住宅CADは、作成したい図面と社内の運用体制に合わせて選びます。本記事では、4つのソフトの特徴と比較、選び方、無料版の有無、BIMとの違いを工務店経営者の方に向けて解説します。
- 住宅CADでできることと種類
- おすすめソフト4選の特徴と比較
- 自社に合う住宅CADの選び方
- 無料版とBIM設計の選択肢
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住宅CADとは?できることと種類

住宅CADとは、住宅設計をコンピューター上で支援するソフトウェアです。図面の作成・修正に加え、3D対応のソフトでは完成後の建物も視覚化できます。
主な種類は、2D CAD、3D CAD、BIMです。自社が作りたい成果物や設計業務の流れに合わせて選びます。
住宅CADでできること
住宅CADでは、平面図・立面図・断面図などを作成できます。修正を反映しやすく、図面の品質をそろえたり、チームでデータを共有したりする際にも役立ちます。
3D対応のソフトなら、立体モデルやCGパースで完成イメージを確認できます。施主への提案や社内の情報共有にも使えます。
2DのCAD・3DのCAD・BIMの違い
2D CADは、平面図などを二次元で作る用途が中心です。3D CADは、建物を立体的に表現できるため、形状や完成イメージを確認しやすくなります。
BIMは「Building Information Modeling」の略で、3Dモデルを基に建物の情報を管理する方法です。図面を作るだけでなく、設計から施工、保守までの情報を一つの流れで扱える点が、一般的なCADとの違いです。
住宅CADのおすすめソフト4選と比較表
| ソフト名 | 種類 | 向いている会社 | 無料版の有無 |
|---|---|---|---|
| ARCHITREND ZERO | 3D建築CAD | 住宅設計の一連の作業を効率化したい会社 | — |
| SketchUp | 3Dモデリングソフト | 直感的に3Dモデルを作りたい会社 | あり(商用の利用は不可) |
| AutoCAD | 2D・3D CAD | 幅広い用途の図面やモデルを扱いたい会社 | — |
| ArchiCAD | BIMソフト | チームや遠隔地で共同設計を進めたい会社 | — |
4つのソフトは、得意とする用途が異なります。比較表で候補を絞ったうえで、各ソフトの特徴を確認してください。
ARCHITREND ZERO

ARCHITREND ZEROは、住宅設計に特化した3D建築CADシステムです。間取り入力から3Dモデル、各種図面、CGパースまでを一連の流れで作成できます。
プレカットCADとの連携や伏図の作成を助ける機能があります。公式サイトでは、確認申請・性能表示・長期優良住宅・省エネなどの法改正にも対応するとしています。
導入時のサポート体制が用意されているため、初めて3D設計へ取り組む工務店の候補にもなります。一方、導入にはまとまった費用がかかるため、必要な機能と投資効果を照らして検討しましょう。
SketchUp

引用:SketchUp
SketchUpは、直感的な操作で3Dモデリングができるソフトです。建築に加えてインテリアや造園などでも活用され、立体的なイメージを作る用途に適しています。
無料版のSketchUp FreeはWebブラウザで利用できます。ただし、公式の案内では、SketchUp Freeは商用の利用はできないとされています。
ほかのCADソフトのデータとやり取りしやすく、既存の2Dデータを取り込みながら3Dモデルを作れることも特徴です。
WindowsとMacに対応し、付属の「LayOut」では2D図面やプレゼン資料も作成できます。複数のOSを使う環境で3Dモデルを活用したい工務店にとって、検討しやすい選択肢です。
AutoCAD

引用:AutoCAD
AutoCADは、2D製図と3Dモデリングの両方に対応する多機能CADソフトです。建築に限らず、機械や電気など幅広い分野で使われ、チュートリアルや参考資料もそろっています。
図面比較、オブジェクトカウント、テーブル作成など、作業の自動化を支える機能も備えています。幅広い用途のデータを扱いたい場合や、多人数で共同作業を進めたい場合の候補になります。
一方で、機能が多いソフトを導入するときは、自社で必要な操作を先に整理しておくと安心です。担当者が実務で使う範囲を決めて比較すると、導入後の運用を具体化しやすくなります。
ArchiCAD

