現在30〜50棟の実績がある工務店にとって、次の目標は「100棟ビルダー」というところが多いかと思います。
100棟ビルダーになるためには、受注を多く取ることに注力するだけでなく、社内体制や社員数、業務効率化などの構築を進めていかなければなりません。
また、今回のコロナ禍のような予期できない事態への対応力や安定的な成長、景気に左右されない経営を行うためにも、建築棟数を伸ばすことは非常に重要な指標になります。
本記事では、100棟ビルダーを目指すために必要なポイントを説明するので参考にしてみてください。
目次
まずはじめに、100棟ビルダーの定義について解説します。
100棟ビルダーとは、言葉の通り年間に100棟以上の住宅を建てる住宅会社のことを示しています。
住宅業界では、この他にも「パワービルダー」、「地域ビルダー」などと呼ばれることもあります。
全国的なハウスメーカーと地域工務店の間に位置しており、比較的広い範囲を指す言葉になります。
ハウスメーカーほどの販売規模はないものの、1〜3都道府県程度に販売基盤があり、住宅を展開しています。
では次に、全国的に販売基盤があるハウスメーカーとの比較をしていきます。
ハウスメーカーは広く展開をしているため、建築棟数としても年間で数千棟の販売実績がある会社が多いです。
一方で、ビルダーについては全国的な知名度はないものの、地域で年間100棟以上の実績がありトップシェアを持つ会社もあります。
ハウスメーカーとの大きな違いを挙げるとすれば、地域に根ざした経営をしている点になります。
先ほどもお伝えしたように、ビルダーの場合は都道府県内、広くても隣の都道府県と地域が限定されています。
そのため、その地域の特性を理解しており、ニーズに合った家づくりをすることが可能です。
また、地域が限定されており小回りが利くため、お互いに顔が見えるやり取りができることも特徴と言えます。
打ち合わせの際や引き渡し後のメンテナンスでも顔を合わせる回数が多くなり、長期的な関係を築くことができます。
ハウスメーカとの違いを解説しました。単なる100棟ビルダーを目指すのではなく、工務店としての強みや差別化を残しつつ、事業規模を拡大していく「地域密着の100棟ビルダー」になることが重要です。
そのために、棟数を増やして安定的な売上を作るためにはいくつもの要素が必要になりますが、
ここで必要となるポイントについて大きく3つに分けて説明をします。
その3つのポイントとは下記の項目になります。
では、それぞれどのようなポイントに意識を向けるべきなのか、次の章から具体的に説明をしていきます。
まずはじめに重要になるのが集客です。
集客は住宅を販売するまでの過程で最初の段階になります。
集客の段階で総数を増やすことにより、契約につながる見込み客を増やすことができます。
そして、集客の中でも重要なポイントについて下記の2点を説明します。
まず1つ目は、自社の強みやコンセプトを発信するということです。
集客をする際にはやはり他社との差別化が必要になります。
そのためには事前に自社の強みやコンセプトを再認識しておく必要があります。
そうすることにより、お客様のニーズとマッチさせることが可能です。
また最近ではSNSやWEBの発達により、インターネット上で情報を得るお客様が多くなりました。
強みやコンセプトを発信することにより、お客様も「どんな暮らしを実現したいか」「どのように快適に過ごしたいか」など、イメージと照らし合わせながら選ぶことができます。
ハウスメーカーのように大きな広告で集客をすることは難しいかもしれませんが、WEB上で発信をすることにより効率的に集客を行うことは可能です。
次に、お客様のターゲット層を絞り込むことも重要です。
強みやコンセプトを発信していたとしても、住宅を販売したいターゲット層が誤っていれば集客につなげることは難しいでしょう。
そのため、効率的に集客を行うためにもより具体的に絞り込みを行うことをおすすめします。
年代や家族構成はもちろんのこと、ペルソナ設定と呼ばれる人物像を描くことも重要になります。
「どのような仕事をしているのか」、「休日の趣味は何なのか」、「家の中でどのように過ごしたいのか」、これらを具体的にイメージすることによって、お客様のターゲットもより絞ることができるでしょう。
工務店の一番の課題は「集客戦略」です。大手ハウスメーカーと同じ土壌で戦わない戦略がもっとも合理的な集客方法となります。詳しくは以下の資料をダウンロードしてください。
そして、次に重要になるのが営業です。
年間100棟以上のビルダーを目指すのであれば、やはりスピード感が重要になります。
営業においても効率的に提案を行い、クロージングまでつなげる必要があります。
その中で重要なポイントが下記の2点になります。
1つ目が、提案方法での他社との差別化です。
お客様も数多くの工務店の中から選んでいるため、提案の際に他社との違いや、優れている点がなければ、次の商談につなげることは難しいでしょう。
お客様の要望をヒアリングするのはもちろんのこと、それを具体的にイメージ化するまでのスピードが重要になります。
近年では3Dモデルを活用したプレゼンツールや、VR(ヴァーチャル・リアリティ)を活用したプレゼンも行われています。
他社と差別化したプレゼンを行うことに加えて、お客様の手間も取らないことで満足度アップにつなげることもできるかもしれません。
そして、住宅を販売する最後の段階がクロージング、つまり契約になります。
商談が何度か続いているのであれば、やはりクロージングまでつなげることが望ましいです。
だらだらと商談が続いてしまうと、お客様も決断するまでに迷いが生じてしまいます。
そのため、上記でお伝えした提案段階でスピード感を持って対応し、お客様の生活をより明確にイメージさせることが重要になります。
そして、信頼関係を構築した上で、クロージングにつなげるようにしましょう。
工務店の営業は設計や現場管理と兼務しているところも多く、営業活動に専念ができない、もしくは時間に追われて業務過多に陥っている人も多いのではないでしょうか?解決の一つとしては、「売れる住宅を少ない面談で受注する方法になります。」詳しくは以下の資料をダウンロードしてください。
そして最後に重要になるのが、組織づくりです。
年間10棟程の工務店であれば、従業員数人で対応することも可能になります。
しかし、年間100棟以上の住宅を建てるのであれば、組織の作り方も考えなければなりません。
その組織づくりの際に大切になるのが、会社のブランド化です。
住宅業界では、「良い人材が集まらない」「若手が育たないまま離れてしまう」という声をよく聞くのではないでしょうか。
これらの課題を解決するためにも会社自体に魅力を感じてもらう必要があります。
強みやコンセプトを活かした住宅を建てることにより住宅のブランド化ができ、その結果、会社のブランド化につなげることも可能です。
お客様の満足度につなげることができれば、評判がSNSやWEB上で発信され、広く展開されます。
その魅力に共感した人材が集まれば、より強みを発揮できる組織を作ることもできるでしょう。
工務店のブランディングについては、規模が大きくなる前に固めて置く必要があります。規模が大きくなるにつれ、会社の末端に理念やビジョンが伝わりにくくなってしまうからです。そのための仕組みづくりについて詳しくは以下の資料をダウンロードしてください。
今回は100棟ビルダーというキーワードに焦点を当てて説明をしてきました。
安定した経営を行うためには、売上・利益を確保する必要があり、そのためには棟数を増やす必要があります。
棟数を増やすためにも、集客で見込み客を増やし、営業で効率的に契約までつなげる。
そして、組織づくりを意識することにより、良い循環を生み出すことができます。
売上だけを追い続けた100棟ビルダーをつくるだけでは、未来永劫続く企業には成長しません。工務店としての強みを最大限活かした「地域密着の100棟ビルダー」を目指すことが需要です。
今回挙げたポイントを参考に改善できる点はないか見直しをしてみてください。