大手工務店やハウスメーカーが台頭してきたことで、集客に苦戦しているという工務店は多いのではないでしょうか。
地域に密着し、細やかな要望を反映した住宅建設が可能な工務店ですが、知名度としてはハウスメーカーに及ばないのが現状です。
そこで、本記事では地域に密着した中小工務店が集客のために行うべき、営業のコツを解説します。
実際に営業方法で悩んでいる方や、工務店の営業として就職した新人営業マンの方は参考にしてみてください。
目次
地域に根ざした工務店は、ハウスメーカーとは異なり、個々の顧客に寄り添い最適な提案ができるのが特徴です。
工務店は、職人の手配はもちろん、施工管理まで行って工事全体の責任を持ちます。この点で、ハウスメーカーとは異なっているのです。
そのため、自由度の高い住宅建設が可能なのも工務店の特徴と言えるでしょう。
工務店は、地域密着性という、地元の顧客に親しみを持ってもらっているという強みを活かした営業活動を行います。
例えば、大手ハウスメーカーにはできない細やかな配慮ができることや、住まいの悩みにいち早く気付き、最適な提案を行うことが地域密着型の工務店の営業スタイルです。
また、全国展開しているハウスメーカーや大手工務店とは異なり、限られたエリアを拠点に活動しているため、何かあればすぐに駆けつけられるのも、工務店の営業の仕事では大事なことです。
これらは、工務店の営業の仕事において重要なポイントですので、このポイントを押さえて営業活動を行うことで、工務店の魅力をいかすことができます。
上記のような営業を心がけているのに、なかなか契約が取れなかったり、経験が浅く、思うような営業ができていないという方は多いのではないでしょうか。
そこで、ここからは工務店の営業職が身につけておきたい営業のコツを5つ紹介します。
これらの5つを意識して営業を行うことで、顧客の信頼を得ることができ、成約へ一歩、近づくことができるようになるでしょう。
顧客が求めているものは何かを掴めない限り、最適な提案を行うことはできません。そこで重要となるのがヒアリングです。
顧客側も、営業マンがどれだけ自分の悩みを分かってくれているのか、ヒアリング能力を判断材料にしていることがあります。
工務店の営業では、家づくりをフルオーダーで受けることが可能なため、ついつい価格面や性能面といった条件の話を中心にしてしまいがちです。
しかし、工務店の営業で最も重要なのは条件ではなく、顧客の描く「ライフスタイル」を聞き出すことです。
どのような生活がしたいかを聞き出すことで、家づくりの先にあるイメージを共有することができます。
商談中は、しっかりと会話をし、顧客の思い描くライフスタイルの実現に向け、プロ目線で提案を行うのが理想的な営業です。
顧客のやりたいこと、実現したいことを聞き出した後、メリットを伝えるだけでは理想的な営業とは言えません。
どのような商品にも、デメリットがあることを顧客に伝えることが理想的な営業です。
顧客は理想の家のイメージを描くことはできますが、その際のデメリットについてまでは考えが及んでいないことが多いと言えます。
また、顧客はプロとしてのアドバイスを求めています。商談中は、どうしてもメリットを中心に話してしまいがちですが、デメリットもバランスよく話すことが重要です。
顧客が最終決断をするための判断材料をすべて提示することで、信頼を得ることができるでしょう。
営業マンは、どうしても購入してもらうことや契約が取りたいために、顧客に答えを急がしてしまいがちです。
顧客に「どうも契約を急かされているようだ」と思われてしまっては、そこから信頼関係を築いていくのは難しくなります。
仮に契約したいと考えている顧客だったとしても、契約を急がせているような態度や気持ちが伝わってしまうと、逆効果となってしまい契約まで至らないことがあります。
早く契約を取りたいと思っている場合でも、決してその気持ちを出してしまわないよう、落ち着いた態度を取るようにしましょう。
お客様の判断を後押しするようなスタンスや、じっくりと検討してくださいというスタンスで商談を進めることで、信頼関係を築くことができ、いち早く成約に近づくことが可能です。
どのような場面であっても、他人の悪口を言ってしまうと相手を不快にさせてしまうことがあります。
当然、商談においても他社が不利になってしまうような悪口を口に出してしまってはいけません。
商談中は、他社のプランと比較しながら自社のプランの良い点を説明していく場合があります。
ここで、うっかり他社のプランの不利になるようなことや、否定してしまうようなことをしないようにしましょう。
他社のプランを悪く言ったり、否定するのではなく、他社のプランの良いところは褒めつつ、「我が社であれば、それ以上のお住まいを提案することができます」と伝える方が、顧客にも好印象を与えることができます。
否定的な言葉よりも、肯定的な言葉を使うことで信頼関係を築くようにしましょう。
工務店の営業を行うのであれば、家づくりについての知識を身に付けておくのは重要なポイントです。
これまでのコツを守り、しっかりと商談を行い顧客との信頼関係が築けていたとしても、家づくりについての知識がなかった場合、顧客は一瞬で不信感を抱いてしまうでしょう。
このような状況では、再度信頼関係を築くのはかなり難しくなります。
建築や家づくりの知識が豊富な営業マンは、顧客からの質問に的確に答えることができるので、信頼関係を構築することが容易になります。
普段から、建築や家づくりについて分からないことがあれば、しっかりと調べておき的確な答えができるようにしておきましょう。
さらに、地域の情報についても熟知しておくことで、さらに顧客の信頼を高めることができます。
土地の情報や価格を調べておき、建築や家づくりの知識とともに提供することで、顧客の満足度と信頼度を上げることができ、地域に密着した工務店の魅力にも気付いてもらえることでしょう。
工務店の営業といえば、今まではチラシや広告などを顧客の自宅ポストなどに入れる一方的な情報発信をするものや、知り合いからの紹介などがメインでした。
確かに、これらの営業方法は、地域に根ざした工務店にとっては有効なアプローチ方法と言えます。
しかし、ここ数年で従来の営業方法のみでは、継続的に新規顧客を獲得するには不十分なものになりました。
そこで、こらからの工務店は時代に即した営業方法を取り入れる必要があります。
近年、住宅の新築や、リノベーションやリフォームを考えている場合、インターネットで検索して業者を探していることが増えています。
そこでホームページを立ち上げ、自社の特徴や施工事例を発信していくことで新規顧客の獲得につながるでしょう。
どのようなニーズに応えられるのか、どのような家を建て、どのようなリフォームを行ったのかを積極的に発信することで、インターネット上で情報を探している人に関心を持ってもらうことが可能です。
また、InstagramやLINEなどのSNSを活用するのも新規顧客獲得のための新しい営業方法と言えます。
営業に慣れていない方や新人営業マンにとって、なかなか営業の結果が出ないのは精神的に負担が大きいかもしれません。
しかし、本記事で紹介したコツをしっかりと押さえ、誠実な態度で顧客と向き合っていれば、必ず結果は出るでしょう。
紹介した営業のコツは、本当に基本的なことです。しかし、その基本ができていないために成果が上がらないという営業マンは多くいます。
営業のコツとして、最後に一番大事なことをお伝えするとすれば、基本を丁寧に積み重ねていくことです。
工務店の営業は、商品単価が高いため、簡単に結果が出るものではありません。特に、地域に根ざし、地域に密着した工務店を目指すのであれば、まずは顧客との信頼関係を築く必要があります。
営業の基本をひとつずつ積み重ね、工務店の魅力を知ってもらいましょう。工務店の営業はそこから始まります。
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