引用:ArchiCAD
ArchiCADは、建築設計に特化したBIMソフトです。直感的な操作画面を備え、2D図面から平面図・断面図・立面図などを自動生成できます。
クラウドベースのBIMプラットフォームを通じて、チーム間で連携できることも強みです。遠隔地を含む共同設計に対応し、サステナブル設計や高性能な建物の実現を支える設計機能も備えています。
住宅の図面作成にとどまらず、建物情報を活用しながら設計を進めたい会社の候補です。特殊な設計を扱う場合も、自社の業務や共同作業の方法に合うかを確認するとよいでしょう。
住宅CADの選び方3つのポイント
住宅CADを選ぶときは、機能の多さだけでなく、用途、費用、データ連携の3点を確認します。自社の設計業務を整理してから比較すると、必要な機能を判断しやすくなります。
作りたい図面と用途で選ぶ
まず、平面図などの2D図面が中心なのか、3DモデルやCGパースまで必要なのかを決めます。施主への提案に立体表現を使う場合と、図面作成を中心にする場合では、適するソフトが異なるためです。
普段作る成果物と作業手順を書き出し、それを無理なく作れるソフトを候補にします。将来BIMを使う計画がある場合は、その運用まで含めて検討してください。
費用と使いこなせる範囲で選ぶ
導入費用だけでなく、担当者が実務で使いこなせるかも選定基準になります。多くの機能があっても、日々の業務で使わなければ、期待した効果につながらない場合があります。
必要な機能、教育にかけられる時間、運用体制を整理し、費用とのバランスを確認しましょう。
ほかのソフトや外注先とのデータのやり取りで選ぶ
社内で使うソフトだけで決めず、取引先や外注先とデータを受け渡せるかも確認します。設計から施工まで複数の担当者が関わるため、連携方法が合わないと変換や修正の手間が増える可能性があります。
既存データを取り込めるか、相手側で扱える形式に出力できるかを、導入前に確かめることが必要です。外注を予定している場合は、先方の利用環境も聞いておくと選びやすくなります。
無料で使える住宅CADはある?
無料で試せる選択肢として、Webブラウザで使えるSketchUp Freeがあります。場所を選ばず始めやすく、3Dモデリングの操作感を確認したいときに利用できます。
ただし、SketchUpの公式の案内では、SketchUp Freeは商用の利用の対象外です。お客様への提案や業務の図面に使う場合は、有料のプランを選ぶ必要があります。無料版は、操作感を試す・学ぶといった使い方にとどめてください。
無料であることだけを基準にせず、作成したい成果物と運用方法を満たせるかで選びましょう。本格導入の前に操作を試す手段として活用し、有料ソフトを含むほかの候補とも比べてください。
住宅CADの現状とBIMという選択肢

住宅CADは図面作成や修正を支える一方、導入しただけで業務全体が変わるわけではありません。費用と機能、使う人、社内外の連携まで含めた運用設計が必要です。
BIMを自社だけで導入するハードルが高い場合は、設計の一部を外注する方法もあります。住宅CADとBIMのどちらか一方に決めるのではなく、自社の課題に応じて使い分ける考え方が現実的です。
住宅CADの導入で気をつけたい点
住宅CADを選ぶ際は、初期費用と必要な機能のバランスを見ます。導入にまとまった費用がかかるソフトを選ぶ場合は、使う機能と期待する効果をあらかじめ整理します。
また、豊富な機能をすべて使うことが自社に合うとは限りません。設計担当者が扱える範囲、教育の進め方、意匠設計で求める表現を確認し、必要に応じて外注も選択肢に加えます。設計の進め方の見直しは設計の課題解決ページでも紹介しています。
BIMの設計を外注するという方法

BIM設計の外注は、自社だけで導入や人材育成を進める負担を抑えながら、BIMを取り入れる方法です。自社に合わせたテンプレートの整備や標準化を進めやすくなり、2D図面から3Dモデルへの展開も行えます。
3Dモデルを施主との打ち合わせに使えば、完成イメージの共有にもつながります。設計業務の一部を外に出すことで、社内の時間をほかの業務へ振り向けることも可能です。
まず部分的な外注から始め、活用しながら社内に知識を蓄積する方法があります。BIMの基本はBIM設計とは何かを解説した記事、費用を検討する際は図面作成の外注費用の記事もご覧ください。
よくある質問
住宅CADでは何ができますか?
平面図・立面図・断面図などを作成できます。3D対応のソフトでは、立体モデルやCGパースを作り、完成イメージを共有することも可能です。
2D CADと3D CAD、BIMの違いは何ですか?
2D CADは二次元の図面作成、3D CADは立体形状の作成が中心です。BIMは3Dモデルを基に建物の情報を管理し、設計から施工、保守までの流れで活用します。
無料で使える住宅CADはありますか?
Webブラウザで利用できるSketchUp Freeがあります。ただし商用の利用はできないため、業務で使う場合は有料のプランを検討してください。
住宅CADとBIMのどちらを選べばよいですか?
図面作成や3D表現など、自社の用途を基準に選びます。BIMの導入や人材育成の負担が大きい場合は、設計の一部を外注し、段階的に活用する方法もあります。
まとめ
住宅CADは、作りたい図面、費用、担当者が使える範囲、社内外のデータ連携を基準に選びます。2D図面、3Dモデル、BIMでは扱える範囲が異なるため、まず自社の業務と必要な成果物を整理してください。
操作を無料で試すならSketchUp Freeが選択肢になります(商用の利用は不可)。BIMを活用したくても、自社だけでの導入が難しい場合は、部分的な外注から始める方法もあります。
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