、何がいくつ必要なのかを算出しましょう。
物流システムには在庫管理システム・配送管理システム・生産管理システムといったものが含まれます。
下記、それぞれの機能をご紹介します。
在庫管理システムは商品の納品や出荷といった、在庫状況を管理するためのシステムです。
従来の物流や倉庫では、目視で数えて手入力で数量や費用を入力していました。
そのため、棚卸や決算のときに、データの情報と実在庫が合わないといったことが発生することがあります。
近年の在庫管理システムは自動入力機能が設けられているものがあるため、ヒューマンエラーだけではなく正確性も向上しました。
配送管理システムは、出荷された商品の発送状況を把握するためのシステムです。
現在出荷した商品がどこにあって、いつ現地に運ばれるのかといった情報を参照することができます。
そのため、配送管理システムを使えば現地スタッフからの納期や到着予定時間などに関する質問に返答することが可能になります。
資材によっては、物流や倉庫に入ったものを加工することがあります。
生産管理システムは、商品の生産過程を管理するためのシステムです。
製造している商品の納期や在庫・工程・原価といった情報を一元管理することができます。
必要数の商品を納期通りに納品するためには、生産管理システムが必要不可欠です。
物流システムの費用をコストダウンさせる方法には、「操作に慣れる」「別のシステムを採用する」といったことが挙げられます。
物流システムによってはさまざまな機能が搭載されている一方、使いにくいものや視認しにくいものなどがあります。
操作が難しい物流システムは長時間操作をする必要があり、結果的に人件費を圧迫する要因となってしまいます。
そのため、現状のシステムを変えない場合、操作する人に慣れてもらうことがコストダウンの方法です。
別のシステムを採用する場合、複数の業者に声を掛けて相見積もりと機能の比較を行いましょう。
物流システムには普段使わない機能が搭載されているものがあるため、そのシステムにかかる費用は垂れ流しの状態になります。
自社が使用する機能が搭載されており、ランニングコストが低額なものがあれば物流システムの刷新を検討しましょう。
物流や倉庫には、商品のピッキングや在庫管理といった作業を行うスタッフが多く在籍しています。
そのため、物流では多額の人件費が発生し、原価や経営を圧迫する要因になることがあります。
しかし、物流スタッフを調整すると出荷時間に間に合わなくなるなど、在庫管理・出荷時に大きな影響を及ぼします。
物流スタッフを調整せずに人件費を削減するためには、作業効率の改善が挙げられます。
システムや在庫の整理などを行い、一人当たりの稼働率を向上させることで生産性を改善することができます。
しかし、受注状況が良くないときは物流スタッフを別の事業部に移動させるなどの検討が必要です。
これまでは原価に含まれる要素のコストダウンについてご説明してまいりました。
こちらでは、資材そのもののコストダウンを図る際に考慮するポイントをご紹介します。
資材によっては、品質やグレートの良し悪しが分かれるものがあります。
そのため、現在在庫している資材よりも低価格で、同じような機能を持つ資材を取り扱うこともコストダウンの方法のひとつです。
また、原材料を取り寄せて、自社で加工したほうが安価なことがあります。
現状に満足せず、調達している商品を見直すことが重要であると言えます。
現在取り扱っている商品を販売し続けるためには、価格設定の変更や見直しが重要です。
その際、自社独自の標準単価を決めておくことで、指標になります。
調達する資材によって原価や売価が異なるため、利益額・率も変動します。
そのため、「売価〇円で粗利率を〇%確保するためには、原価は〇%以下である必要である」といった基準が必要になります。
設定した基準に沿って仕入れを行うことで、価格変更前後でも利益を確保することができます。
商品や資材によっては、大量に発注することで1つあたりの原価を抑えられる「規模の経済」が働くことがあります。
回転率が良い商品や、大量に使用する商品は大量に発注しておくことで、コストダウンを図ることができます。
また、メーカーに年間発注数を提示しておくことで、全量の買い取りを条件にその在庫を確保してもらうことが可能です。
ただし、大量に在庫を抱えると物流費を圧迫することがあるため、十分に考慮してから判断しましょう。
家屋を建てる際のコストダウンの方法として、木材の使用が挙げられます。
かつて木材は大規模木造建築は耐火基準等の問題から規制されていました。
しかし、2010年には公共建造物で木材の使用が推奨されたほか、2021年以降は一般家屋でも推奨されています。
木材は鉄骨や鉄筋よりも低コストの原材料であり、下記のような特徴を持つため、現在に至るまでさまざまな建物に使われるようになりました。
これらの特徴をお客様に伝えることで、お客様は木材を使用してほしいと依頼される可能性が高くなります。
そのため、木材は顧客満足度を向上させつつ、コストダウンを図ることができる健在であると言えます。
今回は建築資材のコストダウンについてご説明しました。
家屋の建築にかかるコストには、倉庫賃料や物流システムの費用、人件費といった要素が含まれます。
それぞれ、在庫数を減らしたり稼働率を上げたりといった方法でコストダウンを実現できます。
また、下記を実践することで資材そのもののコストダウンが図れます。
お客様のニーズをくみ取ったうえで、コストダウンを図って高い利益を獲得しましょう。
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