2021年頃の「ウッドショック」を始め、木材や鉄といった建築資材が高騰し続けています。
2022年にはロシアとウクライナの関係が悪化したことも要因として、未だに値止まりの予兆が見えません。
2023年、今年は新たな局面を迎えます。資材高騰だけでなく、電気代高騰の影響でプレカット工場や建材メーカーの工場の生産過程による電気代が上がり、価格へ転嫁せざる負えない状況がでてきました。
そこで建築資材の高騰について、いつまで続くのか?どのように対策をすればよいか?といった予想と併せて解説します。
建築資材は「【2023年以降】値上がりはいつまで続く?建築資材高騰の原因と今後の動向を解説」でお伝えした通り、ウッドショック・アイアンショック・ロシア・ウクライナ戦争・コンテナ料金の上昇・円安が要因で価格が高騰したと言われています。
また、最近では建築資材だけではなく、住宅設備や建材なども値上がりの兆候を見せるようになりました。
そのため、新たに住宅の購入を考えている方は、まったく同じ間取りや仕様でも、以前より高額の費用が必要となっています。
そこで次に、住宅設備や建材が値上がりした要因を解説します。
ガソリンや電気は住宅設備や建材を製造する工場で、機械を動かすエネルギーとして利用されます。
これらは原価のなかに含まれるものであり、価格が高騰することによってお客様への提供価格も増額となります。
そのため、ガソリン代や電気料金の値上がりは、住宅の値上がりにも直結します。
現在の日本では多くの原子力発電所が停止していることから、以前と比べて電気の供給量が少なくなっています。
住宅やオフィスなどで使われる電気の需要に対し、各発電所から供給される電気量が減少したことにより、電気料金が高騰する要因となります。
また、火力発電所では石炭や液化天然ガス、ガソリンといった資源が使われています。
燃料となる資源の多くは日本でほとんど採掘できないことから、輸入に頼らざるを得ない状況です。
株価や戦争といった世界情勢の変化により資源の価格が高騰すると火力発電によって得られる電力や、運送にかかるコストが上がってしまいます。
建築業界では、長年働いている職人が高齢化することによって退職者が増え、若い人材がいないことから職人不足が課題として上げられていました。
家を建てたいのに建てられる職人がいないということで、建築業界では職人の引き抜きなどが行なわれます。
しかし、引き抜きの際は高額な給与が必要だったり、多額の採用コストが発生したりすることから、人件費高騰の要因にもなっています。
職人不足は世界情勢による影響が少なく、コロナウィルスの問題が収束しても解決しない課題です。
このように、住宅設備が値上がりしている要因は原価に含まれるエネルギーや人件費の高騰が上げられ、解決が難しい状況が続いています。
次に、建築業界各社が値上げした品目や、それらに使われている原材料と値上げ幅についてご紹介します。
キッチンやバスルームには木材や鋼鉄、アルミニウムといった素材が使われています。
値上げ幅はキッチンで10%程度、バスルームで最大40%程度の値上げ幅が多い傾向です。
住宅設備を製造・販売するメーカーにおいて価格競争で優位に立つためには、高く買ったものを安く販売する必要があります。
しかし、ビジネスでは可能な限り利益を上げることが目的のため、原材料の高騰は売価に転嫁しなければなりません。
その結果、キッチンやバスルームの価格が高騰する要因となります。
ガラスや窓には石英や鋼鉄といった原材料が使われており、値上げ幅はガラス・窓共に15%程度です。
先述のように、日本では資源の採掘量が少ないため、ほとんどを輸入に頼っている状況です。
経済制裁や戦争といった世界情勢の変化によって価格が変動した場合、そのしわ寄せはお客様に提供する売価に反映されます。
ガラスや窓も原材料価格の高騰により値上げせざるを得ない状況となっており、家屋の値段が上がる要因となっています。
床材や壁材には木材や鉄鋼などが使われており、値上げ幅は10%程度です。
【2023年以降】値上がりはいつまで続く?建築資材高騰の原因と今後の動向を解説」でお伝えした通り、ウッドショック・アイアンショックといった要因により床材や壁材に使われる原材料の価格が高騰しています。
今後ロシアやウクライナの関係が修復し、世界各国が経済制裁を緩和した際には原価が下がる可能性があります。
しかし、これらは日本や企業でのコントロールは難しく、各国の状況に左右されるものです。
そのため、原材料の値上がりは外部の要因が大きく依存している問題と言えます。
次に、高騰する住宅設備への対策をご紹介します。
一つ目の対策は、お客様と業者間で早期の仕様決定と発注が挙げられます。
早めに使用を決定することで建設業者や下請け会社は余裕を持って材料を発注することができるため、価格が抑えられるタイミングを狙うことができます。
また、早期の発注は資材を高確率で抑えられるというメリットもあります。
お客様にご提案する際は、上記の理由を説明して建築資材や住宅設備を早めに決定するようにしましょう。
スライド条項とは、工事の契約締結後に急激な物価変動が発生する可能性を考慮して、請負金額の見直しができる規定をさします。
ただし、スライド条項を適用するためには依頼主の了承が必要である点には注意しましょう。
契約時点でスライド条項の説明をせずに、工事後などに追加費用の説明をしても受け入れられる可能性が低く、トラブルに発展してしまうケースもあります。
住宅の建築には、材料費のほかにスタッフに支払う給料など、多くの費用が必要です。
先述した対策をもってしても、価格を抑えるには限界があるものです。
そのような場合、業務効率を改善することでコストダウンを実現する方法があります。
たとえば、顧客管理や施工管理、原価管理といった作業にシステムを導入し、効率良く運用することが挙げられます。
業務効率化システムはその時だけではなく、今後も使い続けられるため、継続したコストダウンが実現できる点が魅力です。
今回は住宅設備が高騰している要因についてご説明しました。
住宅設備が高騰している要因にはウッドショックやアイアンショックだけではなく、ガソリン代・電気代や人件費の高騰が挙げられます。
日本においてガソリンや電気は世界各国からの輸入に依存しているため、世界情勢の影響を大きく受けやすいものです。
職人不足は建築業界で長年続いている課題であり、職人の高齢化や引き抜き、若い職人が少ないことによって人件費が高騰しています。
値上がりした品目にはキッチンやバスルーム、ガラス・窓といったさまざまなものが含まれており、企業努力だけでは改善が難しい状況です。
そのため、早期の仕様決定と発注・スライド条項の適用・業務効率化システムの導入といった手段で住宅設備の価格高騰を抑えましょう。
当社では価格面の競争優位に立つ方法をご提案しているので、ご興味がある方はぜひ下記フォームよりお問い合わせください。
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目次
・こんなお悩みはありませんか?
・職人の単価が高くなった
・建材の高騰で予算に合わない
・メーカーの見積もりが予算に合わない
・職人によって、品質・工期が不安定
・複雑な設計で工事費が上がる