「住宅で構造計算は必要?」
「構造計算によって耐震等級はどうなる?」
工務店経営者の方でこのように住宅における構造計算や耐震等級について頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。構造計算は建物の安全性を確認する方法であり、耐震等級にも大きく関係しています。
安心安全な建物を建てるためにも構造計算や耐震等級についてしっかりと理解する必要があります。
今回の記事では、住宅における構造計算について詳しく解説します。また、耐震等級についても解説しますので、構造計算や耐震等級についてお悩みの工務店経営者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
また、当社、Make houseでは工務店に特化した設計に関するサポートを実施しております。
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目次
住宅における構造の安全性を確保する手段は、大きく分けて以下の3つです。
それぞれについて詳しく解説します。
壁量計算とは、地震や台風などの建物にかかる水平力に対して耐えるための必要な壁量を満たしているか計算する方法です。計算の結果はシンプルにA3用紙1枚分程で、建築基準法に定められている最も簡易的な計算方法といえます。
必要な壁量のことを耐力壁といい、筋交いの太さや本数などで強さが異なります。
耐力壁の強さは壁倍率という数値で表され、数値が大きいほど強い壁です。
たとえば、筋交いをXの形状のように2本入れた場合では壁倍率が2倍となり、壁倍率の上限は5.0となっています。
品確法による性能表示計算とは、壁量に加えて、基礎や接合部、横架材についても詳細に検証する計算方法です。
耐震等級が2以上必要である長期優良住宅を建てる場合は、品確法による性能表示計算が主に使用されています。
許容応力度計算とは、建物にかかる重さや地震や台風によってかかる力によって、柱や梁などのそれぞれの部材が耐えられるかどうかを検証する方法です。
万が一地震が起こった際に建物が耐えられる限界点を検証するため、許容応力度計算は、地震に対する安全性を高めるための非常に有効な手段です。
構造計算書はA4用紙で100枚以上になり、性能表示計算よりも信頼性の高い耐震等級となります。
許容応力度計算には、ルート1とルート2があり、順番に計算します。
まず、建物にかかる荷重を調べます。
許容応力度計算で検証する荷重には、下向きにかかる鉛直荷重と水平方向にかかる水平荷重があります。
【鉛直荷重】
固定荷重 | 建物自体の重さ |
積雪荷重 | 雪が積もった際に屋根にかかる重さ |
積載荷重 | 人や家具・家電などの建物の床にかかる重さ |
特殊荷重 | グランドピアノや大型金庫など特に重量があるものの重さ |
【水平荷重】
地震荷重 | 地震の際の揺れで建物にかかる力 |
風荷重 | 台風などの風圧によって建物にかかる力 |
上記の荷重に建物の部材が耐えられるか調べ、地震や台風があった場合に建物にかかる力に耐えられるかも確認します。
ここまでが許容応力度計算のルート1の計算です。
ルート2は、以下の順序で検証します。
許容応力度計算のルート2は、正確には許容応力度等計算と呼ばれ、ルート1で不適合だった場合に適用されます。
ルート3は、保有水平耐力計算といい、大規模な地震が起こった場合に全壊しないか調べます。
ただし、主に大規模建築物で使用され、住宅などの小中規模の建築物では任意となります。
構造計算のルートについては、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
【プロが解説】構造計算のルートとは?種類やルートの選び方を解説
なお、当社、Make houseでは工務店に特化した設計におけるサポートを提供しております。
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構造計算で大切なことは目標とするレベルの設定で、耐震等級には3段階あります。
耐震等級1 | 建築基準法で定められている最低限の耐震性能を満たす基準 |
耐震等級2 | 耐震等級1の1.25倍の耐震強度 |
耐震等級3 | 耐震等級1の1.5倍の耐震強度 |
耐震等級3が目標とするレベルであり、先述のとおり、構造計算による耐震等級は性能表示計算よりも信頼性が高いとされています。
耐震等級3については、以下の記事でも詳しく解説しているのでぜひ参考にしてみてください。
耐震等級3の間取りで知るべきこと!工務店経営者向けのポイント
日本は地震大国といわれるぐらい地震が多いため、住宅を建てる場合は地震保険に加入する人がほとんどでしょう。
しかし、仮に大地震が発生して住宅が半壊した場合は、地震保険に加入していても保険金額だけでは修復できません。
地震によって住宅が半壊した場合におりる保険金額は、契約金額の60%といわれています。
構造計算によって耐震等級3を獲得した建物であれば、大地震が発生しても住宅が半壊する可能性は低いでしょう。
地震などの自然災害は、いつどこで発生するかわかりません。仮に地震の被害に遭って住宅が半壊して地震保険で修復できない場合でも住宅ローンは残ります。
住めない家に対しても、住宅ローンを払い続ける必要があるので注意が必要です。
住宅を建てるメーカーや工務店は保証がついていますが、地震などの自然災害は対象外となります。
人生が大きく変わってしまうことになるため、地震などの自然災害には自分自身で備えることが不可欠です。
今回の記事では、住宅における構造計算や耐震等級について詳しく解説しました。
日本においては大地震が発生する危険性があるため、構造計算によって安全性の高い住宅を建てる必要があります。
しかし、現実的には自社で構造計算できる工務店は少ないのではないでしょうか。
自社だけで構造計算に対応するのは大変なため、信頼できる外部の設計事務所に依頼することがおすすめです。
当社Make houseは、構造計算を含む設計業務の全面的なサポートサービスを提供しています。
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