2024年問題の対策に、お困りではありませんか。労働時間上限の規制をはじめ、とうとう建設業界へも2024年4月に適用される働き方改革関連法は、すべてがメリットで彩られる訳ではありません。
この記事では、2024年問題の説明や継続するコスト高騰問題、2024年問題を乗り切るために工務店がとるべき対策を紹介します。
目次
2024年問題とは、2024年4月より、働き方改革関連法が建設業界に導入されることで発生する課題を指します。
決まり事を遵守できなかった場合、罰則が生じる可能性があるにも関わらず、依然として、対策が完全ではない企業が多数あります。
残業時間の上限の設定
週休二日制の推進
出典:国土交通省「建設業における働き方改革」・厚生労働省「時間外労働の上限規制」
特に注意が必要なポイントは、残業時間の上限をこえて勤務させた実態がある場合、罰則が発生するリスクがあることです。
週休二日は、あくまで推進しているレベルのため、罰則が科されません。
働き方改革関連法は2019年に施行され、建設業では5年間の猶予期間が設けられました。
しかし、2024年に入っても、全ての対策が完了していないため、2024年問題として悩ましい現状が続いています。
2024年問題と同様に、建設業界には、2024年も引き続き関わらなければいけない問題、例えば、資材価格や人件費の高騰があります。
建築コストが増大する要因のひとつが、円安や地政学的リスクが原因の資材価格高騰の継続です。
日本では円安が進み、資材の輸入に要する費用が上がっています。
また、ウクライナとロシアの問題のような地政学的リスクも、資材価格高騰に拍車をかけ続けています。
日本だけではなく、世界を取り囲む状況が、資材の価格が上昇する環境に関わっていると言えるでしょう。
2023年実施の、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社が実施した調査によると、資材価格高騰について、経営者はこのような回答をしています。
さらに、経営課題として、資材高騰と釣り合う工事金額での受注が挙げられています。
出典:M&Aキャピタルパートナーズ株式会社「2024年問題・資材価格高騰の実態とは?建設業界の経営者100名に調査を実施」
円安や地政学的リスクによる資材価格高騰は、2024年問題と同じく利益を圧迫している状態であり、経営者が打開策を見つける必要がある課題のひとつです。
建築コストが積み重なる要素には、若者不足を含む慢性的な人手不足や労働者の単価が上がっている現状も関係しています。
人の単価そのものが上昇し、かつ人手不足が叫ばれると、人材の確保のために要する費用が向上するためです。
出典:一般社団法人日本建設業連合会「建設資材高騰・労務費の上昇等の現状」
上記は一例ですが、すべての職種で労務単価が上昇しています。
また、労働単価だけではなく、建設業界に広がっている高齢化と若手不足、人材不足も建築コストに上乗せされます。
人を集めるには、より魅力的な条件の提示が重要で、魅力を感じてもらえるポイントは、給与も大きく関係するでしょう。
M&Aキャピタルパートナーズ株式会の調査によると、人手不足は現実のものであり、人を集めるための対策として、給与アップや資格に対する手当であると半数が回答しています。
結果、一人当たりの労働単価が高くなり、建築コスト全体に加算されます。
人手不足や労務費の高騰は、採算や会社の継続を考えた時の、経営者の課題であると言えるでしょう。
2024年問題や資材、人件費高騰を乗り切るために、工務店が対策を施せるポイントは、リブランディングや外部人材の利用が挙げられます。
工務店のリブランディングや自社オリジナルの付加価値を考え直すことは、自社にしかない強みを再確認でき、これは顧客に対してのアピールにつながります。
まず、付加価値に着目すると、建築コストが上がっているなか、以前より高くなった住宅価格でも自宅を購入する顧客にとって、金額に見合った高品質は当たり前で、更なる付加価値が重要だからです。
他社と差別化され、自社の強みが含まれた設計や、アフターフォロー・サービスを含め、建物に付加価値をつけた提案が望まれます。
次に、付加価値を提供するために、どのように自社の強みを見つけ、リブランディングを推し進めるかというと、ビジネスモデル化が挙げられるでしょう。
ビジネスモデルを作る上で、大切なポイント3つあります。
注意すべきポイントは、ターゲットの明確化が大切であり、自社の商品ありきでビジネスモデルを作らないことです。
同時に、顧客側もすべてが高騰している世の中を知っているため、自社の顧客層が変わった可能性も考慮に入れると良いでしょう。
工務店が、2024年問題や人件費の高騰などを乗り切るためには、すべての業務を自社内で行わず、外注化も対策のひとつです。
建設業界は慢性的な人手不足であり、人を探して雇用するには、時間を費用も求められます。
また、戦力として勤務するには、時間がかかるケースも考えらえます。
外注化が実現すると、工務店の経営にメリットが生じます。
自社ですべての業務を抱え込まず、自社以外のサービスや人材を利用する方法も、困難を乗り切る手段として有効だと言えるでしょう。
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2024年問題とは、残業時間上限設定をはじめ、建設業界に働き方改革が適用された時に生じる課題です。
長時間労働の常態化など深く根付いた習慣や短工期の設定も多く、5年の猶予期間のうちに対策が進まず、工務店の経営を圧迫する要因になっています。
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