工務店において売上を伸ばし、業績を安定させることは大事なポイントです。
そこで、さまざまなマーケティング手法を利用し、見込み客を安定的に獲得する仕組み作りを行うのは重要なことと言えるでしょう。
しかし、既に家を建てたお客様や、リフォームしたお客様など、既存顧客へのアプローチも新たな市場開拓のキーポイントとなり得ます。
本コラムでは、既存顧客へのアフターフォローによるマーケットの開拓について解説します。
目次
初めに、なぜアフターフォローが住宅営業や集客など、新たな市場開拓につながるのかを解説します。
アフターフォローが新規顧客開拓につながる理由は、「既存顧客からの紹介につながる」こと、「口コミが新築住宅受注につながる」こと、「リフォームなどのマーケット開拓につながる」ことの3点です。
それぞれについて見ていきましょう。
以前に住宅を建てた顧客や、リフォームを担当した顧客などのOB顧客にアフターフォローを行い、接点を持っておくことは重要です。それはなぜでしょうか?
例えば、会社の同僚や部下、友達が家の新築を考えている場合に、アフターフォローを行っておくことで、紹介してもらえる可能性があります。
紹介案件の場合、通常の案件と比べると、広告を打つ必要がないため、コストが抑えられます。さらに、信頼関係が出来上がっている人物からの紹介という安心感のもとで商談を進めることが可能です。
このような場合、相見積りとなったとしても、他者より有利な立場で商談を進めることもできます。
このように、既存顧客と接点を持っておくことで、新規顧客の紹介が受けられます。つまり、一からマーケティングによって新規顧客を獲得するよりも、受注率はもちろん、粗利率の高い案件が獲得できる可能性が高いのです。
アフターフォローの充実は、新築住宅購入を考えているお客様にとって、選択の際の大きな要素の一つです。
例えば、住宅の品質保証期間を用意していたり、定期点検を行っていることは、大きな魅力としてとらえてもらえます。
そのアフターフォローの内容を広めてもらえるのが口コミです。
新築住宅購入を考えている人は、さまざまな方法で情報を収集しています。特に、ネット上の口コミを参考にしている人は多いことでしょう。
しかし、ネットの口コミは本当に住宅購入者が書き込んでいるのかや、他社をおとしめようという考えから書き込まれている可能性も否定できません。
対して、実際に新築住宅を購入した人から、直接聞いた評判であれば、その信頼性は高くなります。上述した通り、その口コミが会社の同僚や友人であったのであれば、信頼性がより高くなり、新築住宅購入先の候補として上位になる可能性は高まるのではないでしょうか。
品質が高く、新築当初は問題のない住宅であっても、10年、20年と年月が経過すれば、経年劣化により、どこかしら問題が出てきてしまいます。
そのような場合には、メンテナンスの必要性が生じ、リフォームを希望するお客様もいるでしょう。
また、新築当初からライフスタイルが変化し、住宅をバリアフリーにしたいなどの要望も出てくることが考えられます。
リフォーム案件は、新築住宅に比べれば単価は安くなりますが、トイレやお風呂場など、場所ごとに行うこともあるため、安定的に獲得できれば工務店の業績安定につながるでしょう。
新築住宅購入からリフォームまでを組み合わせることで、1組の顧客から得られる利益が向上します。
さらに、その顧客からの口コミが広がることで、新築住宅営業だけでなく、リフォーム営業にも結びつくことも考えられるでしょう。
ここまで、なぜアフターフォローを行うことで、住宅営業や集客につながるのか、その理由を解説してきました。
それでは、具体的にどのようなアフターフォローを行えば、住宅営業や集客につながるのでしょうか。
アフターフォローの内容には、以下の3つの方法があります。
新築住宅を購入した際に問題がなかったとしても、必ず経年劣化によって問題は発生します。
住宅のトラブルは顕在化してしまってからでは、既に手の施しようがないという可能性もあり得るでしょう。
そこで行っておくべきなのが、定期点検です。定期点検は、既存顧客と定期的に接点を持つための有効的な方法です。
定期点検を行うことで、事前にトラブルを防止することができますし、それによって修繕費を抑えることもできるため、顧客にとってもメリットが多いアフターフォローだと言えます。
施工後数年間は無料で定期点検を行い、その期間以降は料金をいただきというように提案すれば、安定的に利益も得られるため、収入の安定化にも繋げられるでしょう。
例えば、施工後15年間、住宅に瑕疵があった場合には無償で修理を行うなど、住宅の品質保証を行うことも、アフターフォローとしては有効な手段です。
品質保証は、顧客が抱く「欠陥住宅を購入させられるのではないか」という、心理的な負担を軽減してくれます。また、心理的な負担を軽減することで、住宅購入へのハードルを下げることもできるでしょう。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」では、新築住宅の場合、「構造耐力上主要な部分」及び「雨水の浸入を防止する部分」について、10年間の瑕疵担保責任を建設請負業者に課しています。
そこで、これを基本として、自社の裁量によって期間を延ばしたり、10年目以降は無償または有償で行うなど、品質保証の内容を決めておくと良いでしょう。
自社で住宅を建てたOB顧客が交流できりイベントを行っている工務店もあります。年に数回程度、OB顧客と交流の機会を計画することで接点を持ち続けることが可能です。
OB会を開催するというアフターフォローの方法は、OB顧客と住宅のトラブルや悩みごとがなくても交流することで、OB顧客と仲良くなれることにメリットがあります。
OB顧客と仲良くなることで、紹介案件を獲得する機会が増えることが見込まれるため、非常に有効な方法と言えるでしょう。
OB会のイベントは、必ず住宅に絡めたものでなくてはいけない訳ではありません。交流の場としてのイベントですので、例えば、お花見などの季節のイベントやバーベキュー大会、ゴルフコンペなども良いでしょう。
その様子を自社のサイトにアップするのも、集客につながるかもしれません。
また、開催に当たって会費を集めるようにすれば、販促費として大きな額を使う必要もありません。
ただし、OB会を開催するに当たっては、盛り上げるイベントにするために企画を考えたり、運営に手間をかけたりする必要がることに注意が必要です。
デジタル時代の集客として、自社サイトの運用やSNSの活用は確かに重要です。しかし、デジタルマーケティングだけが集客の方法ではありません。
既存顧客の悩みに対応したり、住宅トラブルを未然に防ぐための方法を取り入れたり、OB顧客と交流することで厚い信頼を得ることができるでしょう。
そのためにも、工務店はアフターフォローを万全に行っておくことをおすすめします。宣伝広告を行わずとも、紹介案件を獲得することで、受注率を向上させたり、業績を安定させることが可能です。
特に、現在は対面で接客をせずに済む方法が多くなりました。しかし、顧客と対面し、対話することで心を動かせることに変わりはありません。
日常が戻りつつある今だからこそ、アナログな手法のマーケティングにも注目してみてはいかがでしょうか。
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