最近、よく話題になっているChatGPT。利用者が質問やキーワードを入力すると、精度の高い文章を返してくれるとして、行政でも利用の検討が始まっています。
特に、論理的な文章を利用する分野においては、力を発揮しており、アメリカの司法試験では上位10%に入れるほどの成績を残したほどです。
本コラムでは、今話題となっているChatGPTについて、建築業界にどのようなメリットをもたらしてくれるのか、そのメリットや注意点を解説します。
ChatGPTは、アメリカのベンチャー企業であるOpen AI社が2022年にリリースした、自然言語を理解し生成することができる人工知能(AI)です。
さまざまなジャンルに対応可能なこのツールは、対話形式で質問に答え、人間のように文章を生成することができます。
元々は、GPT(Generative Pretrained Transformer)という技術に基づいており、大量のテキスト情報を解析することで意味を理解し、その知識をもとに新しい文章を生成します。
ChatGPTはその応用例の一つであり、ユーザーと自然な会話をすることが可能です。具体的には、質問に答えたり、ストーリーを作ったり、情報の調査を行うことができます。
しかし、ChatGPTは訓練データの一部として利用された情報しか持っていないため、それ以降の情報や未来の出来事については理解することができません。
また、人間のような意識や感情を持たないため、ユーザーの意図を完全に読み取って理解することも不可能です。
2023年3月、株式会社mign(マイン)は、建設業界に特化して開発したAIツール「chact(チャクト)」の提供を開始しました。
これは、ChatGPTの自然言語処理モデルである「GPT-3 davinci」に、建設関連の法規を学習させたものです。
「chact」が開発された背景には、建設プロジェクトを進める上で、建設関連法規の制限や解釈についての行政や事業者とのやりとりに、多大な人員と時間が割かれていることがあります。
建設プロジェクトは大規模なものになることが多く、地理的な制約による事業者や関係団体が存在します。
それらの事業者や国民を守るために、建設関連法規は数多く存在するため、制限や解釈についての確認は重要なものだと言えるでしょう。
「chact」は、ChatGPTに建設関連法規を学習させたことにより、建設関連の質疑に特化した応答が可能となりました。
そのため、建設関連法規に関する質疑に関する人とのコミュニケーションコストを削減することに期待が持たれているのです。
また4月には、BIM/CIM等の建設系ソフトウェアのエラー及びトラブル対応機能を実装されました。
これによって、業務で利用している建設系ソフトウェアの種類とエラー、トラブル内容を書き込むことでChatGPTが迅速に対応方法を回答するとが可能となり、業務や研修における効率性の向上が期待されています。
大規模な建設工事に関するAI化は、今後もますます発展していくものと思われます。その波は住宅業界にも及ぶことは時間の問題かもしれません。
このように、ChatGPTは建設業界にはすでに活躍の場を広げつつあり、期待の存在になっていると言っても過言ではありません。その技術を生かして、地場の工務店が少数精鋭でも事業が高回転で回る仕組みをChatGPTが叶えてくれるものとして大きな期待ができます。
ここからは、ChatGPTを建築業界が導入することによって得られるメリットについて解説します。
ChatGPTは、広範囲に渡る詳細なデータ情報や、大量のテキスト情報を解析することによって、文章を生成するツールです。
その優秀な頭脳は、企業のマーケティングにいかすことができるのではないかとされています。
例えば、「工務店が摂るべきマーケティング手法は?」と質問を投げかけると、口コミマーケティングや顧客関係管理(CRM)などを含む6つのマーケティング情報を提示してくれます。
より具体的な内容を打ち込むことで、摂るべきマーケティング手法をより詳しく解説してくるれるでしょう。
また、競合他社の強みや弱みの分析を行うこともできることから、マーケティングへの活用が期待できるのです。。
このように、ChatGPTはマーケティングへの活用が考えられ、自社の発展に寄与する可能性があります。
ChatGPTを活用することで、今まで人が行っていた業務を任せることが可能となり、業務の効率化を図ることができます。
ChatGPTは、さまざまな文章を生成することが可能なため、会議資料や社内文書、メールの作成など、文書作成を任せることが可能です。
今までは、時間をかけて作成していた会議資料も、条件を指定した上でChatGPTに命令することで、完璧に近い形で作成することがきます。
また、会議の議事録作成はもちろん、文章の要約や翻訳を行うことも可能ですので、文書作成に使用していた時間を省くことで、本来の業務に注力できるようになります。
このように、業務効率化と同時に企業の業績アップにも貢献することができるでしょう。
更に、業務の効率化が図られることで、建築業界にある、長時間労働というイメージの改善が行われ、人手不足の解消の役に立つことも考えられます。
ChatGPTはこれからの技術でもあるため、メリットの反面、懸念点が存在することも事実です。
特に、回答内容に「真偽不明の情報」が含まれることがある点は、十分な注意が必要となります。
ここからは、ChatGPTを導入する際の懸念点について解説します。ChatGPT導入を考えている際の参考にしてください。
ChatGPTについては、質問に対して真偽不明の情報を返してくる場合があることが知られています。
ChatGPTはあくまでも、インターネット上にある膨大な量の情報を分析し、次に来る確率の高い文章を使用して回答を生成していきます。
質問の仕方が不明確であったり、情報量が少ないものについては古い情報を返してきたり、真偽不明、もしくはまったくのデタラメな情報を返してくる可能性もあるのです。
ChatGPTを導入し活用する際には、回答を鵜呑みにするのではなく、回答に疑問に感じた場合は、別の情報源も参考にして真偽をはっきりさせるなど、チェックを行う必要があることを認識しておいてください。
ChatGPTは、インターネット上の情報を利用し、ユーザーの疑問に回答します。そのため、実際の現場での情報については弱いことも考えられます。
多くの情報が発信されている場合であれば、現場で起こったトラブルにも対応することが可能ではありますが、情報が少ないものや、ユーザーが状況を上手く伝えられないと、正確な情報が返ってこないこともあります。
また、ChatGPTが学習した情報は、2021年9月までのものであるため、最新の技術などについては回答することができません。
現場で使用している機会などが、最新のものである場合には、ChatGPTが回答することができないこともあります。
自然言語を理解し生成することができるChatGPTは、現在、多くの人々が利用している画期的なAI技術だと言えるでしょう。
文書作成業務や、データの分析や解析など、今まで時間のかかっていた業務をChatGPTに任せることで、大幅な業務の効率化が図れます。
ところが、最新技術であることから、まだまだ完璧だとは言えません。最新情報について詳しくなかったり、誤った情報を回答してしまうこともあります。
しかし、膨大な量のデータから解析された文章は、人間が作成したものと寸分違わないこともあり、将来の業務効率化に寄与する可能性が大きな技術であることに変わりはありません。
AI導入によって、業務の効率化が図れるのであれば、ChatGPTは、人手不足に苦しむ建築業界の救世主になり得る存在かもしれません。
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