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BIMとは何か?工務店の設計業務の負担を解決|CADとの違いも解説

更新日:2023年3月25日(土)

みなさん、「BIM」という言葉をご存知でしょうか。

最近、建設業界でも聞く機会が多くなっているバーチャル上で構築を行うシステムになります。

まだ、あまり詳しく知らない方もいると思うので、ここでは基本的な特徴や、CADとの違いについて説明をしていきたいと思います。

建設業界に関わる方には活用するメリットがあるシステムなので、この機会に知っておくと良さそうです。

 

BIMとは

それではまずBIMとは何なのか、基本的なところからお伝えします。

BIMとはBuilding Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略です。

現物と同じ建物の立体モデルをコンピューター上に再現する仕組みになります。

 

BIMの特徴について説明するのですが、ここでは大きく3つ挙げることができます。

  • イメージが掴みやすい
  • 建物の情報を一元管理できる
  • 設計・施工のミスを減らせる

 

それぞれ解説をしていきますので参考にしてみてください。

 

イメージが掴みやすい

まずはじめの特徴として、BIMを使うことによってイメージがしやすくなるという点が挙げられます。

2次元の平面図だけだとイメージが難しい部分があります。

しかし、建物を3次元化して実物に近い形で再現ができるため、建物へのイメージ理解度をあげることができます。

 

また、BIMでは、立面図・平面図に加えてパースなども同時に作成することができます。

そのため、建物に関わるお施主様・設計者・施工者でイメージを共有することができます。

 

建物の情報を一元管理できる

2つ目の特徴は、BIMを使うことにより建物の情報を一元管理できるという点です。

理由としては、BIMではそれぞれのパーツに情報を持たせることができるためです。

例えば柱の場合、幅・高さ・奥行きなどの基本的な情報を持たせることはもちろんのこと、金額やメーカー品番、施工日程などの情報を加えることも可能になります。

そのため、設計段階で概算金額や工期日程のシュミレーションを行うことも可能です。

情報を一元管理で扱うことができるため、建物に関わる人との共有が簡単になり、打ち合わせがスムーズになることにもつながります。

 

設計・施工のミスを減らせる

最後3つ目のポイントとなるのは、設計・施工のミスを減らせるということです。

先ほどもお伝えした通りBIMの場合、平面図・立面図・パースなどの建物に関わる資料を一覧で表示することが可能です。

そのため、様々な視点から建物を見ることができるため、早い段階で改善点などを見つけることが可能になります。

また、多角的な視点から見ることにより、施工時のイメージにもつなげることができます。

 

今までのCADとの違い


ここまではBIMの特徴について説明をさせて頂きました。

では、ここからは設計でもよく使われるCADとの比較をしていきます。

どのような点においてCADと異なってくるのか解説をしていきます。

 

BIMとCADを比較した際の違いは下記の3点です。

  • CADは2D、BIMは3D
  • 自動的な修正が可能
  • 各パーツに情報を持たせることが可能

 

CADは2D、BIMは3D

まず1つ目の違いとなるのが、CADは2次元の平面図を扱うのに対して、BIMは3次元の建物モデルを扱うということです。

CADの場合でも、3D CADというものがありますが、基本的にはこちらも2次元の平面図をもとに作成することになります。

対してBIMでは、最初から3次元モデルで作成をし、それをもとに2次元の平面図などを作成します。

ゆえに、3次元モデルをベースに作成をしていくのがBIMの特徴だと言えます。

 

自動的な修正が可能

2つ目の違いとしては、BIMであれば自動的な修正が可能だということです。

これまでCADでは、課題として修正の煩わしさということがよく挙げられていました。

CADの場合、2次元の図面をもとに組み立てを行っています。

そのため1つ修正があると他の部分も含めて全体を組み直す必要がありました

しかしBIMの場合は、最初から3次元の建物モデルで設計がされており、3次元から2次元の図面を切り取って作成します。

そのため部分的な修正をしても、全体に自動反映され整合性を保つことが可能になります。

 

各パーツに情報を持たせることが可能

そして最後の違いとしては、BIMの場合、1つ1つのパーツに情報を持たせることができるという点があります。

CADでは、図面上に寸法や質量の情報を加えることが可能でした。

加えてBIMの場合、建具・柱・壁などそれぞれのパーツに属性情報を持たせることが可能です。

部材名称や仕様、形状や価格などの情報を含ませることもできます。

そのため3Dモデルを活用して全体の把握をすると共に、部分的な建築物の詳細を把握することにもつながります。

 

工務店におけるBIM導入のメリット

BIMの特徴や、CADとの違いについて説明をしてきました。

では、建設現場と近い距離で仕事をしている工務店にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか。

CADによる設計が現在は主流になっているかもしれませんが、BIMのシステムを使うことによって改善されるポイントを解説していきます。

今後の業務の見直しのためにも参考にしてみてください。

 

業務の効率化

設計・積算・施工、そしてお施主様との打ち合わせ・変更と多岐にわたる業務を行っているのが工務店です。

それぞれの業務で変更を行っていると大変手間がかかってしまいます。

その業務の複雑さを解決する手助けとなるのがBIMになります。

CADであれば部分ごとに変更が必要であったのに対して、BIMであれば一度にして変更することが可能です。

また、1つ1つのパーツに情報を持たせることができるため、積算や施工の作業もスピードをあげることが可能です。

業務の効率アップと正確さの両立を実現することができます。

 

お施主様への提案のしやすさ

建築に関しては専門用語が多いため、お施主様は理解が難しく、工務店とお施主様で認識がずれてしまうということも多々あります。

その問題に対してBIMがあれば、平面図・立面図・パースと一度に資料を見ることができるため、説明がわかりやすくなると同時に、イメージを共有することができます。

そして変更があった場合には、部分的な修正をすることによって全体的な修正に反映させることができるため、早い対応が可能です。

そのため、お客様の満足度向上にもつなげることができるでしょう。

 

設計のクオリティがあがる

3つ目として、BIMを使うことによって建物自体のクオリティを上げることができます。

これまでにもお伝えしたように、2次元の平面図だけでは確認ができなかったものが、3次元の構造になり細部まで目が行き届くようになります。

また、BIMにはシミュレーション機能というものもあります。

これにより照明の明るさの検証や空調による空気の流れ、または家具のレイアウトなども行えます。

よりお施主様の要望にあった設計をすることができ、同時にクオリティの高い建物を作ることが可能です。

 

このようにBIM設計により業務効率の改善やお客様へのプレゼンテーション力向上が期待できますので、BIM設計について詳しくは以下の資料を無料ダウロードして、是非御社の業務改善にお役立てください。

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まとめ

今回はBIMの基本的な情報や、工務店が活用するメリットについてお伝えしてきました。

建物のクオリティを上げることができる点や、業務効率の改善ができる点など、今後の建設業界に貢献するシステムになります。

また、現在はCADでの設計が主流となっていますが、国土交通省によるBIMの推進も影響を及ぼすため、早い段階から学んでおいたほうが良いでしょう。